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『ミューズは溺れない』淺雄望監督&主演 上原実矩さん インタビュー🕊

こんにちは。映画チア部大阪支部の(なつめ)です。


気がついたら11月で、もう今年もあと2ヶ月で終わってしまう…と、2022年を終わらせようとしてませんか!?
この映画を観ずして2022年は終わらないですよ!と、今回は待ったをかけるべく書いています!!


いつにも増して熱量高くご紹介したいのは、『ミューズは溺れない』です!


第22回TAMA NEW WAVEでグランプリ&ベスト女優賞(上原実矩)を、第15回 田辺・弁慶映画祭でグランプリ&観客賞&フィルミネーション賞&俳優賞(若杉凩)を受賞した本作。

9月末から1週間限定でテアトル新宿、10月に2日間限定でシネ・リーブル梅田で上映されましたが、
11月19日(土)から我らがシネ・ヌーヴォと京都・出町座、名古屋・シネマスコーレにて3館一斉単独公開されることが発表されました🎉🎉🎉


ずっと楽しみにしていた本作を、私は先日シネ・リーブル梅田で鑑賞しました!


そしてその翌日には淺雄望監督と上原実矩さんにインタビューをさせていただき、梅田の秋空が暮れてゆくのにも気づかないくらい楽しい時間を過ごさせていただきました🌆

楽しかった空気感をそのままにお伝えできる記事になっているかな…?と思いますので、是非最後まで読んでみてください!
そして是非!!是非!!!シネ・ヌーヴォでこの映画に出会ってくれたら嬉しいです!!!!私も初日に行きます🙋🙋




(聞き手:かんな、なつめ)


チア部:お二人の出会いについて教えてください。


淺雄監督:出会い…どこから話しましょうか。

脚本を書いている段階で、朔子役をどうしようかなと思いながらインターネットで色々な事務所さんの女優さんのプロフィールを見ていました。その中で上原さんのプロフィール写真と出会ったんですけど、それがカメラ目線でこっちをじっと見ていて、目力が印象的なお写真だったんですよね。それを見て、お会いしたいと思ったので、事務所さんにご連絡して、カメラマンの大沢(大沢佳子)さんも合わせた3人で会ったのが最初ですね。


上原さん:私はお話をいただいて、そこに行ったっていう感じですね。


チア部:オーディションではなかったんですね。


淺雄監督:たくさんの人の前でオーディションをするのが苦手なので、できれば一対一の面談形式でやりたかったんです。事前に脚本を読んでいただいていたので、その場でお芝居を見させてもらったり、いろいろパーソナルなことを聞いたりしました。部活は何をやってたんですかとか、泳ぐの得意ですかとか。


上原さん:そうですね。雑談の中でやりとりをさせてもらっていたら、その場で監督が、「もういけますよね!?」みたいな感じで(笑)。


淺雄監督:そうそう。30~40分喋ったりお芝居も見せてもらったりして、とても素晴らしかったし、「もう朔子だな」と思いました。

脚本を書いていたときに私は朔子のことを知っているつもりだったんですけど、上原さんに会ったら、私の知らない朔子がそこにいたんですよね。「朔子はこの人なんだな」、「朔子は生きていたんだな」と感じて、本当にものの30~40分で「決まりです!!」みたいな感じで(笑)。


上原さん:「私は良いんですけど、本当に良いんですか!?」ってなりました(笑)。今までにない新しい展開過ぎてわからなかったです(笑)。


淺雄監督:間違いないなぁと思って即決でした。

その場でもう〈溺れる絵〉のポーズとかも写真に撮らせてもらって。「溺れてるときの表情ってどんな感じがいいですかね?」と聞いたら、「じゃあやってみます」みたいにやってくださいました。


上原さん:そうです。こう(溺れている状況を再現する)やった写真を何枚か撮って、その帰りにマネージャーに「なんか決まった…みたいです?一応連絡するみたいなんですけどもう決まったらしいです…」って連絡しました(笑)。


淺雄監督:ご本人を置いてけぼりみたいな感じで、もう着々と次の段階に進んでいたんですけどね(笑)。

そういう出会いでしたね。


チア部:監督はインターネットで上原さんの写真を見つけてから実際に会ってみて、第一印象はどうでしたか?


淺雄監督:第一印象としてすごく覚えているのは、白いコンバースを履いていたことですね。「あ、コンバースの白だ」と思ったんですよ。私の中で朔子はコンバースの白を履いていたので、「うわぁ、もう履いてんじゃん!」みたいな。もうそこから既に「朔子だ!」とちょっと思い始めていて。

それから、明るい方だなと思いました。多分私が暗いからだと思うんですけど(笑)。友達とか多いんだろうなぁって少し気後れしました。


上原さん:あ、そうだったんですか!?


淺雄監督:高校の時の暗い自分が出てきちゃって…。同じグループではなさそうだな…みたいな。監督としてもっとしっかりしろよ!って感じなんですけどね(笑)。朔子だな、と思いながら、コミュニケーションどうしよう?みたいな。


上原さん:あ~そんな感じだったんですね!


淺雄監督:あのとき確か茶髪だったんですよね。多分それもあったかもしれない。なんだかすごく明るい方なんだなってドキドキしました。


チア部:上原さんは、監督の第一印象はどうでしたか?


上原さん:私は先に脚本をいただいていてそれを読んで行ったんですけど、オリジナルの作品なので、きっと監督ご自身がどこかに朔子の要素を持っておられるのかなということはお会いする前から思っていました。

一応自分の中の朔子像というのを持って臨んだんですが、やることなすことに「朔子だ!!」って言ってくださった記憶があります。「なんかすごい喜ばれてるぞ~」みたいな(笑)。


淺雄監督:はい、喜んでました(笑)。


上原さん:脚本に対する違和感が特になくて、むしろすごく好意的で、自分にとっては新しいジャンルだなという印象を感じていたので、それをそのままお伝えしつつ、やれるんだったら是非、みたいな気持ちでした。

監督の印象というよりもむしろ脚本の印象が先行していたと思います。


淺雄監督:それがすごく嬉しかったんですよ。「脚本に対して違和感がなく読めました」っていうのが。


上原さん:なんかすごい偉そうに…(笑)。


淺雄監督:そのときはもっと上手い言い方をしてくださいましたよ!!(笑)

脚本を読んでいただいて、乗れるか乗れないか、感情移入できるかできないかということは、結構こちらとしてはヒヤヒヤするんですよ。もしかしたらわかりにくい感情を描いている映画なのかなという思いがあったので、そういう部分でもし難しいって言われちゃったらどうしようと。

でも実際は、まずすごく読み込んできてくださったことが嬉しかったです。それから、こちらが考えていることと上原さんが考えて作ってきてくれた朔子像にあまり違いがなかったんです。

そういうことを初めてお会いした時間で確認しあえて、私は大沢さんとアイコンタクトで(うんうん)みたいなことをやって。


上原さん:それがなんとなくこちらにも伝わってくるという(笑)。


淺雄監督:声には出すまいって思ってたんですけど(笑)。「この人だね」っていうのをカメラマンとも確認しあいました。


チア部:ちなみに、その白のコンバースっていうのは完全に私服だったんですか?


上原さん:私服ですし、しかもまだ買いたて新品みたいな状態だったと思います。ローカットのですよね。ずーっと欲しくて、買って、履いて行きました。

ちなみにそのとき陽キャラに見えたのは、髪の毛が明るくて、ちょっと日焼けしてた時だったからだと思います。


淺雄監督:それから、色落ちしたジーンズに白Tを着ていたんですよ。なんでこんなに覚えてるんだろう(笑)。


上原さん:へぇ~。なんでそんなに覚えてるんですか!?(笑)


淺雄監督:なんでだろう!?(笑)多分すごい見てたんだと思います。きっとその感じで、明るい方だという印象を持ったんだと思います。


チア部:私はあの映画を観て、女の子たちがみんなコンバースを履いてるのがとても良いなって思いました!まさかこんなコンバースつながりがあったとは。


淺雄監督:栄美ちゃんが履いてるのは森田想さんの私物なんです。上原さんには衣装としてハイカットのものを用意して。西原さんの黒のコンバースは、私が普段履いてるのとサイズ違いで衣装として用意しました。そんな風にみんなコンバースになりました。


チア部:西原さんを見て、私も黒のコンバースを買おうって思いました。


淺雄監督:Twitterでも「西原さんの黒のコンバースは、あれであるべきだと思う」ってご感想をくださった方がいましたね。超嬉しかったです。



チア部:この映画は監督の初長編映画ということですが、この映画を作ったきっかけや経緯をお伺いしたいです。


淺雄監督:元々学生時代から映画を作っていて、卒業後に助監督の仕事をやっていたりしたんですけど、助監督じゃなくて監督になりたいなと思っていて、学校を卒業してからもシナリオを書き続けていました。

学生時代からずっと〈見る、見られる〉の関係性を自分の映画のテーマにしていて、それをもっと掘り下げたいと思って、画家とモデルの話を書いてみようと思いました。プロットを書き進めていったどこかの段階で、モデルの子も絵を描きたいという欲望を持っていたら、ライバル関係だったり羨望だったり、別の関係性が生まれてくるんじゃないかなとひらめきました。そうするとだんだんプロットが書けるようになっていって。5、6年以上そのプロットを書き続けていたあるとき、主人公が海に落ちて溺れて、その様子を絵が上手い子に描かれちゃったら面白いなと思ってシーン1が書けて、そこからもうさーっと最後まで書けたという感じでした。脚本の初稿が書き上がるまでに10年近くかかりました。


チア部:画家とモデルの〈見る、見られる〉という関係性が、セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』を彷彿させたのですが…。


淺雄監督:実は私、観てないんです。

セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』が2019年撮影だそうですが、『ミューズは溺れない』も2019年の8月に撮影を始めてるんですよ。多分同時期で、本当にたまたまなんですよ。あれも女性の画家とモデルの映画なんですよね。好きなんですか?ってよく聞かれるんですけど、本当にたまたまです。


上原さん:インタビューとかで久しぶりに監督にお会いした時か何かのタイミングでその話になって、私も劇場で観たんですけどどうなんですか?って聞いたら、私は観てません!!って。


淺雄監督:パクりだと思われたくないから!言わなきゃ!と思って。


上原さん:結構言われることが多いんですよね。私も知り合いから『燃ゆる女の肖像』が良かったという話の流れで聞かれることがあったんですけど、監督自身は観てないんですよって。


淺雄監督:観たほうがいいんですかねぇ…。結構似てるんですか?


上原さん:〈見る、見られる〉という構図で対峙することで関係性が構築されていくという要素が似てるのかなと思って。


淺雄監督:セリーヌ・シアマ監督の『トムボーイ』にも通ずるところがあると言っていただいたことがあって。いずれ観ようと思います。



チア部:きっと監督ご自身が、すごく考えたり悩んだりした時代を経てこの映画を作ったんだろうなと感じたのですが、実際に作って、今色々な場所や人に届けている中で、いつかの自分にどんなことを伝えたいですか?


淺雄監督:「大丈夫だよ」と言いたいですかね。

当時は本当に、生きていることがしんどくて、自分で自分を追い詰めているところがあって、自分から孤独になろうとして、「自分をわかってくれる人なんてどこにもいない」と思ったりして。

もうこれはだめだと思っていたんですけど、映画と出会って救われて、「明日も生きてみるか」と思えたんです。その延長線で今34歳まで生きてきて、「全然大丈夫だよ」ということは言ってあげたいです。

生きてみたらその先に何かしらの出会いがあると思うんです。それは映画かもしれないし、誰かかもしれないし。とりあえず、その先には何かしらの良いことがあるから大丈夫だと伝えたいです。



チア部 : 続いて、学生時代についてお伺いしたいと思います。

お2人はどんな学生でしたか?



淺雄監督&上原さん:どんな学生だったかな…。


チア部:上原さんは、朔子と似てるなと思う部分はありますか?


上原さん:ありますね!

個人的には結構めんどくさい10代だったな、と感じていて。そこの経験が良くも悪くも活きる時があるし、ダメな時もあるんですけど。

割とネガティブに考えがちな面も持っているんです。撮影で学校に行けてない時期とかもあったんですけど、それで周りの子に、いないと寂しいと言われることがあって…。私は、それが自分では分からないんですけど、多分騒がしい存在なのかなとは思います(笑)。一軍にいるわけではないけど、一人でポツンとしているわけでもない。どんな学生かって一言でいうのは難しいかもしれないです。

でも、集団生活が得意ではないので、学生時代からこういった仕事をしていて、別の空間があったからこそ乗り越えられたということはあると思います。

そういう風に感じたのは本当に最近なんです。大人の人たちに囲まれている空間っていうのはすごく刺激だったし、自分を支えるための場所だったのかなという風に思います。


淺雄監督:私はすごく目立ちたがり屋でした。根暗なのに、ひょうきん者という二面性があるんですよ。それで、小学生のころからコントを書いて、友達と学校の体育館や講堂で披露していました。

元々、何かを演じたり書いたりするのが好きでした。中学生の時はラブソングを作って、テープに吹き込んだりしていました。それをこの前発掘して聴いてみたらなかなか良い曲だったのでいつか…(笑)。


一同:聴きたい!


淺雄監督:本当に恥ずかしい黒歴史がいっぱい…(笑)。

他にも詩を書いたりシナリオを書いたりしていました。高校の頃は演劇部でした。

でも、だんだん映画を観ることのほうが好きだなってなって思い始めて、じゃあ今度は映画に出てみようかなと思っていた時期もありました。実際に自主映画に出ることもあったんですが、出るより撮るほうが面白いなってなって、撮るほうにいったという感じです。今では撮られるのは絶対に嫌なんです。


チア部:昔から俳優や歌手など人前に出る仕事に憧れはありましたか?


淺雄監督:憧れはありましたね!テレビの中に入りたいというような感覚でした。

芸人さんにあこがれて芸人さんになりたかった時期もありましたし…。注目を浴びたかったんですね。でも、どんどん暗くなっていきました。


チア部:お2人は部活はしていましたか?



上原さん:中学は陸上部に入っていました!足が速くなりたくて入りました(笑)。

そこに憧れの先輩がいたんです、勉強もできて、運動もできて、陸上部の部長で…。


チア部:この前『青葉家のテーブル』を観ました!あの作品では美大を目指す学生を演じておられて、『ミューズは溺れない』では美術部の高校生を演じておられますよね。学生時代に美術部だったというわけではないんですね。


上原さん:そうなんですよ!楽しそうだなという気持ちはあったんですけど、中学の頃は運動をしなきゃっていう気持ちがあったし、体を動かすことが好きだったので。

美術部の高校生、美大に行っている、目指しているという役がなぜか多いです。美術やってそうな雰囲気なんですかね?(笑)

でも、走るシーンでは陸上部だったのでめっちゃ褒められました(笑)。それは良かったなって思います。

『青葉家のテーブル』では、絵を描く練習をしたり、鉛筆を削るシーンがあったので、その練習をしたり。この作品は、『ミューズは溺れない』と並行しての撮影だったので、絵を描く役をはしごしてました。

淺雄監督:私は、中学では元々バスケ部だったんですけど、コントをやっていた時の相方がソフトボール部だったので、誘われるままソフトボール部に。運動が好きな学生でした。

演劇部に入ったのは本当に偶然でした。高校に上がるタイミングで、演劇部の先輩たちがやっていた三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』の舞台を観たんですよ。そこで一気に面白い!ってなりました。元々映画は観ていて、演劇も初めて観たというわけではなかったんですけど、その時は混ざりたい!と強く思いました。運動部に入ろうよという誘いを断って、演劇部に入りました。



チア部:学生時代に影響を受けた映画や映画監督はいますか?


淺雄監督:いっぱいいるんですけど、最初に映画を好きになったきっかけで、今も好きなのはスティーブン・スピルバーグ監督です。『インディー・ジョーンズ』シリーズを5,6歳の時に父親に勧められて観て、映画という面白い世界があることを知ったんです。続きを観たいと思いながらドキドキして夜眠れなくなるぐらい(笑)。

それからスピルバーグの作品はずっと好きで、大学の卒論も『A.I.』で書きました。スピルバーグも〈見る、見られる〉の関係性で作品を作っていると思うので、そこでも大きな影響を受けましたね。

私は広島出身なんですが、映画監督になりたいと思ったきっかけとして、反戦のメッセージや平和へのメッセージを発信する時に何がいいのかと思った時、映画だったら伝えられるんじゃないかなと思ったんですよね。

スピルバーグも反戦のメッセージをきちんと映画で表現している方だと思うので、そういう面でもすごく影響を受けていると思います。


チア部:特にどの作品に影響を受けましたか?


淺雄監督:全部好きですが、定期的に観返すのは『激突!』かもしれないです。この作品の、あのシーンのカット割ってどんなのだっけ?とか、何が映っていたっけ?みたいに撮影前に見返すことがあります。


チア部:スピルバーグはアクション映画も多く撮影されていますが、淺雄監督もアクションを撮ってみたいなと思うことはありますか?


淺雄監督:やってみたいですね!カーチェイスとか!


一同:えー!


淺雄監督:トラックがひっくり返ったシーンとか撮りたいじゃないですか(笑)。

『ウエスト・サイド・ストーリー』のオープニングでクレーンをダイナミックに使っていて、あれもやりたいと思いますね。私は人を動かすことが演出ですごく大好きなので、大きなものを動かして、カメラも動いてっていうのはいつか挑戦したいです。


チア部:ぜひ…!観てみたいです。


淺雄監督:2,3億ぐらいかかるかな…(笑)。


上原さん:でも、言っていったほうが実現しそうな気がします!


淺雄監督:やりたいですね~。


上原さん:だって、今作からは全く想像つかないですもんね、アクション(笑)。

チア部:上原さんが影響を受けた作品はありますか?

上原さん:私の生涯ベスト映画は、エドワード・ヤンの『ヤンヤン 夏の思い出』です。あの映画ってエドワード・ヤンが微笑んでいる気がして…。その優しさに、映画館の中で包まれる気がします。やっぱり映画館じゃないとこの温かさって感じられないと思います。

この作品って、多分ずっと観ていられるんですよ。3時間と長いんですけど、この世界観はずっと観ていられるって思っちゃう。ショットの美しさだけじゃなくて、人間的なストーリーをあの温度感で描いているのが良いんです。

劇場で公開していたときは何度も足を運びました。


チア部:私たちぐらいの年代におすすめの映画はありますか?


淺雄監督:今おいくつですか?


チア部:21歳です。


淺雄監督:逆に観てもらって反応が気になるのは、増村保造監督の作品ですかね。『巨人と玩具』とか…変な映画なんです。人がいっぱい出てきて、カメラもたくさん動いて、日常生活でそんな動きしないだろうみたいなことが起きるんです。

最近作られている映画の表現とは真逆というか。今は、座って話しているシーンが長回しで撮られたり、いわゆる日常生活の空気感をリアルに描写した作品が増えてきている印象を持ちますが、そういうものとは少し違った作品を作っているのが増村監督です。ドラマとは、人間劇とはどういうことかをすごくフィクショナルにやっている方だと思うのですが、それこそ私も21歳くらいで観て衝撃を受けて、今も大きな影響を受けています。だから、観ていただいて意見を聞いてみたいです。



チア部:ありがとうございます!

11月19日から『ミューズは溺れない』が上映されるシネ・ヌーヴォは「水中映画館」がコンセプトの劇場で、この作品を上映するのにとてもぴったりな映画館だと思っています!
最後にシネ・ヌーヴォで『ミューズは溺れない』を観るお客さんにメッセージをお願いします。


淺雄監督:私自身関西に4年間住んでいて、シネ・ヌーヴォさんにはよく行っていたので、自分の長編映画がかかるのはとても嬉しく、夢心地な気分です。

シネ・ヌーヴォさんでとても良い映画体験をさせてもらった記憶があるので、この作品を通して良い映画体験をしていただいて、この映画に何か救われたと思う方がいて、その方がまた映画を撮りたいと思っていただけたら最高だなと思います。なんて、ちょっと夢みたいなことですけど(笑)。


上原さん:私は、今回シネ・リーブル梅田での上映で初めて関西に来ました。なのでシネ・ヌーヴォにはもちろん行ったことがないんですけど、この映画館でかかる映画に出たいなっていうちょっとした憧れはあったので、淺雄さんに、「シネ・ヌーヴォでの上映が決まりそうです」と言われた時に、「あの映画館でかかるのか…」っていう嬉しさを感じていました。ドキドキ、ワクワクな感じで受け取っていただきたいです。


左:淺雄望監督   右:上原実矩さん



『ミューズは溺れない』
キャスト:上原実矩、若杉凩、森田想、渚まな美、桐島コルグ、佐久間祥朗、奥田智美、新海ひろ子、菊池正和、河野孝則、川瀬陽太、広澤草
監督・脚本・編集:淺雄 望
撮影監督:大沢佳子(J.S.C)/制作担当・スケジュール:半田雅也/照明:松隅信一/美術:栗田志穂/ヘアメイク:佐々 木ゆう/監督助手:吉田かれん/撮影助手:岡田拓也/録音:川口陽一/整音・効果:小宮元、森史夏/カラリスト:稲川 実希/スチール:内藤裕子/音楽:古屋沙樹/音楽プロデューサー:菊地智敦/油絵:大柳三千絵、在家真希子
企画・制作・プロデュース:カブフィルム/配給宣伝:カブフィルム
2021年/82分/16:9/カラー
©カブフィルム

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