傑作! 世界史に残らない西部開拓史『ファースト・カウ』(ケリー・ライカート監督)
昨年くらいから、「ケリー・ライカート監督」の高い評判をよく耳にするようになりました。
「アメリカのインディペンデント映画監督」
「現代アメリカ映画の最重要作家」
そんな冠がつき、紹介されることが多い気がします。
どんな作家なんだろう、観てみたい。
そう思っていたら、監督作『ファースト・カウ』の上映が始まりました。
2020年製作の映画なので、少し時間が経っての日本公開のようです。
東京の新宿武蔵野館では1日4回上映なので、劇場も公開に力を入れているのが伝わってきます。
まったく知らない監督の、初めて観る映画、これってとてもいいですね。
ワクワクが止まりません。
で、観てどうだったかというと、もうめちゃくちゃフレッシュです。
フレッシュといっても、ケリー・ライカート監督は1994年に『リバー・オブ・グラス』という作品で長編映画デビューしているようなので、むしろわたしがこれまで知らなくてすみませんということになります。
世界的にはすでに高く評価されている監督なのですが、日本での劇場公開がずっとなかったのです。
さあ、『ファースト・カウ』。
映画はどこかの運河の近くの林から始まります。
と、ここまで書いて、いきなりアテンション・プリーズです。
※この映画、冒頭から超重要なネタバレをしないと紹介できないため、まっさらな状態で映画を楽しみたい方は、この後は鑑賞後にお読みください。
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