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あの日、あの人を忘れないで。

【Extremely Loud & Incredibly Close🔑】


~11年公開~ ドラマ/ミステリー
監督:スティーヴン・ダルドリー

9.11の同時多発テロで、大切な父を亡くした少年オスカー。
ある日、父の部屋に入った彼は、1本の鍵を見つける。
その“鍵”に、
「父からのメッセージが託されているかもしれない。」と考えたオスカーは、鍵の謎を解くためニューヨークの街を奔走する…。




【感想】


父が遺した『試練』

対人関係を苦手とするアスペルガー症候群の少年に対する、父が遺した「愛」の形に見えた。

今作品の良さは、取り残された家族の苦しみがリアルに描かれている。
胸が引き裂かれる様な思いになりつつ、
とても大切な作品だと感じた。
1人の命が“無差別な殺し”によって無くなるというのは、
目に見えない悲しみと苦しみが、永遠に続くという事…。

その中で、ある1人の家族にフォーカスしていく。

愛する父の突然の死。
息子オスカーの、
自分へ「言い聞かせたい」「納得したい」
「答えを見つけたい」
『なぜ?』という行き場のない、
苛立ち、苦しみ、悲しみ。

突然消えた愛する人。
それを奪った者達に対する疑問と怒り。

何か探すことが2人に日常だったから、
「希望」から「やらなきゃ」の義務感。
見つけたいけど
見つかったら終わってしまう…。

即ち父が本当に消えてしまうという思い。


悲しみから立ち直るきっかけって、
気づいた時には過ぎ去ってる。


愛する人を亡くした時の私と自己投影して…。

タイトルが印象的な作品だったので意味を考えつつ鑑賞。

『ものすごくうるさくて、あり得ないほど近い』

うるさくて、“そこ”に目が行きがちだが実際は、自分の周りには同じ気持ちや経験している。
「皆同じ気持ちだという意味なんだろうか?」
と考えました…。

9.11 同時多発テロ…。
間接的に関わりがなくとも、
同じアメリカ国民として同じ想い。
ということなのかな?


〈特典映像によるインタビュー〉

DVDを借りて観たのですが、“追悼シーン”では「本物の遺族の方の写真」が映し出されています…。
その上で“特典映像”として、
『9.11同時多発テロ』の犠牲者家族のインタビューが収録されていました。
「何とも言えない気持ち」と共に、
遺族のその後の生活や、
「生前どんな人物だったのか」ということが掘り下げられており、
遺族の方は「どんな気持ちなんだろう?」と思っていましたが、意外にも喜んでいる姿を見て、こういう形で、“死者に哀悼の意を示す”事もできるんだと感じました…。

この作品は“賛否両論”だったとの声がありましたが、私的にはこう云った作品も
「あの日」…。
「あの人」を忘れない。
という意味では必要なのではないかと感じました。

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