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【異端者 #01/創業者 梁 富好】‐インダストリー4.0のゲームチェンジャーへ‐波乱万丈の人生とモベンシス創業ストーリー

社員インタビュー#01
モベンシスの異端者たちを紹介します。
第一弾は、創業者の梁 富好さんにお話を聞きました!

創業者/代表取締役 梁富好(ヤンブホ)

京都大学工学部数理工学科卒業。米国マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院機械工学科ロボット工学の分野で博士号( Ph.D. )取得。産業用ロボットなどの各種産業装置の制御機能を向上させる制御ソフトウェアを開発。その研究成果をもとに1998年、米国ボストンでSoft Servo Systems, Inc.(現MOVENSYS Inc.)を創業。その後、日本法人、韓国法人を設立し、代表取締役社長を務める。2023年3月からモベンシスグループ会長に就任。




波乱万丈の学生時代

■ご経歴やプロフィールについて教えてください。
大阪生まれ育ちの在日韓国人2世で、現在は米国籍(アメリカ人)です。家庭の事情で高校1年生のときに、中退しなければならなくなり、そこからはありとあらゆるアルバイトをしながら生活していました(笑)その後、友人の勧めで大検(現:高卒認定試験)を受験し合格後、京都大学を受験。 運良く合格し、京都大学工学部数理工学科に入学しました。

――沢山苦労をされた学生時代だったんですね。
  その後どのような経緯でMITに入学されたんですか?

モベンシスの原点となるMIT(マサチューセッツ工科大学)との出会いは、大学院の時。MIT教授と共同研究する機会があり、その教授の誘いがあり、MIT機械工学科に留学することとなりました。MIT留学後は、ロボティックスを専攻し、修士と博士号を取得しました。
 その後は、MIT機械工学科で研究助教授として5年間勤務し、その中で、当時の研究プロジェクトの1つだった「ソフトモーション」をベースに、Soft Servo Systems(現:モベンシス)を同僚と共に創業しました。CTOから始まり、後にCEOを兼任することになりました。アジア中心に事業展開をし、日本法人、韓国法人を立ち上げ、現在はグループ会長として各国を飛び回っています。

■どんな学生時代を過ごしていましたか?
私は元々ガリ勉タイプではなかったため、研究の傍ら、友人との遊びの時間も大切にして過ごしていました。そのときは、友人との遊びの時間と研究をスマートにこなしているのがかっこいいと思っていました。(笑)

――勉学とプライベートと充実した京都大学時代だったんですね。
  学生時代は、研究に励みながらどのようなことを考えていましたか?

大学時代は、「自分は一体何者で、何のために世の中にいるのか」をよく考えていましたね。大学での勉学に励みながら、理系以外の知識も身に付けようと、社会系、哲学系の書物も沢山読みました。
自分の存在意義を見出せるようになったのは、4年生になって研究室配属になった時。数学や物理、コンピュータ、ロボットの勉強も面白く、研究室の仲間もみんないい人ばかりで、「何か新しいことを生み出そう」と環境が好きでした。この時、「何か世間にない新しいことを生み出すこと」こそが自分の存歳意義だという意識を持つようになりました。これが現在のモベンシスの存在意義、経営理念の基になっています。

――「何か世間にない新しいことを生み出すこと」はまさに今モベンシスが取り組んでいることですね。
  MIT留学後はどのような学生生活だったのでしょうか?

MITでは一変し、死に物狂いで勉強、研究に明け暮れました。MITには世界中から天才が集まるので、その中で切磋琢磨して、MIT生活を生き延びたいと思っていましたね。日本の大学院との大きな違いは、研究発表の頻度です。日本では年1回だけでしたが、MITでは毎週のように研究発表がありました。休みも取れず、プライベートの時間はほとんど取れない環境でしたが、なんとかそれを乗り越え、博士号を取得することができました。本当に地獄のような環境でしたね。(笑)

MIT(博士課程)の卒業式

■自分の性格を一言で表すとしたら何ですか?
楽観的でリスク(チャレンジ)を好む性格ですね。会社の創業から今までは苦労続きでしたが、地獄のMIT時代の経験が活きて、どんなに苦労しても諦めずに、前を見て進んでくることができました。

――社内で流行中のMBTI診断では、エンターテイナー(ESFP)でしたね。
  まさに梁さんそのものだと思いました。(笑)

苦労続きの創業秘話

創業当初のソフトサーボシステム社(米国ボストン)

■会社設立の経緯、きっかけはどのようなものだったのでしょうか?
MIT研究助教授時代に、ロボットの制御を向上する研究をしていたのですが、既存のロボットコントローラ(HW)では、いくら制御理論を考えても実装ができませんでした。その際に思いつき開発したのが、市販PCでソフトウエアだけで自由に制御理論を実装できる環境、モベンシスのコア技術である「ソフトモーション技術」です。すると、パソコンだけでロボットが動作するデモを見た企業から、製品化を望む声があり、MITの同僚と起業しました。(この時はあまり深く考えていませんでした。。)

■創業から現在に至るまではどのような道のりでしたか?
一言で言うと、めちゃくちゃ大変でした。。。今でこそ、ソフトモーション技術はスマートファクトリー時代の新たなソリューションとして沢山のメーカに採用されていますが、創業当初は、業界においてなかなか受け入れられませんでした。今思えば、我が社の技術は10年以上時代を先取りしていたのだと思います。資金繰りにもいつも苦労し大変な経営状況が続きましたが、そんな中でも我が社の技術を信じてくれた我が社のメンバー、我が社の成長を信じて投資してくれた投資家や顧客の方々の支援のお陰でなんとか生き延び、現在の発展に至っています。

――ソフトモーションの可能性を信じて、諦めずに取り組んで来られたんですね。

モベンシスのこれから

2023年立川から西新宿にオフィスを移転しました。

■現在のモベンシスはどのようなフェーズにいるとお考えでしょうか?
ちょうどスタートアップフェーズから急成長し、大手企業と十分に競争できる状態の手前まで来ているフェーズです。IPOも視野に入れています。

■モベンシスの強みは何だと思いますか?
我が社の経営理念に基づき、日本、米国、韓国、中国の各拠点に、非常に優秀なエンジニアが在籍し、一丸となって、常に世間にない技術を開発しようと意欲を持って研究開発に励んでくれています。MITをはじめ、各大学との共同研究も盛んです。
また、三菱電機を含め、多くの業界最大手企業と事業・技術提携を結んでいて、世界市場で事業拡大ができる基盤が整ってきています。

■モベンシスの今後のビジョンを教えてください。
我が社のソフトウエア技術が世界のスマートファクトリーのプラットフォームになることを目指しています。
製造業においては、工場の自動化、スマート化が急速に進み、工場内のデータ活用や、AIやデジタルツインのようなIT技術との統合が喫緊の課題になっています。そのような流れの中で、各装置の制御がPLCのようなハードからPCベース、ソフトウエアベースの「ソフトモーション技術」に急速に移行しています。我が社は、ソフトモーション技術のグローバル先駆者として、AMRや各産業用AI技術等、常に新しい技術を開発していくことで、世界のそのような流れを加速させ、グローバル大手企業とも対等に連携していきたいと思っています。

■社員と働く上で大切にしていることはありますか?
コミュニケーションを大事にしています。なるべく私が直接全社員と話す機会を作り、社員の考えや、アイデア等を聞くのと同時に、我が社の事業やミッション等を直接社員に伝えるようにしています。 

――よくランチに連れて行ってくださって、仕事の話やプライベートの話など色々お話しますよね!日ごろからコミュニケーションが取れているからこそ、業務上でのアイデアも積極的に出しやすい環境になっているんだと思います。

縁があって、かつ我が社を信じて入社してくれた社員は、宝のように大事な人材です。私としては、社員一人一人が成長できることを最優先に考えています。もちろん、末永く我が社で勤務していただけたら最高にうれしいですが、転職することになったとしても、我が社で身に着けた経験を、より大きな会社や、責任のあるポジションで活かしていただけたら、私としては嬉しい限りです。

応募者に向けて

■どのような方と働きたいですか?
まずは、成長意欲、向上心の高い方が理想です。また、会社としてはまだ中小企業規模なので、社員同士も仲が良く、お互いを気遣い、助け合うという企業文化を大事にしています。このような文化を尊重してくれる方も理想ですね。
また、技術者の方は一般常識にとらわれず、何か社会、世界を変えたいと思うクレイジーな方も大歓迎です!

――「異端は先端。」という我が社のスローガンにもあるように、技術職、非技術職問わず、枠にとらわれずに行動できる方が来てくださると嬉しいですね。

■最後に応募者にメッセージをお願いします!
我が社はまだ小さな会社ですが、既に世界各国に拠点があり、複数の世界大手FAメーカと投資を含めた業務提携もしている「グローバル企業」です。今後よりグローバルに事業展開をしていけるよう、各国のメンバーが団結して頑張っており、急成長中です。ぜひこの成長過程の主要メンバーとなり、自分の存在価値、存在感を強く感じてほしいです。