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Appleメール(iOS15)のプライバシー保護でメールの開封が計測できない?コンテンツキャッシングを独自調査|Movable Ink

2021年6月7日、Appleはメールプライバシー保護の開始に伴い、iOS15の新しいプライバシー指向機能を発表しました。その1つが、Apple標準メールアプリのユーザー向けのコンテンツのプリフェッチ(キャッシュによる表示)です。
*GmailアプリやYahooメールアプリなどApple標準メールアプリ以外は、今までと変わらず開封計測が可能です。

iOS15の一般提供に伴い、Movable Inkは、iOS14とiOS15の違いを理解するために、Appleの新しいモバイルオペレーティングシステムで開いた画像のデータ分析を実施しました。その結果を共有いたします。


iOS15とiOS14の利用割合

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出典元:Mixpanel Trends - Mixpanel | Product Analytics

まずiOS15のシェア率です。MixpanelのデータによればiOS15の割合は増加しており、今後メール配信においてiOS15の影響も大きくなっていくと思われます。

iOS15のApple標準メールアプリでは、受信者の開封前にApple側でコンテンツをロード

Movable Inkの調査では、iOS14ユーザーとiOS15ユーザーで、メールの開封したタイミングとクリックしたタイミングで違いがありました。

そこでiOS14ユーザーとiOS15ユーザーのクリック開封時間の違いを調べ、iOS15のApple標準メールアプリがユーザー操作の前にコンテンツをロードする(つまり、プリフェッチする)ことが原因であると結論づけました。

上記の結論に至るまでにMovable Inkは、iOS15のApple標準メールアプリで受信しているデータを推定しました。

・85%が開封前より1分未満のコンテンツを表示
・5%が開封前より1~14分前のコンテンツを表示
・5%が開封前より15~108分前のコンテンツを表示
・5%が開封前より108分以上前のコンテンツを表示

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一方、すべてのメールクライアントでの推定は次のとおりです。

・すべての受信者の92%が1分未満のコンテンツを表示
・すべての受信者の2.6%が1〜14分前のコンテンツを表示
・すべての受信者の2.6%が15〜108分前のコンテンツを表示
・すべての受信者の2.6%が108分以上前のコンテンツを見る

スクリーンショット 2021-11-23 15.31.33

iOS15でApple標準メールアプリの環境では、受信者の開封に関係なく、すべてのメールに対して画像要求を行うため、メールの開封は信頼できません。

分析の方法

Movable Inkは受信者がメールコンテンツを操作するたびに、タイムスタンプ付きのイベントをログに記録します。ログは「開く(受信者がメールにコンテンツを読み込んだ)」「クリック(受信者がコンテンツをクリック/タップして、Webページにリダイレクトされた」「およびその他のタイプ(変換など)イベント」です。

メールプライバシー保護が有効になっているAppleメール(iOS 15)では、受信者に代わってコンテンツをプリフェッチすることがあるため、開封がiOS 15メールクライアントによってプリフェッチされたのか、受信者が直接操作した結果であるのかを直接判断することはできません。ただし、各受信者の「開封」イベントと「クリック」イベントの間の期間を確認することで、どのタイプのオープンであったかを推測できます。

【補足】メールを受信するとメールソフトがメールに含まれている画像をダウンロードします。一般的にメールの開封は、この仕組を利用してHTMLメールに含まれている画像がメールソフトにダウンロードされた数をメールの開封数として計測しています。

今回の調査について分析方法を詳しく知りたい方はMovable Ink Research: Analysis of iOS 15 Content Caching(英語)をご参照ください。

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