理解のある彼くん漫才

「「どもども〜!宜しくお願いします〜」」

「あんな、今日は昔ウチが死にたかった話をしようと思うねん」

「お客さんの前で重い話すなよ!まぁ、話してみ」

「あんな、ウチ昔から人の顔色ばっか伺う癖あってな、人に合わせてる内に自分がわからんくなって、ある日起きたら動けんくなってたんよ。仕事も行けんくなって、みんなが出来てることどうしてウチは出来んのって…ほんで、死にたいといつも思うようになって自殺未遂手前までいったりしたんよ」

「そら大変やな〜。でもそこからどうやって立ち直ったん?」

「まずは自分の気持ちに正直になって、やりたいこと…漫画描いたり、旅行行ったり、そういうことを思いっきりしたんよ」

「ほー、ちゃんと貯金してたんやなぁ。偉いなぁ〜。人生何が起こるんかわからんからなぁ」

「うん、まぁ実家やったし、お父ちゃんお母ちゃんに色々助けてもらってな」

「って実家なんかい!てっきり一人暮らししてて働いてた時の貯金でそういうことしてると思ってたわ」

「実家やけど何!?ウチが前向きになれたんはウチ自身のチカラやで?」

「ごめんごめん、わかったから、続き話してくれる?」

「うん、ほんでウチ漫画描いてるって言うたやん?それの同人イベントみたいなので今の旦那と知り合うんやけど──」

「えっちょっと待って!?旦那さんおるん!?」

「せやで。ウチはまだ働ける状態やなかってんけど、旦那はそこそこ稼いでてな、君は好きなことやりや〜って」

「いやいやいや、それはどん底から這い上がったエピソードとしては恵まれすぎやん!生まれが不遇だったけど親が火影で九尾のチカラ宿してました、由緒ある家柄のお嬢さんに好かれて結婚しましたみたいな、そういう環境の良さがあって今がある感じ凄いすんねんけど!?」

「さっきから突っかかってくるけどなんなん?ウチが今こうして生きたいって思えるのは、ウチが物事の見方を変えて一つずつ成功体験を積み重ねていったからやで?だからな、子供にもそういう自分らしく生きてく事を教えたいねん」

「いや死にたいとまで考えたこの世に新たな生命を誕生させるんかい!!もうええわ!」

「「ありがとうございました〜」」

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