見出し画像

私の王子様は私の知らないうちに陰キャのフリをしていた

私の名前は賀喜遥香。

賀喜財閥の跡取りとも言われています。

わたしは「賀喜」という苗字が嫌いです、なぜなら友達のみんなや学校の先生、地域の人たち皆がわたしを特別扱いするからだ

私が財閥の娘だからって近づいてくる友達や私の父と仲良くしたい近所の皆さんに私はもううんざりしてました。

でも、小さい頃わたしを賀喜財閥の賀喜遥香ではなく、一般人の賀喜遥香として扱ってくれたわたしの王子様がいた...

〇〇:おーい遥香!遊ぼうぜ!

遥香:今勉強中だから無理!

〇〇:勉強なんかするなよ!バカになるぞ!

遥香:バカとは話してらんない!

〇〇:何をー!!

執事:コラ!また〇〇か!お嬢様の勉強を邪魔するな!

〇〇:でた!デカ執事だ!逃げろ〜

執事:こら〜、待ちなさい!

なんやかんやで〇〇は賀喜財閥のみんなと仲が良かった

〇〇:お邪魔しまーす!

遥香父:おう!また来たか〇〇!

〇〇:よっ!遥香の父ちゃん

遥香父:今日もご飯食べていくだろ?

〇〇:いいの?

遥香父:構わないぞ、なあ母さん?

遥香母:もちろんよ!むしろ大歓迎だわ!

〇〇:やったー!

遥香父:じゃあご飯ができるまで遥香と遊んでこい!

〇〇:はーい!

コンコン

遥香:はーい

〇〇:よっ!

遥香:よっ、じゃないわ!ここんところ毎日来てるじゃん

〇〇:そうだっけ

〇〇:そんなことはいいから遊ぼうぜ!

遥香:しょうがないわね

〇〇と遥香は365日毎日遊んでいた

〇〇:俺将来遥香と結婚したいな

遥香:何言ってんのよぉ///...

だが、楽しい毎日は突然終わりを告げた

遥香:お父さん、最近〇〇遊びに来ないけどどうしたのかな?

遥香父:(無言)

遥香母:もういいんじゃない?あなた

遥香父:はぁ、母さんが言うならしょうがないな

遥香父:〇〇は母親の実家に帰ったらしい

遥香:そうなんだ、それでいつ帰ってくるの?

遥香父:当分は帰ってこないだろう。

遥香:なんで!!

遥香父:〇〇のお父さんが亡くなったんだ

遥香:っ!

遥香父:だから当分田舎暮らしだろう

遥香は泣きながら聞いた

遥香:なんで、助けてあげなかったの?なんで?なんで?なんで!!!

遥香父:遥香よく聞け、人には人の家庭がある人様の家庭に勝手に首を突っ込んでいいものじゃないんだ!!

遥香:うわぁ〜ん😭

遥香母:でも、遥香落ち込むことはないわ

遥香:なんで?

遥香母:〇〇君から伝言よ、「絶対迎えに行くからな」ですって、あなたたちどんな約束したのよ

遥香:〇〇ぅ(泣)

あれから10年の月日が流れた

遥香ちゃんおはよう!

遥香:おはよう

遥香先輩おはようございます

遥香:おはよう

相変わらず気を遣われる生活が続いてる

でも唯一わたしを普通に扱ってくれる子がまた現れました

??:遥香〜

遥香:し〜ちゃん!

この子は同級生の久保史緒里

〇〇みたいに私を普通の賀喜遥香として見てくれる子だ

史緒里:またサッカー部のキャプテンに振られた!!

遥香:これでしーちゃん何回目(笑)

史緒里:10回目(泣)

遥香:諦めが悪いね(笑)

史緒里:粘り強いって言ってよ〜(笑)

遥香:フフフッ

史緒里:そういえば今日うちのクラスに転校生来るらしいよ!

遥香:そうなの?

史緒里:うん

遥香:女の子かな?

史緒里:噂では男の子らしいよ

遥香:へぇー

また気を遣われるくらいだったら、あんまり関わらないでおこう

すると、先生が慌てて遥香の元に駆け寄ってきた

先生:賀喜さん大変よ!

遥香:どうしたんですか?

先生:賀喜さんのお父さんが倒れたそうよ

遥香:えっ!

先生:今執事の方が学校に向かってきてるから
帰りの準備をして、帰りなさい

遥香:・・・

史緒里:遥香、遥香!しっかりしなさい!

遥香:あっ!ごめん

史緒里:今は急いでお父さんのところに向かうのが先でしょ?

遥香:うん!じゃあ私行ってくる!

遥香は執事の車で病院に行き、父親の病室を訪ねた

ガラガラ

遥香:お父さん!!

遥香父:ん?どうした?むしゃむしゃ

遥香:え?なんでりんご食べてんの?

遥香父:美味しいからな

遥香:そうじゃなくて!お父さん倒れたんじゃないの?

遥香父:もちろん!貧血でな

遥香:え?

ガラガラ

遥香母:あれ?遥香来てたの?

遥香:お母さん!お父さん大丈夫なの?

遥香母:見ての通りよ

遥香父:ふんっ!💪

遥香:心配して損したわ

遥香父:それはそれで悲しいぞ遥香

遥香の父は何事もなく翌日退院した

翌朝...

史緒里:おはよ〜、遥香〜

遥香:おはよう!しーちゃん

史緒里:お父さん大丈夫だった?

遥香:軽い貧血だってさ

史緒里:えっ?

遥香:ほんと大袈裟だよね

史緒里:でもよかったじゃんお父さん無事で

遥香:それはそうなんだけどさぁ

遥香:あっ!そういえば転校生どんな感じの人だった?

史緒里:あんま言いたくないけど、THEインキャって感じの子だよ

遥香:そうなんだ

遥香と史緒里は教室に着いた

史緒里:ほらあの子

史緒里の言った通り、髪はボサボサそして丸メガネほんとにTHEインキャだった

遥香:なるほどね

そして2時間目の体育の時間に事件が起きた

史緒里:体育の授業野球ってまじセンスあるわ〜

遥香:し〜ちゃん野球大好きだもんね

史緒里:うん!

遥香はふと思い出した

遥香:あっ!

史緒里:どうしたの?

遥香:教室の鍵閉め忘れちゃった

史緒里:もぅ〜、おっちょこちょいなんだから


遥香:ごめん🙏

史緒里:ほら!行くよ!

遥香:ありがとうしーちゃん😭

遥香と史緒里は急いで教室に戻った

史緒里:やっと着いた!ほらはやく閉めちゃって

遥香は一向に鍵を閉めなかった

史緒里:なにしてんの?はやくしないと遅れちゃうよ

遥香:しーちゃんみて転校生がなんか探し物してるよ

史緒里:え?ほんとじゃん!

史緒里:転校生君何探してるの?

転校生:体操服がなくなってしまって

史緒里:はやくしないと遅れちゃうよ!

転校生:で、でも体操服がぁ

史緒里:あぁ〜もうしょうがないな、私たちも一緒に探してあげる

転校生:あ、ありがとうございます

遥香は転校生に違和感を感じた

遥香:なんだろう?この違和感?

史緒里:はるかーはるかさーん

遥香:はっ!

史緒里:最近ぼーっとするの多いよ遥香さん

遥香:ごめんごめん(笑)

史緒里:じゃあ探そっか

だが、10分くらい3人で探したが一向に見つかる気配がない

史緒里:本当に持ってきたの?転校生君

転校生:はい!絶対持ってきました。

遥香は嫌な予感がした

遥香:(まさかゴミ箱なわけないよね)

遥香は恐る恐る目の前のゴミ箱を覗いた

すると1着の体操服が見つかった

遥香:しーちゃん!!来て!!

史緒里:どうしたのそんな大きな声だして

史緒里は遥香に言われゴミ箱を覗いた

史緒里:マジかぁ

転校生:見つかりました?

転校生も近づいてきて目の前の光景に絶句していた

史緒里:さすがに酷すぎない?

遥香:許せない!

転校生:ま、まあしょうがないですよね💦
僕インキャですし(笑)

遥香:しょうがなくなんかない!!

転校生:っ!

すると、遥香達がいないことを心配した体育の先生がやってきた

先生:賀喜!久保!何やってたんだ!って転校生まで!

転校生:すいません、2人は僕の探し物に付き合ってくれていただけなので2人は悪くありません!

遥香:それは違います!

先生:お前ら2人は何言ってんだ?

史緒里:先生今あったことを全て話します。

先生は遥香と史緒里の話を聞いて激怒した

先生はすぐ担任の教師にクラス集会を行うよう指示をだした

そして犯人は見つかった

クラス内のいわゆる陽キャという奴らの仕業だったらしい

理由は至ってシンプル、インキャだからだそうだ

陽キャ達は特別指導の対象となった

だが、それをよく思わない人達がいた

・・・そう、陽キャ女子だ。

そしてどこからの情報かわからないが先生に報告したのが遥香達だとバレてしまった...

次の日...

遥香はいつも通り学校に登校していた

遥香ちゃんおはよう

遥香:おはよう

遥香先輩おはようございます

おはよう

遥香はいつも通り教室に入った

遥香:おはよー

すると、みんなからの返事は返ってこず、返ってきたのはみんなの視線だった

遥香:みんなどうしたの?

遥香はみんながおかしいと思い、みんなの視線の方向を向いた

そこには椅子と机がバラバラになった自分の席を見つけた

遥香は唖然としていた

そこである生徒が口を開いた

??:賀喜さんの机と椅子どうしちゃったの〜?

遥香は心の中で感じたこいつが犯人だと

??:だれぇ〜?遥香ちゃんの席こんなんにした人

さっきまで集まっていた視線が急に散らばった

だが、1人の生徒が私の前に現れた

転校生:ぼ、ぼくは見てました!あ、あの女性達が賀喜さんの席を解体しているところを!


すると、陽キャの女子が寄ってきて

転校生を押し倒した

陽キャ女1:黙ってなかったらあんたら2人ともどうなるか分かってんでしょうね!

陽キャ女2:黙ってたほうが身のためだよ

ガラガラ

教室が開く音がした

担任:じゃあホームルーム始めるぞ!

陽キャ女1:せんせー!賀喜さんの机と椅子ネジ緩んじゃって壊れちゃってまーす

陽キャ女2:隣の教室の余り使った方がよくないですかぁ〜?

担任:そうだな、お昼休み直してあげるから、隣の教室から机と椅子をもってきてひとまずそれを使ってくれ

遥香:わ、わかりました

転校生:ぼ、僕のせいでごめんね?

遥香:ぜ、全然大丈夫だよ...

転校生:お詫びって言ったら変だけど、机と椅子運ぶの手伝わせて

遥香:あ、ありがとう(泣)

遥香は一滴涙を流した

転校生:先生、自分も賀喜さんの机運ぶの手伝っていいですか?

担任:おっ、〇〇は頼もしいな、じゃあ頼むぞ

〇〇:はい!

遥香:えっ!?(〇〇の名前と一緒じゃん)

〇〇:じゃあ、賀喜さん行こっか?

遥香:うん(〇〇なわけがないよな)

そして、最後の体育時間でまた事件が起こった

遥香:はぁー、今日しーちゃん休みか

先生:じゃあ二人組を作ってくれ

遥香:いつもはしーちゃんと組んでるからなぁー

遥香:ん?

〇〇:あの〜僕と組んでくれませんか?

クラスメイト1:ごめん無理

〇〇:すいません、僕と組んでくれませんか?

クラスメイト2:ごめんちょっと無理だわ

陽キャ女1:いい気味だわ(笑)

陽キャ女2:クラスのみんな脅しただけあるわ(笑)

遥香:はぁ、しょうがないな

〇〇:はぁ、だれも組んでくれない

遥香:ねぇねぇ、転校生君私と組まない?

〇〇:いいんですか?

遥香:もちろんいいよ

〇〇:やったー!!

遥香:喜びすぎでしょ(笑)

陽キャ女1:ちっ、あの女余計なことしやがって

陽キャ女2:ほんっと!ムカつく

陽キャ女1:大丈夫、私にいい考えがあるわ

先生:じゃあまずは、キャッチボールをしてくれ

〇〇と遥香もキャッチボールを始めた

遥香:転校生君はどっから来たの?

〇〇:僕は田舎の学校から転校してきました。

遥香:そうなんだ

〇〇:賀喜さんはどうしてここまで優しくしてくれるんですか?

遥香:なんか転校生君はね、どことなく私の古い友人に似てるんだよね

〇〇:そ、そうなんですね

すると、ここで事件が、

陽キャ女1:あ、ごめーんボール変な方向飛んじゃった

陽キャ女2:あ、賀喜さんの方飛んでる!賀喜さんよけてぇ〜

先生:ん?今故意的に投げなかったか?

先生:賀喜!!!よけろぉ!!

遥香は間に合うわけもなく

遥香:きゃっ!!

遥香は目を瞑り、当たることを覚悟した

バン!

〇〇:あっぶねーギリ間に合ったな遥香

遥香:転校生君?

〇〇:はぁ?まだただのインキャだと思ってんのか?

遥香:え?もしかして?

〇〇:待たせたな遥香!

〇〇は髪をかきあげた

遥香:〇〇!

先生:大丈夫か賀喜!

遥香:はい!〇〇がボールをキャッチしてくれたので

陽キャ女1:くそ!なんだあの転校生!

先生:おい!

陽キャ女1:なんですか?先生?

先生:お前わざとやったな?

陽キャ1:ちがいますよ〜、たまたまです!

先生: そうか、あくまでもしらを切るつもりだな?

陽キャ女1:だってたまたまですも〜ん!

先生:じゃあ嘘ついていたら停学だからな!

陽キャ女1:べ、別にいいよ!(別に目撃者いないし私の勝ちよふふっ🤭)

先生:じゃあ先生はグラウンド用の防犯カメラ見てくるからな

陽キャ女1:・・・!!先生!グラウンドに防犯カメラあるんですか?

先生:あるけどなんだ?

陽キャ女1:実は先生?

先生:実はもクソもない!!お前は職員室に来い

陽キャ女が職員室に連れて行かれる前に〇〇は一言放った

〇〇:おい!女!テメェ次俺の遥香に手出してみろただじゃおかねぇかんな!!

陽キャ女1:怖っ!(キャラ変わりすぎでしょ!)

クラスのみんな:かっけぇ〜

〇〇:迎えに行くの遅くなってごめんな

遥香:遅いよ😢

〇〇:もうどこにも行かないよ

遥香:ほんと?😢

〇〇:ずっと遥香のそばにいるよ

遥香:〇〇ぅ〜

遥香は安心したのか〇〇に抱きついた

〇〇:バカっみんなが見てる前で!

パチパチ👏👏

なんとクラスのみんなが拍手してくれていた

先生:素晴らしい青春だな!よし!体育の続きやるぞー!!

クラスのみんな:この雰囲気でやるのかよ!!!

先生:ですよねぇ〜

こうして遥香は幸せな毎日を送るのであった。

fin...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?