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帰国子女を擦る31歳がMBAに挑戦する話

今般、一橋大学大学院経営管理研究科への進学が決まったので、合格体験記を書きました。社費/単願/国内/1年制とマイナーな体験になるため、MBA受験の参考になる部分は少ないと思いますが、投稿主が何を考えどう生きているのかがよく分かると思いますので、お時間のある方は是非覗いていってください。


1. なぜMBAを目指すのか

まず初めに、私の経歴を紹介したいと思います。私は父の仕事の関係で中学1年生〜高校1年生の間、ドイツで生活をしていました。帰国後は日本の高校に編入し、大学受験を経て法学部に入学、卒業後は国内の金融機関に就職しました。その後、入社9年目の際に社内制度でMBAにチャレンジできる機会を獲得し、受験勉強を開始しました。

なぜMBAに挑戦しようと思ったのかと聞かれると、「英語を使いたいから」という答えがしっくりくるのかなと思います。家庭持ちのビジネスマンがリスクバランスを取りながら身を置ける英語環境として国内MBAがマッチするのではないかと考えたのが一番のきっかけです。一橋のMBAプログラムは完全英語かつ日本人割合6%で構成されており、私にとっては非常に魅力的でした。

2023年度 一橋MBAプログラム概要

また、8年間仕事を続けてきた中で、「実績(主に数値)に基づいて物事を判断する癖」が良くも悪くもついたなと感じていたので、新しい視点を取り入れたいと思ったのも理由の一つです。特にSDGsが叫ばれるようになってから、非財務的な企業評価がトレンドになったこともあり、定性的な判断ノウハウのようなものを身につけたいと思いました。

ただ、一番の理由は英語です。

では、なぜ英語に固執するのか。これについてはもう少し説明を加えます。

2. 『帰国子女=喋れる』という固定観念

私の経歴を見ると多くの人が「それってつまり、帰国子女・・・ってコト!?」と反応し、「ドイツ語話せるの?」と聞いてきます。

しかし、私の返答は「話せない」です。厳密には「中学は日本人学校に通っていたので話せない」「高校1年だけインターナショナルスクールに行っていたので、英語はちょっと話せる」という回答になるのですが、ドイツ語を話せないことに変わりはないのでそこまで詳細に説明しないのが常です(割と帰国子女あるあるだと思います)。

このやり取りを何十回と重ねるうちに、海外経験があるにもかかわらずまともな第二言語能力を習得していないことが私のコンプレックスになりました。大学在籍時には、シドニーに語学留学へ行ったり、TOEIC900超を目指したりもしましたが、理想の帰国子女像はまだまだ上にありました。これは社会人になってからも変わらず、英語に対する心残りは常に心の奥底にありました。

こうして醸成されたのが、英語を使いたいという感情です。「そんなに英語を使いたいなら英語を活かせる会社に就職すればよかったのでは?」と言われればその通りなのですが、大学在籍当時はそこまで考えが至りませんでした。今振り返ってみれば、専攻学部選択の時点で自分のやりたいことを見つけられていなかったことはかなり致命的だったなと思います。

正直、拗らせてる自覚はあります。が、帰国子女という曖昧な言葉にも責任はあるかなと・・・

3. アラサーの受験生活

受験勉強としてやるべきことは明確でした。出願に必要なものは、GMATスコア・Essay・上司の推薦状の3点で、その他にTOEFLもGMATへの導入として取り組みました。

全体スケジュール

勉強時間を確保するために、家族にはかなり協力してもらいました。特に子育ての面ではパートナーに負担をかけました。土曜日も予備校の授業やTOEFLが入ったため、子供と丸一日過ごせるのは日曜・祝日がほとんどでした。それでも私の挑戦を後押ししてくれた家族には感謝しかありません。

スコア推移

上図が私のスコアです。正直、成長曲線は緩やかです。

英語は長文読解がダメでした。英語以前に日本語読解力の弱さが出た感じがします。数学は私文卒にしては善戦できたと思います。日能研に感謝。

GMATの入学者平均点は640点で、私のスコアは下振れましたが、スケジュールの都合上やむなく出願しました。出願を終えると一次審査に入り、通過後は二次審査に移りました。

二次審査は15分間の英語面接で、志望理由/将来やりたいこと/学校に貢献できること/会社を良くする方法などを話しました(割とスタンダードな内容だったと思います)。

以上で全行程終了です。年始から勉強を始めて結果が出たのが12月上旬だったので、ほぼ1年かかりました。長かった。。。

4. 人生に称号は必要か

国内でMBAを取って意味あるのかと言われれば、現時点ではなんとも言えないです。ただ、何かを達成するために頑張ることはやはり大事かなと思います。わかりやすい目標を持っている方が努力しやすいし、ダラダラ過ごしているよりも人生が豊かになる気がします。

今回、私はMBAという称号を手に入れるべく受験をしました。また、帰国子女という称号を取り戻そうと現在も英語の勉強を継続しています。正直、そんな称号持っていても持っていなくても誰も気にしないとは思いますが、自分との戦いだと思って毎日を過ごしています。

後は、子供に父親のかっこいい姿を見せたい。漫画によく出てくるめっちゃ強そうな二つ名を持ってるジジイみたいになりたい。そういう意味では、称号というのも悪くないなと思う今日この頃でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





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