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初めてメール読まれました。

本当にそれは唐突に来た。

ラジオでメールが読まれたのだ。しかも、大好きな宮下草薙のラジオで。

八月の中旬、1週間しかない夏休みのある日、国試に受かっている子と遊んだ日。それは彼女と別れた後の大阪駅のホームだった。夕方だというのに暑く生温い風が電車が通るたび吹いていた。改札を抜け、定期をしまい、イヤフォンを取り出した。火曜日の昼に更新されたポッドキャストで聞くためだ。一番端の桜橋口の改札から入ったから、真ん中の車両に乗るためにホームを歩いていた。ホームにあるセブンのあたりでちょっと高めの声で草薙が「もうすぐ…え〜、もうすぐ薬剤師さん、兵庫県、尼崎市、25歳、女性」と言った。ん?え、えーーー私じゃん!!それ、私じゃんんんんん!不意打ちだったから叫びそうになりマスクの上から口を押さえた。いや、うちの送ったトークテーマに対してのトーク聞かなきゃと声に集中した。え、2人とも落し物しないんだ、意外〜と思いながらトークを聞いた。

終わった瞬間、ツイッターに書き込んだ。不意打ちだったこと、叫べない状態だったこと、あれから定期が見つかったこと…。140文字では収まらない。あぁ語彙力が欲しい、と強く思った。

とりあえず拙い文章をツイートした後、妹に報告しようと思った。しかし、ここで問題が。私はアカウント名がラジオネームのTwitterを持っているのだが、そのアカウントは誰にも教えてなかった。つまり、「宮下草薙の15分ってラジオでメール読まれてんんん」と言うと妹にアカウントがバレる。悩んだ末に妹には「大好きな芸人のラジオで初めてメール読まれてん!」と連絡した。すると妹から「え、おめでとう!オールナイトニッポンで?」とLINEが。妹よオールナイトは無理よ、鍛錬されたハガキ職人しか読まれんのよ、と少し悲しくなった。

駅のベンチで妹との連絡を終え、改めて読まれた時の喜びを噛み締めた。友達と遊んで、メール読まれて、今日サイコーの日じゃん。明日からまた勉強の日々に戻るのが嫌で仕方がなかったが、そんな気持ち飛んでいった。帰路に着く足取りは軽く、ルンルンで家に帰った。一瞬だったけど、こんなにも気持ちが変わるのか。

宮下草薙の2人がメールが来ない嘆いていたから、メール送ってみた。他のラジオにもメールしたが読まれないから送るのはやめた。でも今日で心の底から「メールを送ったら読まれるかもしれないけど、メールを送らなければ読まれることは絶対ない」ということを実感した。

たまたまメール読まれただけで嬉しい気持ちだけでなく、大切なことも教えてもらったと思う。ありがとう宮下草薙、ありがとうラジオ。多少の辛いことは乗り越えられる。国試までの心の糧になる素敵な1日になった。


(読まれた回のポッドキャストです。初回から聴けるのでよろしければ聴いてみてください!)

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