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コンカフェと地方創生

日本国内で観光したときにガッカリするのが、人とのふれあいがないことです。旅の醍醐味は地元の人との交流と言われることもありますが、地元の人とほとんど話さないまま観光を終えることも珍しくありません。最近では名古屋のおもてなし隊がありますが、もっとじっくり交流する場があってもいいのではないでしょうか。いきなり地元の人に話しかけるのはハードルが高すぎます。地元の人に話しかける勇気がなくても地元の人と話せるような場があってもいいと思います。

私は地方に観光に行くときは、コンカフェがないところも多いので、ガールズバーに行ったりしました。地元の人からの貴重な情報が聞けたりします。仙台に行ったときは地元の人が本当に好きな牛タン屋を教えてもらいましたし、長崎に行ったときはハウステンボスはつまらないという情報を教えてもらいました。でもせっかくガールズバーに行っても、付いたキャストが別の地方出身だったりするので、なんかブレてしまって、せっかくガールズバーに行ったのに意味ないなぁと思ったこともありました。

そこで、おもてなし隊のように観光地をアピールする仕組みとガールズバーのように地元の人と交流できる仕組みをドッキングすればいいというのが私の今回の提案です。それはむしろコンカフェに近しいものになるでしょう。

おもてなし隊のような武将やお姫様、忍者のコスプレをしたコンカフェをお城などの観光地のそばに作り、そこで地元の人がキャストとして働けばいいと思います。キャストは地域の歴史に詳しいに越したことはないと思いますが、観光客は別に歴史だけを求めるわけではないので、キャストは地域のリアルを話してくれればOKです。おもてなし隊もファンがいるみたいですし、姫とかくノ一のキャストにもファンが付いて、遠くから遠征してくれるかもしれません。もちろんその地方ならではのコンカフェなので、観光地のアピールにも繋がります。

私のよく行くコンカフェでは、仙台のコンカフェに行ったとか、台湾のコンカフェに遠征したとか話しているコンカフェオタクがいてびっくりします。それくらいコンカフェオタクの行動力はすごいのです。お金を使ってくれるし、オタクなのでSNSで発信してくれます。こんなありがたい客はいないでしょう。

東浩紀「ゲンロン0 観光客の哲学』という本には観光によって、「誤配」と呼ばれる偶然性を生み出し、社会を変革するということが書いてあります。でも、今のように旅行本を見てそのまま観光地を回るだけでそこまで偶然性が生まれるでしょうか。観光ガイドを見てそのままをたどる受身の観光はあんまり面白くないと私は思います。もっと主体的に楽しむ方法はないでしょうか。観光地にコンカフェを作ることによって、会話の内容は訪れた人によって変化するので、主体的なものになります。地域の人たちと観光客の濃い交流が生まれ、そこに「共感」と「偶然性」が生まれます。東浩紀の理論によると社会を変革することになるのです。コンカフェによる地方創生と社会変革の始まりです。



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