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すずめの戸締りの感想 -あるいは、胸によぎる村上春樹

はじめに

完璧な文章などといったものは存在しない、完璧な絶望が存在しないようにね。

風の歌を聴け
村上春樹

私は映画館で公開直後、いわゆるネタバレ厳禁の雰囲気が流れている頃に該当の映画を見に行ったことが実はなかった。「龍とそばかすの姫」も公開されてからしばらく経ってから見たし、「大怪獣の後始末」に至っては、ネババレ厳禁の雰囲気など一切ない状態だった。そういった私が話題の映画を早期(早期という定義は公開から1週目だと短すぎるし、3週目では長すぎる。ちょうどスパゲッティのアルデンテのように)に見に行ったことはまさに蒼天の霹靂である。

人間には大きく分けて二つに分けることができる。
話題のものを話題のうちに接種する人間とそうでない人間だ。そして、私は先週までは後者に属する人間だった。

話題のものを話題である間に見ることでしか得られない栄養素があった場合、(あるいは、そんなものはないのもしれないし、「えー人生半分損していますよ~」というマウントを取ってくる人間には、お前の人生その程度かとか思わなくもないが)私は、このたび初めて接種したことになる。

それで何かが変わったかといわれると、変わったかもしれないし、そうでないかもしれない。話題の映画見ることは、虹をなんとなく眺めるものと同じかもしれない。虹がきれいであることは理解できるが、なぜその美しさがあるのか語れないのと同じようなものだ。

ただ、ここまで書いてしまったため、 ーもっとも私が書かなくとももっとわかりやすく感想をまとめている人がいれば、そうでなく、あらすじのみを投下している人もいるが、そうでなく自分自身で感想をまとめることにはきっと何かしら意味があるのだろう。

noteというコンテンツ (文章と画像を組み合わせて投稿するサイトであり、それ以上でもそれ以下でもない。noteにおいては文章は必須であり、動画や音声のみで投稿することはできないし、そうするべきではない)においても、話題の映画について語る人間が多い。いち早く書くことは閲覧数にかかわるのか、そういった行動の解釈は読者の分だけ存在するのだろう。そういった行為の是非を論じることは、富士山の山頂が山梨か静岡か論じる程度に不毛なことであろう。この感想の是非は、一視聴者としての思考の書き出しであり、正解など存在しない。そういうことだからだ。



いつも通りのはじめに

めちゃくちゃ上のスタイルで文章を書くことに疲れてしまったので、そろそろいつものスタイルで文章を書きます。はい、ということで、話題の映画「すずめの戸締り」を公開2週目の時期に見に行きました。

公開2週目というのは上記で触れているように早期とはいえると思うが、ネタバレ全開でいつものように感想を書いてよいかといわれると非常に怪しい時期だと思っています。 
ネタバレをすることで、非常に多くの人から怒られることを私はFF14で知っています。あの界隈ほど、ネタバレに厳しいの見たことないです。(ちなみに、この手の自治ルール的なものはよくスピリチュアル界隈などでもみられるがここでは割愛する)

なので、このnoteの書き方に関して悩んだのですが、見た感想と、公式ページにある情報を補足する内容を書くことで、皆さんの興味を引くことができればと思っています。
amazon primeで見ることができる冒頭12分の内容も見てもらえるとここからの内容が把握できると思います。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8V1GQ2G/ref=atv_dp_share_cu_r

ということで、ネタバレ抜きの感想やっていきましょうか。

感想  「新海誠版 海辺のカフカ」


一言でいえば、上記のとおり、新海誠が海辺のカフカをきれいに描くとこんな感じなんだなと思いました

海辺のカフカをご存知でない方向けにお話ししておくと、村上春樹が描いた長編小説です。ただ、村上春樹はたいてい20~30代のちょっと擦れた男性を主人公に設定し、それらを導く世界観を知ってて語り掛ける感じの女性がセットに対して、海辺のカフカは15歳の少年カフカを主軸に置きます。(ショタではない) 


すずめの戸締りの主軸となるストーリーは「普通に見える少女が世界観を知っている系青年と扉を閉じる旅に出る」というものです。

それに対して、海辺のカフカは「主人公の少年と、もう一人の主人公である老人が色々な人に導かれ、旅をしつつ、扉を閉じる、あるいは扉の中に入り込む」というストーリーになっています。

共通項も複数あり、両方の作品共に猫という存在がキーとなって、物語が進行するという点、そして、扉の先に世界があり、そこには時間というキーワードが関わるなどいくつもの点が関わってきます。

まあ、海辺のカフカのような「母と交わり父を殺し、姉とも交わる」というカフカ君に与えられた呪い、あるいは予言といった現代社会でこんな設定を出そうものならPTA案件になりそうなものは流石に、すすめの戸締りには存在しませんが……

ただ、鈴芽ちゃんにもカフカ君ほどではないですが、色々設定があり、それらを見つけるための旅であるとも言えます。

村上春樹の三大要素である「やれやれ・スパゲッティ・セックス」のうち、「やれやれ・セックス」を抜いて、代わりに「青春・恋愛」をぶっこんで、スパゲッティを15分以上ゆでてアルデンテでなくしたものが、新海誠のすずめの戸締りであるという印象でした・


細かい感想

  • 良かった点

    • 映像がきれいなのでそれだけでも見る価値あり(IMAX視聴)

    • 神戸が出てくるが、三ノ宮こんな感じだった気がする

      • 別の映画の話になるが、東京ー京都間の新幹線の中での殺し屋を描いたブラッドトレインでの米原は秘境だったのとこと

    • 12分冒頭見てから映画見るか決めることができる

    • ストーリーに一貫性がある

    • ドライブのシーンで懐メロが流れるが妙に選曲がリアル

      • spotifyのプレイリストが公式で公開されているので聞いてみるとよさそう

  • 気になった点

    • 災害関連の描写を気にする人はいそう(私は否よりでもないが)

    • 母親代わりの人と主人公が喧嘩するシーンがあるが、割とあっさり仲直りしている。

      • まじで映画見たときぞくっと来た。AIの歌を聴かせての母親くらい怖い

    • 120分映画は若干長く感じる

      • 同じ120分映画の大怪獣のあとしまつほどではないが。。。

      • ポンポさん的な思考で90分が良い

        • 90分の映画でもプペル君は…

結論として、映画館で見てよかった映画でした。ストーリーよし、伏線回収含めて非常によくできた映画でした。


蛇足:映画館に行くまでの話

ここから先の文章は頭からっぽで書いています。


今回映画を見に行く際に、いつもSINoALICEで一緒にVCをしながらGVGをしている友人二人に声をかけました。ちなみに、前回、同じメンバーで大怪獣のあとしまつを見に行きました。前回の件で、自分が映画を誘った際に、何誘ってくるんだという警戒心がVCだけでも伝わってきましたが、「すすめの戸締り」というタイトルを伝えると無事にOKをもらえました。

GVGをやりながらちょうどよい映画館を探しつつ、私がIMAX見たい!と連呼した結果、IMAXかつレイトショーをやっているところを探しました。
その結果見つかったのが、川崎の109シネマ。ラゾーナの上にある映画館ですね。奇しくも、大怪獣のあとしまつを見たのも109シネマでした。ある意味レイトショーで面白い映画を見るリベンジみたいなものです。つまり川崎卍リベンジャーズといえますね。意味が分からないですね。

レイトショーは9時半上映だったので、適当にラゾーナ内で時間をつぶしていました。ちなみに、ラゾーナ内は9時閉店が多いので、10時開始のところだと逆サイドの繁華街にあるbookoffか、マクド、ゲームセンターなどで時間をつぶすとよさそうです(そちらだとTOHOシネマがありますが…)

109シネマは9時過ぎまでなら飲食店が開いているので、ポップコーンとか飲み物を買うことができます。前回、大怪獣のあとしまつではすでに閉まっていたので購入ができず辛かったです。あのクソ映画でもポップコーンがあれば、マシだったかもしれません。いや、ポップコーン程度ではあの映画はダメやわ

映画館というと、結構楽しみなのが、予告編ですね。大抵の映画は予告編が面白いです。映画館で見る予告編は本編見たくなるような出来が多く、あの大怪獣のあとしまつでさえ、面白そうに見えます。ワニ君は知らない。

ただ、IMAXの場合だと、ほぼ映画の予告編がなく、川崎市の宣伝で終わりました。川崎市のIMAXで自分たちの市をよく見せたいという熱い意図を感じることができ、正直感動してます。なので、IMAXを見る際は予告編が付いてこないと覚えておきましょう。

ちなみに、レイトショーでしたが、そこそこ人が入っていました。この辺も大怪獣のあとしまつとは一味違いますね。前回は自分たち含めると6人でした。スタッフさんは6人のために残ってたんだろうかと思うと若干の罪悪感を覚えざるをいない。

スタッフロールを見ても、まだ、12時だと東海道線と京浜東北線が動いていたのでそれに乗って、ある程度近い駅についてから、レンタサイクルを借りようとしましたが、まさかの駅近くの自転車が0個だったので、20分くらい歩いて自転車置き場まで移動しました。夜遅いと自転車ないときのリカバリーが歩く以外効かないのがつらいところ。

そんなこんな帰宅したのが1時半過ぎで想定の1時間よりも遅くに帰ることになりましたが楽しかったです。また何かよさそうな映画があれば誘いたいと思います。

参考文献


ハルキになる3つの方法


https://techbookfest.org/product/6137844594638848?productVariantID=6404078527578112



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