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エネルギー酔いかと思ったら単なる風邪だった

先週、とある体験会で東京原宿に行った。
久しぶりに出る都会はまるで、ヒトと車のジャングルのようだった。人はみんな獣に見えた。すれ違っても人と目線を合わせない獣。ぶつからないスレスレの間隔で歩ける獣。交差点で信号待ちをしているヒトたちは、さながら河を渡る前のグレートマイグレーション(動物の大移動)だ。

となれば、わたしもその一部だから獣だ。分類するとしたら動作も鈍く人一倍歩調が遅いから、たぶんナマケモノに違いない。

人混みに対する恐怖感はなかったが、地下鉄から地上にあがった瞬間、もう帰りたくなった。こんなとこに長くはいられない。とにかく人が多すぎる。早く用事を終わらせて帰らねば。


翌朝、喉が痛かった。熱はないが倦怠感もあった。
風邪か?と思ったけど、別段寒い思いをしたわけではないので、もしかして前日人混みの中に出たせいだと思った。

これがよく言う「エネルギー酔い」?
繊細さんだけしか味わうことのないエネルギー酔いを、ついにこの気丈なわたしも味わうことになったのか。エンパス傾向の強い人にありがちな体調不良のエネルギー酔いってこういう感じだったのか。


夜になって熱も出てきたので職場に休みの電話を入れ、一日中寝てた。翌日熱は下がったものの喉の痛みと咳、倦怠感は残る。そして体調不良を起こして4日目で気がついた。
と言うより、自覚した。

これはエネルギー酔いではなく、単なる風邪。

最近は、初期の風邪症状でも病院に電話を入れ「発熱外来」と言うのを予約しなければならない。今までのように簡単に診察受けられないのだ。めんどうくさい世の中になったもんだ。風邪ごときでこんなに病院にかかるのがめんどくさければ、ドラッグストアの風邪薬の売り上げは爆発的に上がっているに違いない。


そして調子の悪いときは、いつもは見ない夢を見たりする。たまに見る夢だから覚えておこうと思えば思うほどに、ぼんやりとした頭がついていかず、朝日と共に発動したセロトニンによって見た夢もリセットされる。が、ひとつだけ覚えていることがある。


男の人が出てきた。
喫茶店で美味しい珈琲を飲んでいた。
お腹が空いたので何か食べようと言う。
メニューをチラ見した後、正面からわたしの顔をじっと見て、材料を買ってうちで作って食べようと言いだした。
なんでだ?と思ったら、パスタの値段が高かったらしい。

男は満面の笑みだった。

いったい誰だよ。

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