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チラ詩の裏

54
個人で書いている詩をまとめています。目標は1日1回更新。 現在30日連続更新達成。
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2022年8月の記事一覧

チラ詩の裏54

ガラスを通して見た外は
涼しげで羨ましい
ときおり流れる水滴を
指でつついて道を変える
途切れた道は指でなぞって
カラリと鳴った

チラ詩の裏53

昔は待ち遠しかった誕生日も
今はただ歳を重ねる日
ロクなことせずのんべんだらり
脳みそ空っぽに生きている
今年の目標はどうしようか
次の誕生日から頑張ろうか
去年も同じことを
言った気がして思わずにやり
世間は慌ただしく
時の流れに差を感じ
今や立派な引きこもり
明日は明日の風が吹くだろと
横になって大あくび

チラ詩の裏52

にわか雨で雨宿り
雲は動く気配はなく
タバコに火をつけ一息ついて
進むべきか留まるべきか
思考は回らず足は動かず
何も変わらずそこにいるだけ
何もできずにそこにいるだけ

チラ詩の裏51

止まらない
時間の流れに
ため息ひとつ
昔はワクワクしていた一年も
気づけば来るなと願うほど
またひとつ重ねてため息ついて
変わらぬ明日を願うだけ

チラ詩の裏50

弾けてはねて
とても熱くて
思わず落とした
鍋のふた
これは勇者も
すぐに替えるわと
なんだか納得してしまった
そもそも暑い日に
やるもんじゃない
お店の人は凄いな
なんて鯵を齧った

チラ詩の裏49

続きが気になる
蛇足だろうと
その先が知りたいと
思ってしまう
世界はそこで
綺麗に終わって
きっとその先は
必要とされないのに
それでも終わりの先を
知りたいと思ってしまう
いつかその先に
辿り着けるだろうか

チラ詩の裏48

自転車転がすいつもの道
いつもと違うお祭りの音
知らない土地のお祭りなんてと
横目で見ながら通り過ぎる
いつから無くした冒険心
いつから無くした好奇心
普段通りのことしかできず
いつもと違うことはできない
やりたいやりたいと口ではいえども
実際体は動くことなく
こんな大人になるはずじゃ
なかったはずだと僕は嗤った

子供の頃にこのお金で
好きなお菓子を買いなさいと
手渡された50円玉の重さと
何を

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