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薔薇 (詩)

薔薇の首を掻くその手つき
邪な優しさなどは無く、純粋な、致死性の愛

美しさに溺れているの
人の不幸は蜜の味というけれど、己の幸運はきっと無味無臭の毒だね、麻痺した脳でまた斬りつけるらしい

鼓動が止まない
青空はキャンバスに過ぎない
その小さな蕾から次々と生まれる花弁
両手で掬って、そのまま胸に抱いたら、きっと潰れてしまうから

足元の名も知られぬ花には無いその棘
孤高に憧れているの
触らぬ神に祟りはなくとも、薔薇の棘にはそっと触れたい、その鋭く小さな痛みで我にかえる。

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