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草枕草子

春は塊根。
冬に葉を落とし休眠していた夏型が目を覚ます。死んでしまったのではという不安に苛まれながらも、忘れた頃に新芽が展開した時の安堵感と喜びはこの季節ならでは。まだ少し肌寒い朝に温かい気持ちになれる。

我慢していた水遣りを解禁。無機質用土が水を吸い込む音は、シリアルに牛乳を入れるが如き。そして調子に乗って多肉を腐らせて凹む。

ゴールデンウィークあたりには用土を用意して春先から考えていた植え替えをする。根っこを見て恍惚としたり、「君は元気ないねぇ」と声をかけたりする。
腰を痛めるのはセット。
いくつかの株を植え替え忘れるのもセット。

夏はビカク。
高温多湿の日本の気候は大概の植物にとって厳しいが、着生植物の彼らは生き生きとする。(ただし東南アジア系に限る)
分岐した胞子葉を伸ばす彼らは、この季節がきたことを喜んで握手を求めているようにも見える。

夏型植物たちは蒸れとの戦い。
調子に乗って水をやるとやっぱり腐る。水遣りは早朝か夜遅くに、鉢の温度を下げるように、水浴びをさせるように。直射日光が苦手なみんなは日陰に移しておく。

それでも夏は旺盛になる。太陽を目一杯浴びてグングンと枝を伸ばしたり、次々に葉を展開する緑の眩しさを、私も目に焼き付ける。

秋はアガベ。
理由は分からないが、この季節が1番調子が良くて美しいように思う。花が咲くわけではないが、見頃はこの時期じゃないだろうか。(とか言って年中見頃だと思ったりもする)
葉が伸びずにキュッとしまった株に育っていると本当に嬉しい。ニコニコしちゃう。

冬前最後の植え替えもこの時期なので忘れないようにする。毎回土が足りなくなるって買いに走り、土が足りる年には鉢が足りずに結局買いに走る羽目になる。見通しの悪さに落ち込む。

種類によっては紅葉してくれる種も居る。緑が黄や赤に移り変わる様は少し寂しさをたたえた美しさがある。儚さってこういうことなのだろうか。

冬は多肉。
寒さを堪えてギュッとしまった彼らはまるで花のように美しい。可愛いからと言って絶対に水をやってはならない。やっぱり腐る。「秋で腐らないからって安心したろ?」と言われてる気になる。

アガベも同じ。この時期は我慢の時期。ここの我慢の出来なさで数年の積み重ねがダメになることすらある。もう断水でもいいかもしれない。

冬型塊根は旺盛に育つので水遣りを忘れない。夏型か冬型かわからなくなることもしばしば。多くの植物が葉を落とす冬に、生き生きとした緑が見れると優しい気持ちになれる。優しい気持ちで水やりしすぎるとやっぱり腐る。

腐ってばかりだけど、やっぱ園芸は楽しい。
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【あとがき】
三毛田さんのがめちゃくちゃ流行ってるじゃないですか。ミーハーなので乗ります。乗らせてください!自分やれます!
こういうフォーマットというか、ストリームというか、遊びでみんなを動かす力がある人って凄いですよねー私もそんな、人でありたい。

三毛田さんの記事は下から!

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