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KOTOカルテット第3回名古屋公演

千種駅近くのHITOMIホールへ行きました。
KOTOカルテットの第3回名古屋公演の演奏会です。特別公演を含めると4回めになります。

今日は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが向き合う対向配置にしていました。
去年のベートーヴェンプログラムのときも対向配置にしていたと思いましたが、12月のラヴェル、ドビュッシーのときは対向配置では無かったような記憶があります。うろ覚えです。
ベートーヴェンだと第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが多いというのはありますね。

先週末のシューマン室内楽全曲演奏会で春日井さんは2曲のヴァイオリンソナタとピアノ三重奏曲を演奏して中3日でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を演奏するのはすごいです。

今日はベートーヴェンの弦楽四重奏曲が2曲で初期の作品18の第6番と中期の第9番ラズモフスキー第3番です。

個人的にベートーヴェンの弦楽四重奏曲は大好きでバイブルみたいなものです。

■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第6番

この曲は音楽ホールで聴くのは初めてです。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は16曲ありますが、まだ音楽ホールで聴いたことが無い曲は2曲ありますかね。ほとんどは聴いています。

第6番は第2楽章の緩徐楽章がいいですよね。
最初は可愛らしいメロディで入りますが、展開部がすばらしくて深く深く入り込みます。

そして最も大注目は第4楽章。
深い深い憂鬱な旋律。
後期の第14番が最終楽章へのつなぎの楽章が深い深い憂鬱な緩徐楽章ですが、それを思い起こすような旋律だなと思います。

そして深い緩徐楽章の序奏から一転明るい舞曲のようなメロディになります。ベートーヴェンの音楽テーマでもある苦難から歓喜ですね。しかしときどき憂鬱な旋律が出てきてそれに負けずに明るい舞曲に戻るという歓喜へ向かうというベートーヴェンのかっこよさがあるなと思います。
この曲、ハイリゲンシュタットの遺書より前の曲ですが、既に生き抜くための哲学を持っていたのかなと思います。

演奏会の前半の弦楽四重奏曲第6番でかなり満腹になりました。感激しました。

しかし後半はさらにとてつもなくすばらしい弦楽四重奏曲第9番ラズモフスキー第3です。

■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」

弦楽四重奏曲第6番も楽器の対話がすばらしいですが、第9番はさらに楽器の対話がすばらしいなというのを音楽ホールで聴くと感じますね。

旋律を楽器が引き継いでいくのはタスキリレーみたいでラズモフスキー第3はそういうところが聴覚だけでなくて視覚的にも楽しめる曲だなと思います。

第2楽章の緩徐楽章、感動です。
緊迫した状態が長く続きますね。緊迫感で足が硬直して動かないぐらいのものがありますね。
すばらしかったです。

第3楽章のメヌエットで緊張はほぐれますが、そのままアタッカーで第4楽章へ。
フーガ楽章のフィナーレは感動です。
この突き抜けるような高揚感がすばらしいです。

すばらしい演奏で感動しました。

アンコールは第3楽章のメヌエットのおかわりでした。メヌエットを聴くとアタッカーで第4楽章のフーガ楽章まで頭がぐるぐると回ります。

次のKOTO弦楽四重奏団の演奏会は来年の3月20日の祝日だそうです。来年が楽しみです。





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