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なぜ我が子は、たまに明らかに出鱈目な言い訳をするのか?

たまに出鱈目を言う5歳

現在5歳の娘。

たまに妙な嘘をつくことがあります。

例えば、ピアノの練習中うまく弾けないことが悔しくて悔しくてメンタル崩壊して泣き出した時、突然「この前お友達にけられたときのことを思い出したら悲しくなって〜」と明らかに全然関係ないことを言い始める、というような感じです。

なんでそんなわけわからない出鱈目を言うのかなぁ〜と思っていたのですが、その答えのヒントがこちらの本に書いてありました。

言語化できなくても体は理解している

こちらの本に、こんな話が解説されていました。

左右の脳をつなげる脳梁を切断すると、左脳に言語野があるため、右脳にしか届かない左側の視野に文字を見せて、「何が書かれていたか?」と聞いても、答えられないそうです。
もちろん、左脳にだけ届く右側の視野に文字を見せた場合は、ちゃんと何が書かれていたか答えることができます。

このことから、言語野が左脳にあることがわかります。

さらに面白いことに、例えば右脳だけに「笑え」などの文字を見せると、何が書かれていたか聞かれても答えられないのに、「ハハハ」と笑うんだそうです。不思議ですね。
意識的には理解していないように見えるけど、体は理解しているということです。

脳は行動に合わせて話をでっち上げる

そしてこの時さらに、「なぜ今笑ったのか?」と聞くと、「あなたが今面白いことを言ったから」と不思議な返答をするそうです。
「笑えと書いてあったから」と意識的には認識していないので、真の理由は答えられないわけですが、返答として「わからない」ではなく、適当な理由をつけて真面目に答えるんです。

本人は、「モニターに笑えと書いていたから」という本当の理由には気づいていない。
でも今自分は笑った、という事実だけはある。
そこで脳は、その理由を探し、現状の合わせた話を作ってしまう
さらに、本人はなんの疑いもなく、自分が作った理由を真の理由だと思い込む
このような脳の現象を「作話」というのだそうです。

人は、その理由づけが常識的な範囲に収まっているから気づきにくいけど、でも実はこのような作話を日常的に行っているそうです。
理由がはっきりした行動をしていて、かつその理由もちゃんと記憶にあるときはいいのですが、理由が曖昧なままとってしまった行動については、その理由を後付けでこしらえてしまう、というのが脳の特性だというのです。

出鱈目でも言語化できる範囲の説明をしてしまう子供

さて、冒頭の話に戻ります。

この解説を読んで、まさに娘の妙な嘘を思い出しました。
なんであ出鱈目を言うんだろうと思っていましたが、これはまさに「作話」という脳の現象なのではと思い至りました。

本人は、「弾けなかった」ということを忘れてしまったのか、「悔しい」という感情をうまく言葉にできないのか、とにかくなぜ泣いているのかの事実を正しく言語化できない、だから、言語化できる範囲で「泣いていること」に適当な理由づけをしてしまう。

そう言うことなんだと思います。
ものすごく腑に落ちました。

娘は出鱈目を言っているつもりも、嘘をついているつもりはないんですよね。
一生懸命、自分の行動の理由を探して思いついたことを言ってしまうだけで。
なぜそんな行動を?と言う理由を聞かれたとき、「わからない」ではなく、出鱈目でも何かしら理由らしき話をするのが脳としては自然だなんて、本当に脳って面白いです。

そう思えば、不思議に思ったり心配したりすることもないのだとホッとしました。
これについては、そのうち理由をちゃんと認識できるようになれば、作話も減る、または、作話が常識的な範囲に収まるようになるのでしょう。

というわけで、幼児が出鱈目をいう理由がわかってスッキリした〜というお話でした。

池谷先生の本はこちらもオススメ!


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