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「私はゴースト」 幽霊も怖いもんは怖い

なんだか今日は寝れない...

昼に見た「私はゴースト」を思い出すからなのか、スマホゲームで興奮したことが原因なのか、Netflixで色々見たからなのか....

記憶の残り香が僕を夢の世界から遠ざける。

「私はゴースト」、凄くしっとりと怖くて引き込まれる映画でした!感想を書くついでにオススメします!パッケージがかなり強烈なので、Amazon Primeで幾度となく気になるも結局見てない人も多いんじゃないでしょうか。

※少しだけグロテスク(というか痛々しい)シーンがあるので、そういうのが苦手な方は うっ ってなるかもです

郊外の一軒家にとり憑く、彷徨える亡霊エミリー。だが、雇われ霊媒師シルヴィアの力を借りながら、成仏できない自らの運命に隠された秘密をひも解いてゆく。彼女はなぜ死んだのか、そしてなぜ成仏できないのかー。すべての謎が明らかになるとき、想像を絶する恐怖が解き放たれる。
私はゴースト - Filmarks

最後まで見て欲しい

いきなりですが、最初の13分くらいがびっくりするほど長く感じます(僕は1度視聴を断念しました笑)

「この映画大丈夫か?」「これってホラー映画だよね...?」と心配になりますが、スキップして興醒めるのは避けたいので、どことない違和感を楽しみましょう。大丈夫、ちゃんと話は展開していきます。

(当たり前ですが)最後まで見たときには、ちゃんと面白かったなぁとなります!気づけば最初の時間も愛おしくなりますよ。

「私はゴースト」の見どころ

・世界五分前仮説
・幽霊の成長物語(?)
・恐怖のグラデーション

この映画は「世界五分前仮説」な考え方が採用されています。
記憶などが予め操作された状態で5分前に全てが始まった、と言う哲学における懐疑主義的な思考実験です。自分の存在・過去を疑っていきましょう。

世界五分前仮説(せかいごふんまえかせつ)とは、「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という仮説である。
- Wikipedia

幽霊になって成仏できない者は、生前の記憶の残り香を「今さっき体験したこと」のように知覚しているのです。つまり、幽霊エミリーの幽霊としての自我は、5分前に作られたのです。

そのことに気づかされる幽霊エミリーは、幽霊としての生き方(?)に目覚め、成仏と言うゴールに向け歩み出します。自分の死因を紐解かなければならないのです。その過程で、エミリーは自分の死という過去を直視する勇気を得るのです。

人は何歳からでも成長できると言いますが、死んでからでも良いんですよ!

また、「この映画は幽霊が体験するホラー」とTwitterで有名になっていましたが、やはり見どころはそこでしょう。豊富なバリエーションで恐怖を取り揃えております。恐怖のバランスがよく、シーンも巧妙に作られているため、高品質ホラー体験ができます。ぜひ実際に見て体験して欲しいです。

おすすめ度は星2.5で!(人生初の星を使った評価)

おすすめ度2.5_私はゴースト


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と言うわけで、以下ネタバレありの考察・感想です。


まだ見てない人で、ネタバレ厳禁な人は見に行ってね!


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感想 : めちゃ良かった

冒頭が退屈で「おいおい大丈夫か」って思ったんですが、ラストの疾走感がすごく良かったです。一気に印象が変わりましたね

僕は、じめじめした怖さが好きなので映画の雰囲気にはまっちゃいました。ラストでデーモン(目が黒い大男)出てきた時の怖さったらたまらないですね。追いかけてくるシーンも、エミリーでギリ見えない感じが怖くて良かった。走り方も気持ち悪いし笑

最後だけデーモンを出してきた感じや、フラッシュバックしてる時の映像の不気味さは「呪いのビデオ」さながらで、リングっぽかったですね

それでいて、デーモンの描き方とかは呪怨の怖さがありますね。デーモンが自由に動きまわりし、雄弁に語ります。見た目が笑いと恐怖のギリギリのラインをついてて笑っちゃいそうになりますが、ギリギリ恐怖の範囲に収まってる感じがします

ただ、最後を怖がるために冒頭30分くらいはゆったり見るチカラが必要ですね笑

感想 : ラストシーン大好き

豊富なホラーが用意されてると言いましたが、やはり最後のシーンは圧巻でしょう。

恐怖の宝石箱やぁ〜

・怖い存在であるデーモンが怖がってる
・シルヴィアはこっちの話聞いてない(し、光なんてなかった)
・虚無に侵食される部屋
・追体験エミリーの切腹
・映画の終わり方

今まで構築したものが崩れる瞬間ってやっぱり怖いんですよね。死ぬってこともそうですし、裏切りとか絶望する瞬間って今までの淡い期待が崩れるんですよ。

ラストシーンでは、この映画で積み上げてきたハッピーエンドへの期待が全部崩壊します。ホラー映画にハッピーエンドへの期待はつきものです。

 その中でもやはり、デーモンと言う存在は重要な気がします。

  ・  デーモン

ラストシーン、デーモンが怯えてて、共々闇に呑まれていくシーン怖いですよね。シルヴィアと会話できないし、自害してるエミリー怖いし。

そんな中、ふと気になった事がありまして

自害エミリーの目が黒くなってる

のってどう言うことなんでしょうか...
考えてみましたが、これはズバリ

"大男とデーモンは別" なんだと思いました。

目が黒い状態 → 悪魔が取り憑いてる状態
だとしたら
(エミリーに取り憑いた)デーモン=悪魔が大男に取り憑いた存在
と言う関係が見えてきます。で、デーモンごとエミリーに取り憑いていると。

なので、ラストシーンには
1. 幽霊エミリー(自分は幽霊と自覚)
2. 自害エミリー
3. 自害エミリーに取り憑いてる悪魔
4. 幽霊大男(自分は悪魔と一体化してたと気付いた瞬間)
の4役が存在してるんじゃ無いでしょうか

エミリーから見たら、「大男+悪魔=目が黒い大男(デーモン)」の意思によって殺されてるから、デーモンに馬乗りにされてるシーンを客観視している。

幽霊大男(憑依されてたことを自覚し、素の大男に戻った状態。ある種、悪魔払いが完了した状態?)から見たら、悪魔がエミリーを殺してるから、悪魔に憑依されたエミリーが自害しているシーンを客観視している。

そうなると幽霊大男が怯えてるのも納得で
・目の前に腹を刺してる女性がいる
・なんか御祓みたいなことされてる
・謎の闇が迫ってる
が一気に襲い掛かった結果、あれだけパニックになり恐れていたんじゃないでしょうか。

除霊きっかけで大男が「自分が悪魔に憑依されていたこと」に気づいてしまった。エミリーが、デーモンに取り憑かれていることに気づいたように。

エミリーからデーモンが剥がれて、デーモンから大男が剥がれた。

  ・  映画のあとの世界

闇に呑まれるのは、成仏成功なのか、それ以外の結末なのか。

シルヴィアが成仏は「光に包まれる」ようなものと言いました。まず、この発言が「嘘かどうか」と言う点を考える事ができます。

冷静に考えてシルヴィアが成仏した後の幽霊とお話する機会は無いと思うので、「安心させるための嘘」と言う考え方が普通な気がしますね。シルヴィアの体を通過する儀式(?)に関しても、「苦情を言ったものはいない」と言いましたが、実際エミリーはもがいていますし、苦情を言ったと解釈するには十分な気がします。これらから、シルヴィアが交渉にあたり嘘をついたと考えられます。

しかし、シルヴィアは成仏が良いものかどうかを知りません。なので、「嘘」と言うより優しさですね。本当に光が包むかは知らないが、生きてる人間時代に想像した成仏を一致するような事を言って安心させようとした。

では、シルヴィアとは分離して闇に呑まれる事象を考えます。
以下が考慮すべきポイントです。

・「闇」はどのように表現されているか
・大男の怯えっぷり

闇の表現について
映画上で出てきたのは、家の外の闇ですよね。闇は、幽霊である事を自覚させるためのエリアですね。追体験をしている生前の領域の外側。幽霊にとって自覚したくない死の象徴でしょう。幽霊にとっての死って言うのは、やっぱり成仏でしょう。

大男の怯えっぷり
こんな怯えてるのって、「過去に体験した事があるから」なんじゃないですか?既視感のある恐怖。大男にとって、突然、見慣れた悪夢が始まる。と言うことは、あれは成仏じゃなくて悪魔に取り込まれて、新たなデーモンとしての幕開けを示しているのかもしれません。


あれ

あれ...?

どっち?


  ・結局

みなさん何かしら答えが出ると思いましたか。映画を見て気づいた人もいると思いますが、この映画の最終的なメッセージは「誰かが提示している事に確信はなく、自分で確かめるしかない」と言う事だと思います。思えばシルヴィアの発言もそうですよね。何か他者のきっかけありきだとしても、自分で過去を見つめ、自分で歩き出していく必要があるのです。

と言うわけで僕の結論としては「みなさん成仏するときにわかります」です。もっと言うと「自分なりの結論を探しましょう」です。

他人が言うことではなく、自分で確かめた真実を探しましょう!僕もこの記事を書いていて、他人が作った作品に感想書いてるだけではダメだって思いました笑。クリエイターとして、作品を作っていこうと思います。

いつか誰かに感想言われたいなぁ


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