おっさんバイク乗りの完全主観によるワインディングの走り方
バイク初心者やリターンライダーの諸君。
休日にちょっとツーリングスポットに行ってみたいお年頃の諸君。
やあ、バイクおじさんだよ。
インターネットで「ツーリング おすすめ 峠」などと検索すればいくらでもツーリングスポットは出てくるけれども、ワインディングの走り方を教えているページがあまりないような気がするよ。
おじさんが言っている「走り方」とは、ライディングテクニックのことじゃないよ。そういうのはネモケンとか柏秀樹に任せておいて、ここではもっと根本的な「ワインディングを走るうえでの心構え」について解説したいと思う。
『こちとら高い金で大型免許と大排気量車を買ったんだよ、今更そんなこと教えてもらう必要はねえや! べらぼうめ!』なんて言わないでね。
あとこれから書いていくことは、あくまで自ら事故やトラブルを引き起こさないために注意しておくべきことなんだけど、どれだけ注意していたって突発的な事故やトラブルは起きるよ。そのリスクを少しでも減らすためには気をつけようね、って話なんだけど、実際どれだけ気を付けていても死ぬときは死ぬよ。それを常に意識しようね。
さて、本題に入るよ。解説だなんて偉そうなことを言ったけど、おじさんが考える注意点というのは、大きく分ければ2つだけだよ。
ひとつは「無理をしない・させない」もうひとつは「周囲に気を配る」。
それをもう少しかみ砕いて解説していくよ。
①無理をしない・させない
ツーリングに行けば気持ちよくなってくる。天気のいい日に、おいしい空気を全身に受けながら、景色のいい道を走る。そりゃ楽しい。
楽しくて、調子に乗る。調子に乗って、普段ならもっとしっかり減速するようなカーブでも気持ちが大きくなって、スピードをあまり緩めずに突っ込んでしまう。脳裏にはきっと、ワインディングのコーナーをヒラリヒラリと優雅に鋭くかわしていくかっこいい自分の姿をイメージしているんだろう。
だがしかし落ち着いてほしい。お前はそんなに上手くないぞ。
おじさん自身も、ツーリングに行く前には自分への戒めのためにyoutubeで「ツーリング 事故」とかで検索して事故動画を見るよ。
自分の身の丈に合わない走り方をしてコケたり、その結果として人を巻き込んで事故を起こすことは、とてもダサい。
いわば、軽自動車が高速道路であおり運転しているようなイタさがそこにはある。ある程度以上年齢がいってる人がそういうことをやってると、特にみっともないよ。
しかも、もし一緒に走ってる仲間がいるならば、仲間にも迷惑をかけるよ。いやだねえ……やめようね!
たとえ速度が多少遅くても、周囲に気を配りながら、無事故で他人に迷惑をかけないスムーズな走りができる人はかっこいいとおじさんは思うよ。
まわりの人や、前を走る人が自分より速いスピードで走っていくからって、見栄を張ってついていく必要はない。自分にとって安全に楽しめる速度で走ればいい。これが一番大事だよ。
そして、自分と一緒に走る初心者に無理をさせてもいけない。初心者とツーリングに行くのならば、一番遅い人にスピードをあわせてあげるのが当然だし、それができないなら1人で走りに行くべきだとおじさんは思うよ。
とはいえ、「遅い」にも限度はあるけどね。あまりに遅すぎて周囲に迷惑をかける=結果的に自分にも危険が及ぶし楽しめない のであれば、その道を走るのはまだあなたには早いのかも知れないね。腕に見合ったコースを選ぶことも大切だよ。
謙虚になろうね。
②周囲に気を配る
普段の街乗りでも大切なことだけど、道路の整備が行き届いていなくて信号も少ないワインディングでは、輪をかけて非常に非常に大切なことだ。
・前方は安全か?
ワインディングでは狭い道の連続で、自動車がゆっくりとしか走れずに詰まってしまうことがよくある。前方が速度を落としているのに気付かずに突っ込むともちろん死だよ。それ以外にも、何かが起きている可能性を常に気にして、ちょっとでもおかしいなと感じたら注意するようにしよう。
ちょっとしたことで「ん? おかしいんじゃないか?」と気付けるように、常に注意を張り巡らせておこう。自分の目の前の車両だけではなく、自分より2~3台先を走る車両の動きを見ておくのがコツだよ。
・自分の前を走っているクルマやバイクは安全運転しているか?
かっこつけて自分の技量を超えた走り方をしている、もしくは、山道を走ることにいっぱいいっぱいで動きがフラフラと覚束ないクルマやバイクが自分の前方にいるときは、よーく注意しておく必要がある。もらい事故ほど馬鹿らしいものはない。
場合によっては速度を緩めて車間距離を大きく取るか、ちょっと広い場所があればそこに一旦停車して、距離をとるついでに休憩してもいい。
君子危うきに近寄らず、だよ。
・先が見通せないカーブの先に対向車がきていないか?
峠道で先が見通せないカーブには、大抵はカーブミラーが設置されている。逆に言うと、カーブミラーが設置されているカーブは先が見通せないということでもある。カーブミラーが設置されていたら注意する癖を身に着けよう。
カーブでは速度を出しすぎたクルマやバイクが対向車線にはみ出すこともあるし、カーブの内側にショートカットして曲がるクルマも多い。天気が悪い時や日が暮れて暗くなってきた時などに、対向車が来ていた場合は、パッシングや軽くクラクションを鳴らすなど、相手に自分の存在を伝えるのも効果的だよ。対向車は自分に突っ込んでくるものだと思っておこう。
かといって、対向車が来るたびにブレーキをかけるのは後続車に迷惑がかかるしヘイトが溜まるので、やめようね。常に余裕をもって運転しよう。
・路面は濡れていないか? 路面に石や落ち葉やゴミが落ちていないか?
これも意外と見落としがち。道の先や前後の車両に注意をしていると、路面の変化に気づくのが遅れることがある。ちょっと大きめの石や空き缶なんかは、クルマなら踏んでも大したことはないけど、バイクだと死だよ。
また、トンネルの中のカーブや、日陰になっている森の中のカーブなど、突然水が流れていたり枯れ葉が積もっているなどして(冬場だと凍っていたりもする)滑りやすくなっている場所などもある。そういうことがあり得ると常に意識して、余裕ある運転を心がけよう。
・後方から自分より早いクルマやバイクが近づいてきていないか?
気分は悪いかもしれないけど、これもやっぱり君子危うきに近寄らず。さっさと譲ってしまおう。お互いに嫌な思いをせずに済むし、相手がアホだったとしたら、無理やり幅寄せなどをされた結果、事故に発展するリスクもある。
意地やプライドより、転倒やケガ、死を避けることを心がけよう。
何なら「譲ってくれてサンキュー、すまんな」「ええんやで」のコミュニケーションを取れることも多い。意外と悪い気はしないものだよ。
・運転に慣れていないクルマに気をつけろ!
これはべつに、遅いクルマを悪く言っているんじゃない。そういうクルマは後方にオートバイの大行列ができていても、えてして気づかない、もしくは気にしない、或いは気にして譲る余裕がない、といったことが多い。かといって悪気はないんだ。イライラするのはやめよう。
そうなったとき、前方のクルマの動き(急ブレーキやハンドル操作、対向車が来るたびにブレーキを踏むなど)に惑わされないよう注意を払うと同時に、後方からバイクやクルマが追い越しをかけてこないか注意する必要がある。
慣れているライダーならば、周囲に迷惑をかけずにスマートに追い越していくものだけど、変にイキがっている奴や、技術はないくせに無理して追い越そうとする奴だと、危険な思いをすることも多い。
後ろから一気に追い越してきた奴が、対向車が見えて慌てて車線に戻ってきて、目の前や真横に割り込まれることもある。そういったときにびっくりして自分の操作を誤らないよう、注意しよう。
とにかく、渋滞に巻き込まれたときは充分に、前後ともに注意を払おう。
最後にもう一つだけ。
もしも他者が事故を起こしている現場に遭遇したら、助けてあげよう。(これは道路を走るための心構えとは少し違うけど)
山道ではレスキューが現場に到着するまで数十分~数時間かかることも多い。もし自分がその状況で事故にあって、誰も助けてくれなかったら困るよね。自分がしてほしいことを、他者にもしてあげる精神が大切だよ。
事故を見つけたからって慌てて急ブレーキをかけると危険だから、安全に減速できる状況で、かつ後続車の迷惑にならない場所にバイクを停車して、現場に歩いていけばいい。下り坂にバイクを止めるとスタンドが外れてバイクが倒れてしまうこともあるので注意してね。
峠道での事故に遭遇した時、してあげられることは結構多い。事故の状況次第で警察や救急に連絡してあげるのは当然のことだね。
バイク事故ならば、バイクを起こしてあげたりバイクを安全な場所に移動してあげたり。ライダーがケガをしているならば、安全なところまで退避するのを手伝ってあげることができる。しかし、頚椎や内臓に重い怪我を負っている場合は、動かしてはいけないこともある。判断できないときは救急の人に聞いてみよう。
さらに、事故現場が見通しの悪いところならば、後続車に対して「この先で事故が起きている」とジェスチャーで伝えて二次被害を防ぐことや、交通誘導をすることもできる。
誰かが手伝ってるからいいや~と通り過ぎてしまわず、手が足りているか声をかけてみるといいよ。
事故を起こしたことがある人ならわかると思うけど、たとえ軽微な単独事故でも、当事者はわりとパニック状態に陥っている。声をかけて落ち着かせてあげるだけでも効果があるよ。
最終的に何がいいたいのかよくわからない記事になってしまったけど、そんな感じの事を気を付けて、レッツエンジョイツーリング。
死なないようにね。五体満足で帰るまでがツーリングだよ。
おじさんとの約束だ。
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