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22/12/26 (月) 「年末で薄商い」引け後情報

年末で薄商い

米国や英国などでは月曜日はクリスマスに伴う休日となる一方で開かれる今日の日本株でしたが、先週末の米国などがやや堅調に引けたこともあり、日本も日経平均やTOPIXは上昇してスタートしました。ただ海外投資家を中心に年末休暇に入っていると考えられる中では安定して方向感のある動きとはなりにくく、前場の途中で日経平均は前日終値に近づき、TOPIXはマイナス圏に転じる場面もありました。またマザーズ指数は同じく前場でマイナス圏に転じた後、そのままプラス圏に浮上できないで推移する軟調さとなりました。
大引けでは日経平均は170円の上昇となった一方、TOPIXは0.24%と小幅な上昇に留まり、また東証プライムの値上がり数は全体の57%であった一方、スタンダード市場では37%、グロースでは32%となって値下がり数の方が多くなるなど全体として買い戻すという動きにもならず、閑散相場らしい動きとなりました。
東証プライムの売買代金は1.77兆円と2兆円を下回る薄商いとなりました。

黒田総裁の講演

場中には日本経済団体連合会審議員会における黒田総裁の講演がありました。講演の内容は日銀のホームページにて、「賃金上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けて」というタイトルでPDFファイルとして掲載されています。

金融政策に関し、先週の会合において金融緩和策の修正がおこなわれ、長期金利の変動幅の上限が引き上げられましたが、このことについてメディアなどでは総裁の会見などで説明されていたことを(意図してなのかは分かりませんが)うまく伝えられずにいる中、再びその説明がなされました(とはいっても、説明内容は会合後の会見にて詳しく説明していた際とあまり変わりありませんでしたが)。
今日の講演前から日本の国債利回りは1年債から10年債までは上昇し、特に10年債利回りは朝のnoteでお伝えした際には0.38程度となっており、朝のうちにもう一段階下落していましたが、講演が終わってみると0.43あたりまで上昇していました。ただし特に歪みが大きかった8年債利回りとの差ですが、朝の時点で0.435あたりだったところから0.47となるなど、こちらもやや上昇したために歪みが未だ見られます。

1年債から10年債の利回りの上昇でイールドカーブ全体として今日は上昇した印象がありますが、これに対し日銀が会合時から「10年債以外にも各年限で更なる買い入れ増額や指し値オペの機動的な実施」をすると示しており、今後こういった動きに対しイールドカーブを緩和状態に落ち着かせようとする動きが市場に伝わるかどうかという点を気にしたいと思います。ただし市場の動きは事実よりも思惑で動くことも多く、理解が進まない、または「理解はしつつもそれでも来年以降の日銀総裁の交代や岸田政権との連携を考慮して動きある」という見方を市場全体が立てればそちらに振れるでしょうから、事実はどうあれ市場の思惑をしっかり感じ取ることも大切に思います。

明日の注目ポイント

今晩は米国はクリスマスの振替休日により休場となります。
年末特有の相場となりそうですが、2月決算が多い小売業などを中心に決算発表をおこなっている企業も最近は多く、個別の動きにも注目したいところです。
またIPOに関しては明日は2社、水曜日は久しぶりに0社で、木曜日に年内最後に1社の上場があります。今日は3社ありましたが、3社とも公開価格を下回っての初値となり、相場環境が悪い中で初値に関しては堅調に形成できた流れも、数日前から上手くいかなくなっている点にやや注意したいところです。

指数・今後の重要イベント

12/26 終値
日経平均株価:26405.87 (+0.65%)
TOPIX :  1902.52 (+0.24%)
マザーズ  :    704.79 (-0.35%)

東証プライム市場指数   :  978.92 (+0.24%)
東証スタンダード市場指数 :  985.27 (-0.01%)
東証グロース市場指数   :  894.08 (-0.44%)
スタンダード市場トップ20:  973.66 (+0.15%)
グロース市場コア     :  839.28 (+0.26%)

東証プライム 売買代金:17793億円


イベント
2022年12月第5週

12/26 (月):クリスマス 米休場
12/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
12/30 (金):大納会

2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計

2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年1月第3週
01/16 (月):キング牧師記念日 米休場
01/17 (火):日銀金融政策決定会合(~1/18 18日に会見予定)
01/18 (水):米12月卸売物価指数
01/18 (水):米12月小売売上高
01/18 (水):米12月鉱工業生産
01/18 (水):ベージュブック公表
01/19 (木):米12月住宅着工件数
01/19 (木):米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
01/20 (金):米12月中古住宅販売件数

2023年1月第4週
01/26 (木):米12月新築住宅販売件数
01/26 (木):米12月耐久財受注 速報値
01/27 (金):米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
01/27 (金):配当・株主優待 権利付き最終日

2023年1月第5週
01/31 (火):FOMC(~2/1 日本時間2日早朝にパウエル議長会見予定)

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