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22/10/11 (火)「雇用統計と半導体安と」寄り前情報

雇用統計と半導体安と

先週金曜日に雇用統計が出ると、非農業部門雇用者数の伸びは市場予想を下回ったものの、失業率は低下しかなりの低水準が続いている状況となっていることから引き続き労働市場逼迫は続いているとの見方に戻ったような反応となりました。さらに、先週までのいくつかの経済統計と欧州市場の不安定さ、火曜日に豪中銀の理事会で利上げ幅縮小をしたことなどもあって、やや浮上してきた11月頭に開催されるFOMCにおける利上げ幅の50ベーシスへの縮小期待も後退し、75ベーシスの利上げを織り込む動きが進みました。
これを受けて金曜日の米国株主要三指数は大きく下落しましたが、特に半導体関連はバイデン政権の半導体関連製品の対中国輸出規制強化を発表したほか、AMDが木曜日引け後に発表した「7-9月期の売上高が市場予想よりも下回る見込みで、PC市場におけるサプライチェーン上での在庫増加」という内容が嫌気される形で、AMDは金曜日には13%以上下落し、その他の半導体関連銘柄にも売りが波及したために、金曜日はS&P500の全業種が下落していた中で情報技術のセクターは4.14%安と大きく下落していました。

こうして急落した金曜日を終えたあと、月曜日はコロンブスデーで祝日の中開かれた米国株でしたが、開始直前の先物や開始時点ではプラス圏だった場面もありました。この時間帯には英中銀が以前発表していた14日に終了する予定の長期国債買い入れ措置に関して、市場安定化措置として買い入れ上限を倍増することを発表しました。開始から軟調さがかなり広がっていた欧州株が一時プラス圏に浮上する指数がちらほら出てくるなど、これを受けてか上昇する動きも一部では出てきました。
米国株はその開始直後こそプラス圏でしたが、まもなくマイナスに転じ、特にNASDAQは年初来安値を更新するなど下落の流れが続く形となりました。フィラデルフィア半導体指数はこの日も3.45%下落し、金曜日の下落と合わせて2営業日で9%以上下落する大きな動きとなりました。
一方でNYダウは一時プラスに転じるなどNASDAQやS&P500より相対的に堅調な動きもみせました。

今日の注目ポイント

今週動きが気になるところでいえばまずは再上昇して高い水準を維持してしまっているVIX指数で、先週の中頃は30を一時下回ったものの後半でまた30を越え、現在は32を越えています。今週はCPIの発表があるだけに、そこまでどういった動きをするのかが気になります。
また為替はドル円が現在145円後半まで動いており、日銀が前回為替介入を実行した水準にかなり近づいてきています。その水準に恐る恐る近づくような形で最近は動いていますが、再び介入がおこなわれる可能性もあり、チェックが欠かせない水準になってきていると思えます。
原油価格の上昇も気になるところです。月曜日こそ小さく下落し、S&P500のセクター別でもエネルギーはこの日下落していましたが、WTI原油先物はそれでも現在90ドルを上回っており、つい10日ほど前の先月末時点では79ドル台だったために上昇が目立ちます。原油価格に関してはこの前のOPECプラスにおける減産などがありましたが、今後は特に中国経済の動きも気にしておきたいところです。今週末は中国共産党大会があります。


指数・今後の重要イベント

終値
CME日経平均先物始値(括弧内は昨日の現物の終値):26675.00 (27116.11)
Dow 30   :29202.88 (-0.32%)
S&P 500 :  3612.39 (-0.75%)
NASDAQ:10542.10 (-1.04%)


イベント
2022年10月第2週 (SQ週)

10/11 (火):日本 水際対策緩和
10/12 (水):米9月卸売物価指数
10/12 (水):FOMC議事要旨公表
10/13 (木):米9月消費者物価指数
10/14 (金):米9月小売売上高
10/14 (金):米10月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値
10/16 (日):中国共産党大会 開幕

2022年10月第3週
10/18 (火):米9月鉱工業生産
10/19 (水):ベージュブック公表
10/20 (木):米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2022年10月第4週
10/24 (月):米10月PMI 速報値
10/27 (木):米9月耐久財受注
10/27 (木):配当・株主優待 権利付き最終日
10/27 (木):日銀金融政策決定会合(~10/28 28日に黒田会見予定)
10/27 (木):ECB理事会
10/28 (金):米9月個人所得・個人支出・PCEデフレーター

2022年11月第1週
11/1 (火):FOMC(~11/2 日本時間3日早朝にパウエル議長会見予定)

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