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22/12/01 (木)「パウエル議長講演を終えて」寄り前情報

パウエル議長講演を終えて

水曜日の米国市場ではブルッキングス研究所でのパウエル議長の講演に注目が集まりました
その前にいくつか経済統計が出ており、ADP版雇用統計は市場予想を大きく下回り、また今回のパウエル議長の講演やその後の話でも話題に出てきたJOLTS雇用動態調査については依然高水準ではあるものの、求人件数や失業者1人当たりの求人件数が1.7件に減少していました。(それだけ最新のデータをチェックしてパウエルさんが今回の講演に参加したことがわかります)

経済統計に関しての反応は株式市場としては大きくなく、パウエル議長の講演が始まるまではやや横ばい感があり様子見を続けているような動きでした。
いざ講演が始まると、利上げペースの鈍化が早ければ12月FOMCからとなる可能性に言及しました。最近ではFRB高官のタカ派発言でFedWatchをみても少しずつですが50ベーシスポイントの利上げ確率が下がっていき、やや警戒感が広がっていた中での発言だったため、これを好感してか主要三指数、特にNASDAQは非常に大きく上昇する動きとなりました。
そのFedWatchにおける50ベーシスポイントの利上げ確率も、CPI発表後の高いところでは80%近くあったところから昨日時点で65%近くまで落ちていましたが、再び80%近くまで上昇する動きをみせています。

講演の中では最近の物価指数の鈍化には好感するも、インフレの鈍化がはっきりするまではさらなる証拠が必要だとしたり、ターミナルレートの(9月見通しからの)引き上げの必要性など、以前から主張していたことは繰り返していました。

上昇した株価について、S&P500の業種別指数は11業種揃って上昇し、特にNASDAQの4.41%高から想像できる通り、情報技術のセクターは5%、コミュニケーション・サービスは4.91%、一般消費財セクターは3.48%上昇と大きく動きました。フィラデルフィア半導体指数も今日は5.85%高となっています。
米長期金利は大きく低下し、10年債利回りは昨日3.75%付近にあり、講演前では3.8%に接近したところから一気に3.6%台前半まで低下しました。
ドル円も講演前は140円に接近していましたが、講演をきっかけにドル売りが進んだことで137円台後半に動きました。

今日の注目ポイント

今晩はパウエル議長の講演の中の話にも出ていた米PCE(個人消費支出)が出される予定で、コアPCEデフレーターの内容に注目したいところです。
また講演の中では労働市場についての話も長く取られていたことから、引き続き雇用に関するデータには注目したいところで、金曜日の雇用統計の内容も気になります。
最新のデータであったため、JOLTS雇用動態調査の内容に触れることが多く、雇用統計だけでなくセットで今後もしっかりとチェックしたいところですが、次回の発表は1月となります。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 :34589.77 (+2.18%)
S&P 500 : 4080.11 (+3.09%)
NASDAQ:11468.00 (+4.41%)

イベント
2022年11月第5週/12月第1週
12/1 (木):米10月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
12/1 (木):米11月ISM製造業景気指数
12/2 (金):米11月雇用統計

2022年12月第2週 (メジャーSQ週)
12/5 (月):米11月ISM非製造業景気指数
12/9 (金):米11月卸売物価指数
12/9 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2022年12月第3週
12/13 (火):米11月消費者物価指数
12/13 (火):FOMC(~12/14 日本時間15日早朝にパウエル議長会見予定)
12/14 (水):日銀短観
12/15 (木):ECB理事会
12/15 (木):米11月小売売上高
12/15 (木):米11月鉱工業生産
12/15 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2022年12月第4週
12/19 (月):日銀金融政策決定会合(~12/20 20日に黒田会見予定)
12/20 (火):米11月住宅着工件数
12/21 (水):米11月中古住宅販売件数
12/23 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
12/23 (金):米11月新築住宅販売件数
12/23 (金):米11月耐久財受注 速報値

2022年12月第5週
12/26 (月):クリスマス 米休場
12/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
12/30 (金):大納会

2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計

2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

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