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22/12/26 (月)「方向感の乏しさ」寄り前情報

方向感の乏しさ

最近の米国では経済統計に対して強ければ利上げ長期化懸念、弱ければ景気悪化懸念という形で、株式市場的には軟調さが目立つ動きをすることが多くなっていました。そんな中、金曜日の米国ではFRBが物価指標として注目しているPCEデフレーターの発表がありました。物価に関してはかなりはっきりと「低ければ利上げ減速期待、高ければ利上げ長期化懸念」という形で動きがちなので、その点でも注目でしたが、結果として特に注目されたコアPCEデフレーターについては前月比では市場予想通り、昨年比では予想通り前月から下落となり、市場予想よりはわずかに高いくらいでした。
一方11月耐久財受注の速報値の前月比が市場予想を大きく下回りました。

これらの結果を受けて米国株市場はまず下落してのスタートとなりました。ただクリスマス前ということで例年閑散となりがち(実際この日の出来高も非常に小さくなっていました)ということもあり値が振れやすく、一時は1%を越える下げとなったNASDAQも開始1時間ほどでプラス圏に戻ったりするなど、方向感の掴めない動きとなりました。そのままNASDAQは前日終値付近で揉み合い、一方NYダウとS&P500はプラス圏を長く維持した形となり、三指数は揃って上昇して終わりました。
S&P500の業種別指数は11業種揃って上昇となりましたが、中でもエネルギーセクターは他の10業種よりも際立って上昇していました。関連した動きとして最近はWTI原油先物の上昇が目立っており、今月は一時70ドルを割り込もうかという動きをみせていたときもありましたが、金曜日には一時80ドルを復帰するほどになっていました。
また、今月は米長期金利(10年債利回り)の上昇も大きく、12月2日には3.50%付近だったところから、現在は3.75%まで上昇しています。
一方でVIX指数はその12月2日頃に20の節目を下回っていましたが、やはりそこから上昇してしまったものの、株価の下落の割にはVIXの上昇は大きくなく、20.87となっています。

今日の注目ポイント

今日はクリスマス翌日ということで(いわゆるボクシング・デー)英国などで休日、また米国もクリスマスの振替休日となっています。
閑散が予想される中での日本市場となりますし、今週は経済統計もありませんが、気になることがあるとすれば来週は雇用統計などの注目イベントがあり、また経済統計を受けて色んな動きをしている中ではISMの景気指数なども気になるところです。またFOMCの議事要旨の公表も来週あり、年末ということを意識しつつ、来年最初の週のことも少し頭に入れておきたいところです。
その他、水曜日には配当・優待の権利付き最終日ということで、12月決算企業を中心に需給の気になる週でもあります。

また時刻は未定となっていますが、日本経済団体連合会審議員会での黒田総裁の講演があるそうで、あの日銀会合の後ということで何を語るのか気になります。特にイールドカーブの歪みを正すことを目的に長期金利の変動幅上限を引き上げたわけですが、日本の国債利回りについて、歪んでいた8年債利回り~10年債利回りの歪みはまだまだみられる状況で、10年債は会合直後に0.48%まで上昇したあと、現在は0.38%となるなど需給がやや歪んでいる中、8年債は0.435%となり歪みがまだまだ継続している点に注意したいと思います。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30  :33203.93 (+0.53%)
S&P 500 : 3844.82 (+0.59%)
NASDAQ:10497.86 (+0.21%)

イベント
2022年12月第5週

12/26 (月):クリスマス 米休場
12/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
12/30 (金):大納会

2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計

2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2023年1月第3週
01/16 (月):キング牧師記念日 米休場
01/17 (火):日銀金融政策決定会合(~1/18 18日に会見予定)
01/18 (水):米12月卸売物価指数
01/18 (水):米12月小売売上高
01/18 (水):米12月鉱工業生産
01/18 (水):ベージュブック公表
01/19 (木):米12月住宅着工件数
01/19 (木):米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
01/20 (金):米12月中古住宅販売件数

2023年1月第4週
01/26 (木):米12月新築住宅販売件数
01/26 (木):米12月耐久財受注 速報値
01/27 (金):米12月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
01/27 (金):配当・株主優待 権利付き最終日

2023年1月第5週
01/31 (火):FOMC(~2/1 日本時間2日早朝にパウエル議長会見予定)

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