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22/12/06 (火)「どこを向いているか」寄り前情報

経済統計への反応に変化

週明けの米国では米国株市場が開始する前に米長期金利がやや上昇しており、その影響か主要指数先物もやや軟調さがみえるような状況でした。
実際に株式市場がスタートすると、主要三指数は揃ってマイナス圏で始まりました。場中に米11月ISM非製造業景気指数の発表があると、前回の54.4からの低下が予想されていたのに反して56.5と強い内容となりました。先週の製造業の景気指数の方では50を下回りながらさらに市場予想も下回ったという点で景気減速を意識する内容だったのに対し、今回は景気減速よりもターミナルレートがどこまで高くなるかへの懸念の方に目が向けられたのか、これを株式市場ではそこまでポジティブにみる動きはなく、長期金利は大きく上昇し、主要三指数は揃って大きく下落しました。

S&P500の業種別指数は全業種が下落となっていました。公益事業、ヘルスケア、生活必需品といったディフェンシブ性のある業種が下落率が相対的には小さく(それでも生活必需品セクターは1.2%下落ですが)、一方で一般消費財は2.95%と下げが大きく、主要な銘柄であるAmazonやTeslaといったところが大きく下げた影響がありそうです。エネルギーセクターも2.94%の下落と大きくなっていました。関連しそうな動きとしては、WTI原油先物が昨日の夜は82ドル台だったところから77台半ばに低下しています。この日は原油価格に限らず、全体的な商品価格が下落していました。
金曜日に20を下回っていたVIX指数は一転して大きく上昇し、再び20をつけています。

今日の注目ポイント

来年の利上げが長引く(9月FOMC時のSEPで予想された値よりも高くなる)ことは以前からパウエル議長の会見や講演の中からも示唆されたことのように思いますが、突然これに目が向く形になったように思えます。景気減速懸念に目が向いていたとはいえ、来年の冒頭における市場の大きなテーマになりそうなこのことを先週末は一旦忘れたような動きをしていたことが不思議でしたが、短期的な目線なのかどうかも含めて一体どういう目線でマーケットが全体をみているのか見極めたいところです。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30  :33947.10 (-1.40%)
S&P 500 : 3998.84 (-1.79%)
NASDAQ:11239.94 (-1.93%)

イベント
2022年12月第2週 (メジャーSQ週)

12/9 (金):米11月卸売物価指数
12/9 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2022年12月第3週
12/13 (火):米11月消費者物価指数
12/13 (火):FOMC(~12/14 日本時間15日早朝にパウエル議長会見予定)
12/14 (水):日銀短観
12/15 (木):ECB理事会
12/15 (木):米11月小売売上高
12/15 (木):米11月鉱工業生産
12/15 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2022年12月第4週
12/19 (月):日銀金融政策決定会合(~12/20 20日に黒田会見予定)
12/20 (火):米11月住宅着工件数
12/21 (水):米11月中古住宅販売件数
12/23 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
12/23 (金):米11月新築住宅販売件数
12/23 (金):米11月耐久財受注 速報値

2022年12月第5週
12/26 (月):クリスマス 米休場
12/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
12/30 (金):大納会

2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計

2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

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