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22/12/02 (金)「反応の仕方の差」寄り前情報

反応の仕方の差

木曜日の米国では株式市場開始前に米10月個人所得・個人支出・PCEデフレーターの発表がありました。コアPCEデフレーターなどはほぼ市場予想通りとなり、前日のパウエル議長講演で大きく上昇した後ということもありやや安心感が広がった面もあるのか、先物はやや上昇する動きをみせました。
米株式市場がスタートするとNASDAQやS&P500は続伸の動きをみせた一方、NYダウは小幅反落となっていましたが、日本時間24時に米11月ISM製造業景気指数が出されると、市場予想を下回って節目の50%を下回る49%となりました。これまでは利上げ減速要因として好感されていそうな内容ですが、今日に関してはむしろ景気後退懸念の方が勝る形になってしまったのか、主要三指数は下落の方向になり、NASDAQ、S&P500もマイナス圏に転じました。

NYダウは一時460ドル安(1.3%安)程度まで落ちたものの、そこからは下げ渋る動きとなり、200ドル弱の下落とはなったものの0.56%安で終えました。
一方S&P500とNASDAQは同じく下げ渋ったあとは前日終値を挟んだ動きが続き、S&P500は0.09%安、NASDAQは0.13%高と小幅な動きに留まりました。
景気の減速懸念が意識されたためか、米長期金利は大きく下落し、10年債利回りは3.5%に急接近する形となりました。今週は3.7%程度のところで推移し、パウエル議長講演前には3.8%手前まで動いたあと急落し3.6%台となっていたのが昨日までの大まかな動きです。

S&P500の業種別指数はコミュニケーション・サービス、ヘルスケア、情報技術の3セクターが小幅に上昇、ほか8セクターは下落したものの小幅の下落に留まったものが大きく、最も大きく下落したセクターでも金融セクターの0.71%安でした。

今日の注目ポイント

長期金利は大きく下落しましたが、その反応よりも経済統計の弱さが意識されるというような動きをみたのは久しぶりで、マーケットの反応の仕方が変わりつつある(というより逆金融相場から元に戻ろうとしているというべきでしょうか)のかもしれません。ただ前日に加熱し過ぎたという面が動かした可能性もあるため、今後も様々な経済統計の強弱に対しどのように反応するのかを確認し、しっかりと見極めたいところです。

今晩は注目の米雇用統計が発表されます。昨日の日本市場がアメリカよりも落ち着いていたのはこれを警戒しての反応なのかは分かりませんが、28000円前後で停滞感がある日経平均株価が今日と来週月曜日にどう動くかが気になります。


指数・今後の重要イベント

終値
Dow 30 :34395.01 (-0.56%)
S&P 500 : 4076.57 (-0.09%)
NASDAQ:11482.45 (+0.13%)

イベント
2022年11月第5週/12月第1週

12/2 (金):米11月雇用統計

2022年12月第2週 (メジャーSQ週)
12/5 (月):米11月ISM非製造業景気指数
12/9 (金):米11月卸売物価指数
12/9 (金):米12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

2022年12月第3週
12/13 (火):米11月消費者物価指数
12/13 (火):FOMC(~12/14 日本時間15日早朝にパウエル議長会見予定)
12/14 (水):日銀短観
12/15 (木):ECB理事会
12/15 (木):米11月小売売上高
12/15 (木):米11月鉱工業生産
12/15 (木):米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

2022年12月第4週
12/19 (月):日銀金融政策決定会合(~12/20 20日に黒田会見予定)
12/20 (火):米11月住宅着工件数
12/21 (水):米11月中古住宅販売件数
12/23 (金):米11月個人所得・個人支出・PCEデフレーター
12/23 (金):米11月新築住宅販売件数
12/23 (金):米11月耐久財受注 速報値

2022年12月第5週
12/26 (月):クリスマス 米休場
12/28 (水):配当・株主優待 権利付き最終日
12/30 (金):大納会

2023年1月第1週
01/02 (月):元日振替休日 日米休場
01/03 (火):日本休場
01/04 (水):11月JOLTS雇用動態調査
01/04 (水):米12月ISM製造業景気指数
01/04 (水):FOMC議事要旨公表
01/05 (木):米12月ADP雇用統計
01/06 (金):米12月ISM非製造業景気指数
01/06 (金):米12月雇用統計

2023年1月第2週 (SQ週)
01/09 (月):成人の日 日本休場
01/12 (木):米12月消費者物価指数
01/13 (金):米1月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値

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