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【医師、学生向け勉強メモ】頭皮損傷(頭部挫創)について

本日から、こういった勉強用のノートも作ってみます。

頭皮損傷は当直中など遭遇する頻度の高い外傷です。しばしば縫合処置が必要となります。研修医の先生は当直中の縫合で一番多く経験するのではないでしょうか。

頭皮の構造。
上から表皮、皮下組織、帽状腱膜、腱膜下組織、骨膜の順



表皮 skin
皮下組織 subcutaneous tissue   
帽状腱膜 galea aponeurotica
腱膜下組織subgaleal space with loose areolar tissue
頭蓋骨膜 pericranium


                              

頭皮の層構造


👉point
頭皮は5層構造である。
頭皮の動脈、静脈、リンパ管は皮下層の深い位置を走行=帽状腱膜の表層
腱膜下組織層では血腫や感染が伸展しやすい。

★閉鎖性損傷

直下の頭蓋構造物への損傷の可能性を示唆する。

★開放性損傷

鈍的外傷における挫創、鋭利な物体による切創、鋭的突起物による穿刺創など
相当量の失血を伴うこともある
頭髪、異物、凝血塊で汚染されやすい

★頭皮創の縫合

1 洗浄、2 観察、3 デブリドマン、4 止血、5 一次縫合
・洗浄の際、盲目的な操作はしてはいけない。
・出血している血管は指で圧迫止血、創縁からの動脈性出血はバイポーラー凝固止血か結紮止血
・主要な硬膜静脈洞直上の開放創は止血に難渋、感染の可能性など。十分注意する。
・縫合は可能であれば2層縫合(腱膜は吸収糸、創は非吸収糸)

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