見出し画像

7万年前の人類:生存の危機による脳の進化、衣服の誕生

約7万年前、人類は生存の危機を迎えていました。まさにそのときに人類の脳の進化、衣服の誕生という、2つの重要な出来事が起こったのでしょうか。


生存の危機:トバ・カタストロフ理論

約7万年前、人類は絶滅の危機に瀕していました。全世界の人類の数はわずか2000人ほどまで減少したと考えられています。

この事象は「トバ・カタストロフ理論」として知られています。この理論によれば、約7万年前にインドネシアのスマトラ島にあるトバ火山が大規模な噴火を起こし、それが地球全体の気候を大きく変え、人類の生存に大きな影響を与えたとされています。この噴火により、大量の火山灰が大気中に放出され、地球の気温は平均5℃も低下しました。この寒冷化はおよそ6000年間続きました。

人類の脳の進化

7万年前、人類の脳は「メンタル統合能力」を獲得しました。これは複数の単語やその関係を脳内で統合し、新しいものを頭の中で想像することを可能にする能力です。この能力は、現代の言語を理解し、複雑な思考を行うために必要とされています。

また、この能力の獲得は脳の前頭前野の発達を遅らせる突然変異によるものであるという説もあります。この突然変異により、人間の前頭前野は他の霊長類に比べて発達が遅く、約20代半ばから30歳くらいまで発達し続けるとされています。

このような脳の変化により、人類は洞窟壁画の制作や住居の建設といった「文化的躍進」を遂げるようになったと考えられています。

衣服の誕生とシラミの進化

人類が衣服を着るようになったのも約7万年前と推定されています。この推定は、シラミの進化の研究に基づいています。

具体的には、頭のシラミから派生した新種のシラミが約7万年前に登場しました。この新種のシラミは人間の身体で生きられるように進化しましたが、毛のない肌に卵を産むことはできませんでした。そのため、新シラミが卵を産むために必要としたのは衣服だったと考えられています。
このことから、人類が少なくとも7万年前から衣服を着るようになったと推察できます。この発見は、シラミのDNAの突然変異の数を調べることによって明らかになりました。

5万年まえの男性ホルモン低下?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?