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子供へのまなざし


新婚の友人から「妊娠したかもしれない・・」と
暗い声で電話があった。
話を聞くと多分2ヶ月目くらい。
近くの産婦人科にかかったら
「150ミリくらいに成長している時期だけど
50ミリくらいにしかなっていない」
「念のために大きな病院で見てください」と言われたとのこと。

本屋に行き、出産関係の本をかたっぱしから読み
つわりはないし体には本に書いてあるような変化も無いし
赤ちゃんは大丈夫なんだろうか。。。と
心配になってしまったらしい。

彼女の憂鬱は私も経験したから良く分かる
本を見ても一般的なことが書いてあるだけだし
お医者さんもよっぽどの事が無い限り
はっきりと診断はしてくれない
妊娠中は自分の体に起こる
得体の知れない不安と悩む日々であった。

話しは少し変わるけれど

本やネットを見れば出産や育児に関しての情報や
それなりの答えがあるので
1人で解決できて便利な時もあるのだけれど
情報をだけはたくさん入ってくるので
変な不安をあおられたりするのが
なんだかあまりよろしくない

私も我が子が一歳になる前くらいまでは
けっこう育児雑誌を見たり
ネットの子育てサイトを見たりして
あれやこれや考えたりしていたのだけれども
ある出来事があってからは
そんなに情報を気にしなくなった。

まあ、その頃から少しずつ育児に慣れてきたということも
あるかもしれないけれど。

ある出来事とは、、、

我が子が物につかまり立ちができるようになった頃
母と手押し車を買おうかどうか悩んでいた時

父が
「木の箱があればいいのにね。昔はそういうのを押していたよ」
「腰の高さくらいのダンボールの中に
何かおもりになるものを入れれば代用できるんじゃないか」


ああ、それもそうだ・・
それでいいんだよなーと

これは大いに参考になると思い
戦前生まれの父や祖母に
昔の子どもはどんな物を食べて
どんな生活をしていたのかを聞くと

大して物がなかったから
毎日同じようなものばかり食べていた
牛乳は飲まなかった
肉魚は殆ど食べなかった
果物は家のまわりで取れるものだけ食べた
テレビはなかった、、、とかとか

考え方はいろいろあって
もちろん正解はないけれど
それでもいいのかもなあーと思ったわけで。

おなじ頃、たまたま手に取った
『子供へのまなざし』/佐々木正美著で
昔の子育てに関する文章に
同じような事が書いてあってさらに納得でした。

ちなみに
この本は個人的にとてもオススメ
夫にもすすめたら私よりも先に読破したくらい

そんなことがあって以来、
不思議と子育て情報とか
あまり気にならなくなりました。
そして、買うではなく作るという発想もできる母に
なれたらいいな、と思いましたが
まあ、ぼちぼちとやっていくことにします。

話はそれちゃったけれど
友人の赤ちゃんが元気に生まれてくるといいなあ

(2005年4月)


2018年 追記

本の冒頭で

建物の基礎部分は
土の中に入っていて見えないけれど
あとから取り返しのきかない
大事な部分だと
見えている部分は、装飾したりお金をかけたりすれば
いくらでも取り替えがきく
乳幼児期は、建物の基礎部分のようなもの

というような事が書いてあり

なるほどなあ と
その部分が大好きで、
何度も何度も読みかえしたのを覚えています。

息子が14歳になった今でも
まだもうちょっと、基礎工事は残っているなーと思う時があるくらい
この考えを 大事にしています。

表紙の絵は 山脇百合子さん

たくさんの絵本の絵を描かれているので
たいてい誰でも一度は見た事があると思います。
私はその中でも『そらいろのたね』という絵本が
子供の頃、一番大好きでした。

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