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「赤い疑惑」とピエール・カルダン【#6_真打ち登場!_岸惠子】2020年03月

コロナの最初の年2020年、緊急事態宣言下。
暇つぶしに見た昭和ドラマ「赤い疑惑」の衣装提供が世界的に有名なフランスのピエール・カルダンだったことに興味をそそられ綴ったテキトーな鑑賞日記。

6回目(ラスト)の今日は、いよいよ真打ち登場。
そう。「パリのおばさま」こと、大島理恵役の岸惠子である。

岸惠子をご存知ない方は少ないだろうが、簡単に略歴を。

1932年横浜生まれ。
51年映画デビュー、54年『君の名は』のヒットで松竹の看板女優となる。
56年の日仏合作映画出演をきっかけに、翌年、映画監督イヴ・シャンピと結婚。
67年渡仏。以後、99年までパリで暮らす。
シャンピ氏とは75年に離婚。(奇しくも『赤い疑惑』の放送も同年。)

う〜む。30年以上もフランスに住んでおられたのか⋯とあらためて唸る。
あのエレガント&シックな所作及び雰囲気は一朝一夕には身につくものではない。
いや、30年もいればもう半分はフランス人みたいなものだ。(たぶん)

で、その半分フランス人みたいな岸惠子が登場すると、コテコテのお茶の間ドラマが、いきなりフランス映画のような空気感を醸す。
圧倒的な洋モノ的存在感は他の追従を許さぬ、唯一無二のものだ。
ピエール・カルダンの衣装も、こう言っちゃなんだが他の出演者にわざわざ着せる必要があったんだろうか?本来はこの人だけが着れば事足りたのではなかろうか?と思わせる、こなれ感ハンパない、100点満点の見事な着こなし。

さて、本作でのその役柄は、幸子(山口百恵)の父(宇津井健)の実妹・大島理恵。表向きは幸子の叔母だが、実は生みの親である。
17年前、悲しい恋の果てに幸子を出産。直後に娘と引き離され、パリに渡ることを余儀なくされるが、以後、必死の努力でパリの敏腕演出家の地位に上り詰めた…という設定。

そんなコテコテの設定でも決して嘘っぽく見えないのは、やはり彼女が実生活においても長きに渡りパリで生活した人で、その立ち居振る舞いやオーラが間違いなくパリ在住者のそれだからだろう。
劇中で話すフランス語も自然だ。

全29話にも渡るドラマそれはもうおびただしい数のカルダン・コスチュームを着ている。
全部を描き出したいところだが、さすがにそこまでの時間はなく、私が好きだと思ったものをチョイスして描いた。

フランスの服は微妙なニュアンスの色味がとても綺麗なのだが、手持ちのペンとマーカーと色鉛筆では充分に再現できておらず、それがとても残念。

大きく見せたかったが、noteのフォーマットが横長なため、こうなった。
それも残念。

ちなみにこのドラマの頃、岸惠子は43歳くらい。
どこもここも細く(お腹ぺったんこ!)、この世代の人にしては珍しい161㎝という長身とも相まって、本当にスラリと優雅で美しい。
日本の至宝である。
(なのに顔の描き方がぞんざいになってしまったのも残念。衣装メインってことで許されたし。)

● ● ●

「赤い疑惑」とピエール・カルダンについての記事も今回が最終話。

絵を描くため、「赤い疑惑」のDVD全7枚をTSUTAYA渋谷店でわざわざレンタルをしたのだが、1週間では全部見られずもう1週間延長。
それでもまだ足りず、更に1週延長して、トータル2700円くらい使ってしまった。(それでもDVDボックスを買うよりははるかに安く済んでいるが。)
ちなみに、延滞するんじゃなくて、返却日に店舗に出向き、ちゃんとした手続きを踏んでの延長。なんでそうまでして・・・と自分でも思うけれど、適当なところで切り上げられない融通のきかない性格なので仕方ない。
まぁ、どっかが配信してくれてたら一番良かったのだけど...。

関係ないけど、この時代の女性の髪型はやたらと盛り上がっている。
ヘアピースっていうのをつけていたんだと思う。
そういえばうちの母親も持っていた。Uの形をした細いピンで固定して、仕上げに大量なヘアスプレーをシューッとして安定させる。
(その行為がオゾン層破壊の一因だなんて当時の誰も知らなかったわけだが。)
話、めっちゃ脱線してるな。

さておき。

このドラマが放送されたのは1975~1976年。
テレビがお茶の間エンターテイメントのド真ん中に君臨していたよき時代。
TBSは当時「ドラマのTBS」と言われたほどで、名作・人気作を多数残している。

私の記憶に最初に出てくるテレビドラマは『ザ・ガードマン』。
当時私はまだ小さな子供だったので、テーマ音楽がなんだか怖かったくらいの記憶しかないが、ちょっと前にYouTubeで見たら、オープニング映像がオールヨーロッパロケだったりして、その贅沢な作りにビックリした。

その後、小学校に上がり、田舎で娯楽も少なかったせいか自然とテレビっ子になり、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』いわゆる久世ドラマの水曜枠、『キイハンター』『アイフル大作戦』『Gメン75』の土曜枠は毎回きっちりチェックしていた。木曜枠の『快刀乱麻』なども記憶に残っている。

唯一、チェックが甘かったのがこの金曜枠の赤いシリーズだったが、今回ひょんなきっかけから45年の歳月を経て『赤い疑惑』を見る機会を得たわけだから、人生何が起こるかわからない(というほど大層なことでもないか…笑。)
とりあえずはTSUTAYAのある時代に生きててよかった。
(って発言もかなり時代的にズレていることは自分でも分かっている。笑)

次回から、同じくコロナ禍のヒマつぶしに見た映画の感想日記を始める。
世界中の誰もが知ってる、あの映画だから、共感して頂けるかも。
どうぞ、お楽しみに。

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