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マインクラフトは大人を解放する自由な世界

去年、初めて『マイクラでつくる理想の街』というイベントに参加し、短期間で集中して建築を完成させる体験が非常に楽しかったため、今年もこのイベントに再び参加することにしました。このイベントはnoteクリエイターフェスティバル2023の企画セッションのひとつです。マインクラフト(Minecraft)は子供たちにも大人気のゲームで、世界で最も売れたインディーゲームとしてギネス世界記録にも認定されています。僕が関わっている発達障害の子供たちも、このマインクラフトで遊んでいる話をよく聞くし、会話をして盛り上がったりもしています。

さて、『ゲーム = 遊び and おもちゃ』だと考えている大人が多いですが、僕は大人こそマインクラフトで遊んでほしいと思っています。お子さんがいる家庭は、ぜひ親子でプレイすることをお勧めします。というのも、マインクラフトには自由な世界が広がっているからです。「自由とは何か?」と問われたら、あなたはどう答えますか?僕は「選択の自由」こそが真の自由だと考えます。子供の頃、「大人になれば好きなことが自由にできる。だから早く大人になりたい!」と、一度は思ったことがあるのではないでしょうか?でも、現実の世界は少し違うような気がしています。

たとえば、世間体を気にしたり、上司に意見できなかったり、その場の空気に流されたり、自分の気持と違う選択を迫られる場面があります。そして、いつしかそれが当たり前だと受け入れてしまっている。自分の気持に霧がかかり見失ってしまうかのように。そんな、忘れてしまった感覚をマインクラフトの世界が体験させてくれるのです。誰にも邪魔されない選択の自由を、一緒に取り戻しましょう!

なぜ大人は直ぐ口を挟むのか?

街を歩いている時など、親子の姿を見かける機会がありますよね。僕はよく子供に対する親の声かけに耳を傾けています。「趣味が悪いな~」と思われるかもしれませんが、僕にとっては重要なリサーチなのです。なぜかというと、学生時代が終わり一歩社会という世界に出ると、そこには答えのない複雑な世界が広がっているからです。今までは親や先生といった大人から答えを教わっていたのに、いきなり自分で答えを考えなければならない状況に放り出されてしまうのです。

さて、親子の声かけでよく見かけるのが、親が子供に対して頭ごなしに怒っている姿です。そして、子供が泣いたり、固まったり、しゃがみ込んだりしています。僕は「子供がかわいそうだな~」と思いながら、そんな光景を眺めています。でも、なぜ大人は一方的に子供を注意したり、叱ったりするのでしょうか?「大人の言うことを聞きなさい!」と言わんばかりに、自分が正しいと、なんの疑いを持たずに主張しています。また、直ぐに口を挟みますよね。「あれもダメ、これもダメ」といった感じです。一方的な教育という形で、自分の経験した世界だけを子供に伝えることが多いのですが、これでは子供の感情や経験を無視してしまいます。

マイクラから学ぶ親子関係

僕が教育版マインクラフトの体験会を開催したときも、同じように親が横から子供に口を挟む場面を見かけることがあります。子供が「わからないから教えて」と頼むのはいいですが、「違うよ、そうじゃない」といった口調で、親からダメ出しされて、つまらなそうにしたり、無視したりしている子供の姿を見ることもあります。

また、僕の職場でも似たようなことが日常的に起こっています。たとえば、「あれもダメ、これもダメ」と言って子供の行動を抑制したり、「ああしなさい、こうしなさい」と思い通りに操ろうとします。きっと、子供たちのことを思って、教育や怪我をしないように注意しているのだと思いますが、それを本人は善意で言っていると考えているところに厄介なポイントがあります。平たくいえば、相手にとってはありがた迷惑の場合もあるのです。

また、このような意見があります。マインクラフトで遊ぶサーバーを、子供(親子)用と大人用で分けるという話題でした。分ける理由は「子供には難しいから」というものです。大人はそうやって、子供たちの可能性と失敗から学ぶ機会という芽を詰んでいると、僕はそう感じています。

日本の教育に欠ける「自由」のレッスン

人間は自分が体験した世界の中でしか、物事の判断ができないというのが本質です。つまり、答えを暗記することが重視された、日本の教育に問題があると言えます。それは、すべての問題には明確な答えがあるという考え方です。しかし、実際の社会には答えのない問題が多く存在します。また、人によって価値観は異なるため、同じ問題に対しても答えは人それぞれです。最近、日本でも多様性がより認識されるようになりましたが、自分で考える力が重要であるということです。

たとえば、有名な話の「コップに水が半分しか入っていない」と考えるか、「コップにまだ半分も水がある」と考えるかで、その人がたどり着く答えは違ってくるでしょう。恋は盲目と似ているのか、人は自分が知っている答えが正しいと思いがちです。だから、間違っている人を見つけると、ついつい口を出したくなってしまうのです。

僕が子供時代にハマっていたファミコンも同じでした。大好きだったドラゴンクエストも、魔王を倒すという明確な冒険の目標がありました。ゲームの物語を進めるために、いろんなミッションをクリアして行かなければなりません。しかし、敷かれたレールの上を進むゲームと現実の社会は異なります。社会では、悪の根源を倒すような明確な答えはないのです。

だから「自由」を知らない大人が大勢いる

今のゲームは少しようすが違い、「オープンワールド」の世界観に人気があります。オープンワールドとは、ゲームの中で自由に動き回ったり、探検したり、遊んだりできる広い世界のことです。オープンワールドのゲームでは、プレイヤーは自分の好きなことをすることができます。

たとえば、敵と戦ったり、仲間と協力したり、車や飛行機に乗ったり、動物や植物を見たり、宝探しをしたり、などです。オープンワールドのゲームは、ストーリーや目的が決まっているゲームとは違って、自分で冒険を作り出すことで、想像力や創造力を発揮できる楽しいゲームです。

僕が初めてオープンワールドのゲームを体験したのはマインクラフトでした。始めはその自由な世界に戸惑い、「つまらないゲームだな」と感じていましたが、今では子供たちと共に夢中で遊んでいます。そう、自由な世界に放り込まれた時、僕は何をして良いのかが分からず、頭が真っ白になっていたのです。気付かないうちに、自分で選択をしないで、なんとなく社会に漂っている《普通》という生き方に流されていたんだと思います。

それから、僕は「選択できることが自由なんだ」と考えるようになりました。だから、子供たちとマインクラフトで遊んでいる時、子供たちが質問してくるまでは、僕はなるべく自分からは声をかけないようにしています。だって、子供たちの方が自由に生きることに長けているから。大人の関わりは、見守ってあげるだけで十分なのです。

大人こそマイクラの世界で自由を体験しよう!

僕もそうだったように、大人たちは自由に生きることが苦手です。たとえ「あなたにとって自由とは何か?」と聞いてみても、自分の言葉で答えられる大人は少ないでしょう。

そこで、僕は大人こそマイクラの世界で自由を体験してほしいと思っています。もし身近に子供がいれば、ぜひ一緒に遊んでもらいたいです。『童心に帰る』という言葉もありますが、マインクラフトの世界を通じて、自由に生きていた感覚を取り戻すことができるでしょう。難しいことは何もありません。やりたいことを自分で選択すればいいのです。

子供は怒ったり泣いたりして、感情のままに行動しますが、それは《今を生きる》ということです。一方で、大人は経験則で未来を想像したり、打算が働いてしまうものです。だから、今の感情や本当にやりたいことを、押し隠したりしがちです。それでは、自由な生き方からは遠ざかってしまいます。

僕は「自由とは自分で選択すること」と考えています。みなさんも、自由に満ちたマインクラフトの世界に飛び込んでみてください。

マイクラでつくる理想の街2023
広がる桜バイオーム
作った家の玄関前にて
内装にも桜を
崖をくり抜いて
お家を作りました
去年はコンビニを作りました(2022)
コンビニの内装(2022)
コンビニをモダン建築で(2022)

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