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改憲すれば自民党支配が終焉するという矛盾について

みんなは日本の政治を見ていてこう思ったことはないか。
自民党以外に選択肢はないのだろうか、と。

55年体制成立以降、保守政党である自民党が政権を握り続けている。そのため、日本においてジェンダーなどの理解はとても悪く、女性の政治家はほとんどいない。長く政権の座についた自民党と官僚、既得権益団体との結びつきは極めて強固であり、変化を拒む傾向にある。そして、デジタル社会へと変化する新たな流れに乗り遅れた。このまま徐々に衰退していく日本社会を坐して眺めるだけで良いのか。

それでも、自民党は選挙に勝利した。なぜ保守政党は、政権を握り続けられるのか。それは、憲法が革新的すぎるというところにある。

日本国憲法は、とても革新的な内容だ。特に軍隊を持たないという点は諸刃の剣である。国民はそれを理解している。この革新的な憲法がスタンダードであるからこそ、革新政党が政権を握ると左に寄りすぎるという問題が発生するのだ。民主党政権は、特に左派が実現できもしないことを議題に上げ続け、自爆した。

革新的な憲法に保守的な与党、この2つが日本を絶妙なバランスに導いた。平和憲法を歌うことで国外への自衛隊派遣を断り、軍事力増強を放棄して経済発展に突き進んだ。

自民党は自らが政権を握り続けるために憲法を甘んじて受け入れ、革新政党は改憲反対という理想論を続けることで自らを窮地に追いやっていると言えるだろう。

つまり、自民党の党是である、改憲を実際に実行した場合、 その後自民党が政権を取り続けられるかは不透明だということだ。

本当にそうだろうか。ここでは戦前の蓑田胸喜という人物を具体例にとって考えてみたい。彼は戦前の過激な右翼論者であり、東大の左派的な先生を不敬であると告発し続け、社会全体の右傾化に多大な貢献をした。しかし、社会が右傾化、つまり蓑田胸喜化した後に蓑田胸喜が活躍することはなかった。社会が右傾化すれば彼の考えは普通の考えであり、特段活躍できないからである。

自民党は蓑田胸喜にならないためにあえて改憲を本気で取り組もうとしていないのかもしれない。

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