見出し画像

私としまむら


ファッションセンターしまむら

むかしむかしのそのむかし。
実家に住んでいた頃、家の周りで服が買えるところはしまむらだけだった。

しまむらをご存知ない方のために、

https://www.shimamura.gr.jp/shimamura/

ファッションはその国の文化水準を表すものと言えますが、しまむらグループは、ファッションが身近に感じられる商品をお求めやすい価格で提供し、手軽にお買い物ができる店舗を全国に展開することで、生活文化の向上に貢献します。

しまむらグループHP 企業理念より

最近は著名なインスタグラマーさんやスタイリストさんとのおしゃれなコラボ商品がよく出ているが、
当時はコラボ等はなく、けれども、私はしまむらによく入り浸っていた。

(先日帰省した時、数年前に駅ビルができたはずなのに、
近所でお洋服が買える場所は駅ビルの無印とハニーズとパシオス、少し自転車を飛ばして国道沿いのユニクロ、
あとは車を1時間走らせるか電車に乗らないと服は買えない、という状況に気付き、
今も昔もあんまり変わってないんだな〜と少しびっくりした。)

しまむらにより打ち砕かれた女児性

突然ですが私はキャラクターものが好きです。
オーソドックスにディズニーやサンリオも好きだが、なんかよくわかんないキャラもの枠も、結構好き。

思えば子供の頃からこんなんだったのだけど、
当時からキャラクターものやかわいいもの、流行りの形のものはだいたいしまむらに行けば揃った。

ところがどっこい!
かわいらしいキャラクターものというのは大体子供服の展開がほとんど。
常に成長曲線の上限ギリギリもしくは突き抜け達成をしていた私にとって、
周りの友人に比べると子供服が着られなくなる時期が来るのは早かった。

成長により着られなくなったしまむらの子供服。
可愛い。着たい。着たいけどサイズがない。
かくなる上は、と母親と一緒に毎シーズン、スーパーでニッセンのカタログをもらってきては、大きなサイズのキャラもの子供服を注文した。
近所の洋裁屋さんのオーダーのお洋服にも大変お世話になった。

可愛い服が着たいけど、私にはサイズがなくて着られないんだな、という切ない気持ちは、
しまむらにより一部作り出された。

しまむらにより作り上げられた女性性

そんなこんなで身近に買える服がなく、さらには部活で忙しくほぼ毎日ジャージしか着ていない頃合いで、
中学校で「総合的な学習の時間」というものが始まった。

興味があるテーマを決め、グループごとに研究・発表するというもの。

経緯は忘れたが、自分のグループは世界の民族衣装を題材に取り上げることになった。
しかも発表があるので着てみなきゃということになり、
こともあろうかしまむらに、チャイナ服を見に行った。

なんでしまむらにあるんじゃ、って思うけど、なぜかあった。
そしてあの狭いブースで試着した。

当時好きな人から毎日のようにデブだのブタだのブスだの言われ、外見に全く自信が持てなかった私だったけど、
チャイナ服を着た私はちゃんと少しかわいくで、心底驚いたのを覚えている。
(確か当時インスタントカメラで写真も撮らせてもらった記憶、平成の中学生、自由。)

しばししまむらから離れていた自分にとっては
しまむらは可愛いけどサイズがなくて着られない子供服を売るお店ではなく、
リーズナブルな価格で大人の、かわいい服を売る、自由に試すことのできるお店になった。

それからと言うもの、部活の友達とたまにふらっと行っては当日流行りのギャルっぽいお洋服を着て楽しんでいた。

母としてのしまむら 〜しまむら、Love Forever〜

少し大人になり、電車で高校や大学に通うようになってからはしまむらから離れていた。
そんな時に、近所のしまむらが放火で燃えた。
しまむらは私の街からなくなってしまった。

再会は三十を超えてから。
出産でお腹が大きくなった時に、ハテ、と困った。
お腹が大きいのは期間限定なのに、服にお金かけたくない。
さらに西松屋やアカチャンホンポで売っているマタニティ服は小さい!!
その時、仲の良い友人が産後から子育て中にかけてしまむらを大変重宝していたのを思い出した。

街道から少し入ったところにしまむらがあるのは知っていた。
意を決して中へ。そしたら
あるわあるわ!私サイズ!!

さっそく590円のパンツと890円のカットソーと1490円の黒のブルゾンをニッコニコで買った。
喜び勇んで病院に着て行ったし、産まれてからも余裕で着た。
1490円のジャケットは赤井秀一スタイルと呼んでいた。
かっこよすぎたのか病院の女子トイレで男性に間違えられた(お腹、臨月でパンパンなんですけど!)。

そして更には産まれたあと。
しまむらは子供服がめちゃかわいい。
キャラものコラボものに目がないので定期的に行ってはチェックして買ってる。
保育園のママ友も発売日をチェックしてプリキュアのパジャマ買ってるからみんなそうなのだろう。

自問自答を始めてからはお洋服はなるべく買わないようにはしているけど、
冬の肌着やあったかインナーとかは大体しまむらで購入する。
行けばある、と言う安心感は計り知れない。

服も下着もジャージもスーツも冠婚葬祭服も寝具も
しまむらに行けば大体揃う。
かつリーズナブル、ついカゴにわさわさ入れちゃう。まじで危険!笑

また今後離れる時もあるかもしれないけど、
郷土愛も相まって、きっとこの先もたびたびお世話になる気がする。
これからもしまむらとともに。





この記事を書いている最中で、
しまむら創業者の島村恒俊さんの訃報に触れました。
あなたが築いたビジネスモデルで救われた人間がここに一人います。
謹んでお悔やみを申し上げます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?