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高視聴率を叩き出したドラマ「最愛」!その要因はなんだったのか?

2021年10 月からオンエアされた、吉高由里子主演のドラマ『最愛』(TBS系)。最終話の視聴率が10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好評だった。このドラマはミステリーとラブストーリーの掛け算でストーリーが展開していくのが見どころ。そしてもう一つ成功のの要因を挙げるとすると「漫画や小説など原作物でなく、オリジナルだった」ということではないかと思う。

漫画原作のヒットドラマが続いた

いつからか、ドラマは漫画原作が主流になってきているような気がします。
漫画が原作でヒットしたドラマというえば、古いところでは1998年7月オンエアされた稲森いずみ主演『ハッピーマニア』ではないでしょうか。
ほかにも「漫画より実写化の方が断然良かった!」と言われたのが、『のだめカンタービレ』。『花より団子』も漫画からドラマ化して、成功した作品の一つです。

脚本家でドラマを選ぶ時代があった

テレビの黎明期は倉本聰、向田邦子、山田太一などが活躍していました。
そして大御所が活躍するドラマは、子供から大人までみんな夢中になってみていた、昭和のお茶の間時代です。
大作家が活躍した昭和は、脚本家の名前でドラマを見る、見ないを多くの人が決めていたように思います。
最近まで「橋田寿賀子ドラマ」と「渡る世間は鬼ばかり」の前に書いてありましたが、橋田先生も亡くなり、こういうドラマの作り方はもしかすると最後なのかもしれませんね。

バブルの時代は、湯水のように使えた製作費

それから時が経ち「トレンディドラマ」のブームがやってきます。
このころは、羽振りのいいテレビ局も制作費を湯水のように使えて、石田純一ばりのプロューサーたちが、六本木を闊歩していた元気のいい時代です。
しかしドラマ離れとともに、製作費もだんだんに削減されていくテレビ局では、確実に視聴率のとれるものしか手を出さないという体制にいつしかなってしまいました。。
となると、どうしてもオリジナルのドラマを作ることは難しく、小説や漫画の原作に頼らざるを得なくなっていきます。

しかし漫画原作のドラマも、次第に飽きられてきて、ドラマの視聴率は下がる一方。
その割には製作費が高くコスパが良くないと、ドラマは衰退していきます。そしてその枠には、バラエティやクイズ番組が組み込まれきました。

そこから頭角を現すドラマ「最愛」

ドラマは無くなるのか? という危機の中、20221年10月から始まった『最愛』。
私は最近、連続ドラマはあまり見ないのですが、このキャッチーコピーと、謎めいた予告編に魅せられついチャンネルを合わせてしまいました。

ある事件に巻き込まれる、主人公の真田梨央(吉高由里子)。そこから犯人探しが始まるのですが、みんな怪しくもあり、みんな優しくて味方のような気もする。
そして梨央の初恋の人、宮崎大輝(松下洸平)が刑事という設定もいいのです。
登場人物にみんなドラマがあり、それが「最愛」と言う、愛の最上級のカタチで現れると悲劇が生まれる……。
観たあと悲しくて、涙が流れてしまう久しぶりのドラマでした。

このドラマの脚本家は、奥寺佐渡子、清水友佳子。
両名は活躍はしていますが、宮藤官九郎や三谷幸喜のようなネームバリューがあるわけではありません。
しかしこの女性二人の描くドラマは上質で、物語を丁寧に書いている。
だから見ている方も、引き込まれていきます。

恋愛と推理物の掛け算から生まれた「最愛」

最近ラブストーリーは設定に頼ったものが多く、サスペンスものはとっぴなシチュエーションの事件だけで展開するものが多い傾向にあるような感じがしていました。
たとえばラブストーリーと言えば、最近では社会現象にも「逃げるは恥だがためになる」以来、最初は恋愛感情のない男女が偽装恋愛の末にうまくいくようなストーリーが好まれます。
推理ものは「相棒」や、「科捜研の女」など、主役のキャラクターと、トリックに特化したものが多くの人に支持されている気がします。
『最愛』はどちらの要素も入れつつ、焼き直しではなく”掛け算”を行ったストーリー展開が、高視聴率になったのかもしれません。

世界に向けてドラマを作る時代がやってきた⁉

ドラマ離れが進んでいると言われ、最近はテレビドラマをテレビ局が制作しなくなりましたが、良質なドラマを作ることで新しいドラマファンが増えそうな気がします。

その証拠に、有料配信の「Netflix」や「Amazonprime」、「hulu」などではヒットドラマがどんどん生まれています。
『全裸監督』や、『浅草キッド』などはお金を払ってもみたいと思えるドラマだと私も思います。

テレビ局も消費するドラマではなく、海外にも売れる知的財産としてのコンテンツを作るという軌道修正をしていかないと、どんどん同じようなプログラムが増えてテレビ離れが進んでいきそうな気がします。
『イカゲーム』は日本の作品をモチーフにしたものだと言われているように、日本にはいいコンテンツがたくさんあります。

そこに気が付き、スポンサーや、主演俳優の顔色を窺って、物語をかえるような時代は終わりにしないとテレビドラマは消えてしまいます。
これからの時代は、世界の視聴者に向けてつくるドラマを配信する。
企業はそれを支援sる。そこにステータスが生まれれば、また面白いドラマがどんどん生まれてくるような気がします。



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