【ミスチル自分史】(8) REFLECTION
トップ画像は、miyu283さんからお借りしました。ありがとうございます!
2014年「足音〜Be Strong」と、2015年「REFLECTION」。プロデューサー小林武史氏から離れて、Mr.Childrenが新たな道を歩き始めた。そのニュースにとても驚いたことを覚えている。Mr.Childrenと小林武史氏のペアは、「不可分な二人三脚」というイメージが強く、にわかには信じられなかったからだ。
一方で、「これから新しいステージにシフトするんだ」というワクワクした予感みたいなものもあった。その期待を見事に証明してみせたのが、「足音」と「REFLECTION」だった。これらの曲を聴いて、「この人たちはまだ歩いていくつもりだ」と納得した。
そのことはまた、私自身の人生やキャリアに遠からず影響を与えたのかもしれない。
「未完」の歌詞とメロディーは、新橋駅の地下通路を歩き、会社へと向かう自分の姿を思い起こす。勤めていた会社を辞めようかどうかと迷っていた時期だった。出口を探して飛び回っている鳥は、自分のことなのかもしれない。いま着ているスーツはユニフォームで、それを脱ぎ捨てて「自由!自由!自由!」と心の叫ぶ声が聞こえてくるような気がする。それは幻聴なのか、本音なのか。社会人10年目の自分がいる。
会社からの帰り道。武蔵小杉駅の長いホームを歩く。そこには「幻聴」のメロディーがある。幻聴が、遠くから聞こえる。向こうで自分を手招くものは何だろう。
時間が経ってから振り返り、点と点をただ繋いでいるような気もするけれど、あれは転機になっていたのだろう。「REFLECTION」から2年後の2017年、私は会社を辞めて、新しい未知の道へと歩き始めた。進化するために。足音を踏み鳴らして。何かが終わり、また何かが始まる。