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結論から言うと、FUJIFILM X-T3を買ってしまいました!

結果から先に言ってしまいますが、熟考の上、FUJIFILM X-T3と購入してしまいました。
多くのムービーカメラマンは、仕事の場合はレンタルに頼るわけですが、今までロケハンやちょっとした撮影には自分の手持ちのSONY α7Sを使っていました。そう、実を言うとかなりの4Kコンテンツを撮影してきてるというのに自前の機材は全く4K化出来ていなかったのです。そして、やっと4年ぶりに新しいカメラを購入し4K60pカメラを所有するに至りました!

今回のnoteはかなりマニアックな話が多くなってしまうのでお好みでない人は飛ばし読みで問題無いです。

ちなみにα7S購入直後にα7SⅡのデモ映像の撮影の依頼が来て、Ⅱが出るのをもうちょっと早く知っていればα7S買うの待ったのにと後悔しながら撮影したデモ映像が下のリンク。監督は大橋洋生さん。ブラウザがGoogle Chromeなら4Kで見ることが出来ます。
我ながら綺麗なんだよなぁ〜。α7SⅡも良いカメラなんです。そして今回、α7SⅢが出るまで待つという選択肢もあったのですが、待ち切れずにX-T3を選んでしまいました。フルサイズの4K60pはPanasonicのS1というのも出たのですが、やはりラージセンサーで4K60pは技術的に難易度高いようですね。SONYでもデジタルシネカメラ最高機種のVENICEでやっと実現してるレベルですからね。

X-T3にした決定的な理由は、4Kで60pが撮れるカメラが必要だったというのが大きいです。しかも実売価格20万円以下というのは決定打でしょうね。他にもPanasonicのGH5、BlackMagicDesignのPocket Cinema Camera 4Kなどが候補だったのですがイメージセンサーがAPS-CなのはX-T3だけだったのです。(実際には4K60p撮影時には1.18倍にクロップされてしまうため少し小さくなるのですが、それでもマイクロフォーサーズよりはサイズが大きい。)このAPS-Cというサイズはスーパー35mmサイズと言われているように映画のフォーマットに近いのです。自分もフィルムを使用しての撮影が長かったので、レンズの感覚も分かりやすいというのも要因ですね。

ちょっと前ならここまで熟考することなく買っちゃってた自分ですが、結婚して子供出来たりすると懐事情もかなり厳しく、早合点な買い物は出来ないのです。そんな時にFUJIFILMの無料レンタルサービスは助かります。当日返却なら無料でボディとレンズ二本まで借りられるというサービス(ちなみに予約は出来ないのでお昼すぎぐらいに行くと目当ての商品が無いことも)X-T3とレンズは16-55 f2.8、18-135 f3.5-5.6を試しに借りてみました。

最近のカメラはどれも洗練されていて、限界近い所まで使い込まないとウィークポイントは掴めないもので、半日、手にしたところで分かるのはフィーリングくらいでしょうね。ただ、X-T3は手にした感触が好感度高かったのです。操作系のクラシカルさ、シャタースピードと感度設定がダイヤル式だというのは50代オジさんのメカ心をくすぐります。かと言ってフィルム時代のカメラのようなダイヤルでは0.3段刻みのシャッタースピードや細かい感度設定を制御できるわけではなく、より詳細な設定はさりげなく配置してあるコマンドダイヤルを使うことになります。(例えば、ムービー撮影において肝心な1/100秒にしたい場合はシャッタースピードダイヤルを125か60にしておいて、コマンドダイヤルで100に設定するという流れに)それにメーカーにとっては物理スイッチは一番故障の原因になるので嫌われがちなのに、敢えてこのデザインに固執するところに気概を感じます。
純正レンズに関してもマウント接合部近くに絞りリングを備えてる所もクラシカルな操作感を大事にしてるんだなと感じさせます。

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それとFUJIFILMならでは遺産を継承するフィルムシミュレーションも楽しいです。PROVIA、Velvia、ASTIA、ACROSなど写真用フィルムに加えてETERNAという映画用フィルムのトーンカーブも用意されてます。

レンズに関しては16-55 f2.8は仕事にも使う気満々のフルサイズカメラでいうところの24-70 f2.8に当たりますね。18-135 f3.5-5.6は広角から望遠までカバーするロケハンレンズですね。こちらは下見の時などに持ってゆき、それで判断したレンズ域をレンタルなどで単玉やズームで揃えるという万能レンズ。
結局、ボディ購入と同時にCommliteのCanonEFからFUJI-XへのレンズマウントアダプターCM-EF-FXと16-55 f2.8を手に入れました。とりあえずはロケハン用カメラというより実戦に投入できるレンズ選びにしました。

そういう時にタイミング良くそれに適した仕事が舞い込んで来るもので、明後日、全く予算無いんだけど、アーティストとダンサーを南房総でMV撮るんだけど来てくれないか?という話がきて、そこで実戦投入する事に。
HDと4K(UHD)で60pメインで所々HD120pも交えつつF-logでH.246収録で撮影。そこで分かったのはF-logの使いやすさですね。基本、太陽を背景に逆光で撮影したのですが、レフなどを入れなくてもうっすらフェイストーンは残っているし、太陽の周辺も飛び切らずディテールは残っていました。
今回はアーティト本人のディレクションで作成されているので、きれいな夕日だなぁ〜と思って撮影してた素材を編集時に夜に見えるようにしたいという案も出て、急遽、Day for Night(擬似夜景)に。そういった無理目の要求にも耐えうる情報量を残してくれています。FUJIのサイトでF-logからETERNAへの変換lutも用意されているので、それをベースにResolveでカラーグレーディングしましたが、かなり大胆にいじってもマッハバンドや圧縮ノイズが出る事はありませんでした。

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そして今回は照明も無し、助手もいない状況だったので純正レンズを使う時はオートフォーカスを何度か使いました。写真の世界ではオールドレンズでも使わない限り殆どAF頼りだと思います。しかし、ムービーでは全くと言っていいほどAFを使う事は無いので抵抗感はありましたが、あとで大画面4KTVで確認しても、かなりセンスのあるフォーカス送りをしてくれていました。
それというのもAFスピードの設定以外に被写体保持特性や速度変化特性、ゾーンエリア特性などそれぞれ設定出来ることで、より人間味あるフォーカス送りを実現しています。(これって最近のカメラはみんなできるの?)それと顔認識、瞳AFなども併用することで不規則に動き回る被写体にも対応してくれそうです。

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バッテリーの消費は速くなりますがパフォーマンスをノーマルからブーストにする事で通常毎秒60サイクルのAF認識が100サイクルにすることができ、AFの性能もグッと上がるように感じます。
もともとミラーレスカメラはRonin-Sクラスのジンバルに載せられるというのが利点なので、オートフォーカス(コンテュニティAF)がこれだけ使えると助かる事多いのです。

富士フィルムのサイトでは「Xシネマ」と銘打ってX-T3をデジタルシネカメラとして認識してもらいたいという意向があるようですが、軽量コンパクトなシネズーム、MKXシリーズ(1本の価格がボディの3倍くらいするのですがズームシネレンズとしては格安!)との組み合わせは最小シネスタイルを実現できるのでは?という希望が見えてきます。

ここまでベタ褒めしつつも、改善して欲しい部分もいくつかあります。F-logで撮影しながらも映像はETERNAで見たい。という事が往々にしてあります、そんな時本体のモニターはF-log表示(収録)、HDMI出力はETERNAというのも選べますが4K60pでは出来なかったりと何かと不便なんです。カメラ内lutとか当てられると助かるのですが、、、
あと画質劣化のない全画素読み出しズームを入れて欲しかった。センサーは6kの性能があるわけなんで、HDの時などセンタークロップで撮影出来ると55mmが150mm相当まで寄れるので、いざという時助かったり、マウントアダプターで16mm用Cマウントレンズやマイクロフォーサーズのレンズも使えるという強みにもなる。
それとSONYαシリーズなどにあるカメラ内アプリでタイムラプスや長時間露光のサポートがあるようなものも出ると良いが、これはFUJIFILMのカメラシェア率を考えると酷かもしれない。

とりあえず今のところはそんな感じですが、これから撮影を重ねることで色々見えてくると思うので順次発表していきますね。

あと、Small Rigのゲージはカメラと一緒に揃えました。一番壊れやすいHDMIの端子を固められることとモニターを付ける受けネジが切ってあるのが良いですね。
まあグリップも大きくなるし、1万円くらいの投資で見た目が仕事仕様になるのも良いしね。

X-T3で撮影したMVに関して発表できるようになったらまたあとで詳しく書くのでまた後日!


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