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読んだら気分が悪くなる。刑事のリアルな死体現場note集

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刑事課の時の死体現場のリアル話。 刑事の死体現場とはどんなものか、死体現場での刑事たちの本音とは ドラマや小説のようなファンタジーは一切なし。リアルをそのまま書いたもの。 一般の…
最初のnoteにタイトル一覧を載せてあります。 1、記念すべき1体目は飛び散った肉片 2、死体なの…
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記事一覧

17,奇妙な場所で奇妙な物を抱きかかえて自殺していた女性。その理由を知った時、自殺に慣れている刑事課員でさえ涙する者がいた

50代半ばの女性の自殺だった この女性、自殺していた場所が奇妙な場所だった なんでこんなところに無理やり車で入って来たのか 何体もの自殺現場に行く刑事課員でも、こんな奇妙な場所は初めてだった しかし、その理由はあまりにも悲しい理由だった その理由を知った時、私も含めて数人の刑事課員が涙を流した この人がどれほど悲しくて苦しい日々を送って来たのか、自殺する直前の1ヶ月を想像すると、どうか今は天国で一緒にいてほしい、と思った 第17話は今でも忘れられない本当に本当に

16,深夜に死体と二人きりで林道をドライブ、その時の刑事課員の本音

今回は、死体と二人きりで深夜にドライブデートした時の心情を、ウソ偽りなく、カッコ悪くても本当の本音を打ち明けたい。 その変死体の現場作業が終わったのは、深夜1時ころ 一人暮らしの高齢女性の孤独死でした 死体は長い白髪がぐちゃぐちゃだった 現場作業中、別の事案が発生してしまった そこそこ大きめの事案だった 現場にいた刑事課員がそちらに向かわなくていけなくなった あと少しで終わるということもあり、私ともう一人だけ残ることになった 二人で現場を終え、死体を署に搬送するた

15、解剖(後編) 刑事課員になり始めての解剖は衝撃だらけ。なぜ終わった時には顔がびしょ濡れだったのか

⇩前回の記事⇩の続き 今回は私が実際に従事した解剖の現場で見てきたことや耐えたことなどを紹介していきます。 本題に入る前に、解剖を執刀する医師の視点がわかる書籍があります⇩ 私は警察官辞めてから読んだのですが、辞める前にこれを読んでおきたかった。 死体からどれだけのことがわかるのかが、医師の専門的な視点から書かれてます 警察官になる人にもぜひ読んで欲しい一冊です。 では私の初めての解剖の時の経験です 初めての解剖が決定した前日私が初めて解剖に行くことになったのは、刑

15、解剖(前編)そこで刑事が見るもの、聞く音、感じる匂いとは

↓誰でも一度は目にしたことあるこういう報道 殺人や傷害致死、死亡ひき逃げなど、事件性のある死体が発見されると、警察は被害者を解剖によって調べます 報道ではたったの一文で終わってしまうこの「解剖」 しかし実際警察の現場では、ものすごい時間と労力が費やされる仕事です 解剖を一体やるともうヘトヘトです この解剖の現場で刑事課員たちは何をして、どんなことを思っているのか、それを明らかにしていきます これはかなり長くなりそうなので、前編と後編で分けます 前編は解剖の一般的

14,車内焼身自殺。丸焼けの焼死体を抱きしめた時の感触はどんなものだったか

私たちが現場に着いた時は、消防がまだ全力の放水をしていた 車から立ち上る火柱、時折バチっバチっと何かが弾ける音もしている そしてその中で人が死んでいた ようやく鎮火されると、私たち刑事課員はやりたくないがやらなくてはいけないことが始まる 車外からでもよく見えた 車内の後部座席に人間の形をした真っ黒な塊が そしてこれを車外に出す役目を仰せつかってしまった 現場は自宅前の草むら「車が燃えている」 早朝の110番通報から始まった 現場周辺は家屋が点在する水田や農村

13,プロフェッショナル。焼き尽くされた焼死体に見せた鑑識のプロ意識

その焼死体は人間の原型すら留めていない炭の塊だった 人間よりも何層にも重なったパイ生地の方が近い 検視室に置かれたその炭に刑事課員の誰もが見向きもせず戻っっていった しかしたった一人そこに残って座り込んで何かを始めた人がいた 私はそれを見て衝撃を受けた 「これがプロ意識か」と学んだ 事件は「火災発生」の110番から始まった 建物は全焼し倒壊していた その焼け跡から焼死体が出てしまった 事件性が強く疑われたため、本部の鑑識が10人応援に来た 県内屈指の鑑識のスペシャ

12,深夜の検視室で死体と二人きりで手を握り合う。その日以降ウソをつき続けたことを白状します

刑事課鑑識の時、上司の警部補にウソをつき続けていました。 そのことを白状します 読んでくれた人は、このウソは悪質だと思うでしょうか、許されるウソだと思うでしょうか ジャッジお願いします 以下本編部分の目次 ・死後硬直とは何か ・死体の身元特定のために鑑識がすること ・死後硬直があると指紋が取れない ・深夜に薄暗い検視室で死体と二人きりで手を繋いでいたら ・死後硬直した死体によって硬直させられた自分。一目散に検視室から逃げ出した ・これ以降ウソを重ねる日々が始ま

11,傷害致死。壁に飛び散った血痕のDNA鑑定の結果は・・

今回は事件性のある死体 傷害致死事件 この事件はいろいろ驚いたことがたくさんあった その中でも教訓になったことがある それはどんな犯罪者や素行不良者の言うことであっても、先入観を持って決めつけてはいけないということ それを学んだ死体だった 「60歳前後の女性が布団の上で死んでいる」 110番入電 それは60歳前後の女性が古いアパートの一室の布団の上で死亡していたところから始まった 発見者は同居人の男性。 同じく60歳前後。アパートの名義人はこの男 白髪頭でながい

10,元旦の初死の出(はつしので)

元旦の日の当直勤務 まさか元旦から変死体は発生しないだろう そう思っていた しかし刑事課の現実はそんなに甘くなかった むしろ元旦には変死体が発見される「あるパターン」があったのだ 今回は世間が幸せな時間に包まれる年末年始でも勤務しなくてはならない刑事課員のお話 いつにもまして行き気の起きない出勤 その年は元旦に当直だった もうそれだけでこの仕事がイヤになったものだ 元旦の寒い朝 警察署へ出勤する電車内 世間はみんな楽しいお休みなんだと実感する 電車に乗って

9,「お気の毒に」と思っていたら・・数少ない10代若者の遺体

前回は死体になってから刑事課員に反感を買った死者の話でした 今回は、刑事課員たちが 「かわいそうに、お気の毒に・・」 と思っていたのに、気持ちが一変した死者の話 それは救急搬送を受け入れている病院で起こった 救急処置室というのは刑事課員はよく行く場所だ なぜならそこで死亡が確認されることが多いから 搬送されてきた人がそこで死亡が確認されると、医師から警察に通報が入る この時もそのケースだった 何度も行ったことのある病院の緊急処置室で私たちは検視をしていた この日

8、なぜ川を渡った?「渡るのは三途の川だけにしろ!」と現場の捜査員一同がキレた理由とは

季節は10月だった 夏の暑さもすっかりなくなり、一年でもっとも過ごしやすい季節が来た頃 長い夜勤がやっとあと数時間で終わるという早朝の6時前だった 110番通報「川岸で首をつっている死体のようなものがある、という目撃者からの通報」 この死体、途中まではいつも通りの捜査だった。 しかしあることがわかった瞬間、そこにいた刑事課員の誰もが「向こう岸でやれよ!なぜ川を渡った!?」と、死者に向かって激怒することになった 現場は市街地にある小さな川通報があった現場は、町中にある小

7,忘れてくても忘れられない。壮絶死体現場ダントツNo1(後編)。頭頂部に謎の無数の穴

前回までの記事はこちら↓ ゴキブリ沼の居間を抜けて、いよいよ寝室の死体と対面へ 焼死体に見えたその理由 暗い寝室に入ると、床には布団が敷いてあって、その上に・・・ すさまじい死体がいた 最初に見た時は焼死体かと思った なぜならその死体は 真っ黒だった あまりにも真っ黒だった 人間の形をした真っ黒い塊が、暗い部屋の中で大きな存在感を示していた 死者は60歳くらいの女性 体格はデブ  死体は服を着ていなかった 暑くて裸で過ごしていたのか 確かにこの部屋は

7,忘れてくても忘れられない。壮絶死体現場ダントツNo1(前編)。動く黒い床の正体

今回はダントツでもっとも凄まじかった死体現場。 あれはすごかった ここに人間が生きていたとは思えないすさまじい現場だった さらに現場だけでなく死体の状況もすごかった 今回はかなりの長文です 記憶の限り書き殴っていたらかなりの長文になってしまった そのため前編と後編の2回に分けることにしました 前編が現場の状況、後編が死体の状況 あの時のおぞましい記憶を思い出して、自分があの現場で感じた恐怖や気持ち悪さをそのまま書いていく。 時期は8月の真夏 現場はかなり古

6、一家全焼火災の焼死体と怪奇電話

刑事課で死体ばかりを扱ってると、 怪奇現象? のような体験はやはり起きる 今回はその中のひとつ、3人が焼死体で見つかった一家全焼火災の時のこと その火災から1ヶ月後にかかってきた謎の119番通報のこと 燃え盛る火炎と空に登る黒煙 始まりは「火災発生」の110番。 日曜日の午後2時頃、天気は快晴 民家が点在する田園地帯にある古い民家から、ものすごい火の手が上がっているという通報 私たち刑事課員が現場に着くと、すでに消防車両が10台近く到着していて全力で放水を行っていた