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大学がはじまる。

昨日は新学期の最初の講義の日だったのですが、久しぶりに対面で学生たちとゼミをしました。ひとつは、1年生向けのプレゼミ(導入ゼミ)、もうひとつは、2年生からのゼミ(演習)。

1年生にとっては大学の講義としては2日目だということであり、また、コロナ禍を乗り越えてきた2年生以上のゼミ生たちにとっても久々に一堂に会する機会を得て、僕としてもなにか思いが溢れるものがありました。

だから、大学で学ぶことの面白さとか、それが一体なんの意味があるのか、ということについて知ってほしいと語りかけました。

小さなことでも「なんでだろう」と興味を持つこと、興味を持つ自分に気がつくこと。そうすると、この世界の全てが驚きと発見の塊であることに私達は目が開かれます。

怒りを感じること、怒りを感じている自分に気がつくこと。この世界の理不尽さや、人間の過ちを知ること。それを通じて、私達はもっと良い世界を作ることを託された存在だと知ります。

そして、それらの萌芽を放っておかずに探求すること。

それが研究することであり、大学を通じて、誰もが研究者として生きることになるのだと伝えたかったのです。

研究者として生きるとは、別に学問体系に則ったものだけを指すのではありません。学問体系もその助けになりますから、せっかくなら学んでいって欲しい。でも、そのためにも、自分の興味や課題について自ら気がつく、大切にする。そして、それらの事柄を不思議だと、色々とあれこれの角度から眺めて見る。そうすることでそれまでとは違った独自の発見を諦めないこと、それを通じて豊かな人生を生きる術を身につけることが研究することだと私は思うのです。

学生たちにとってこの1年間を通じて、これからの人生が豊かなものとなることを願わずにいられません。

私も本来の意味での研究者として、彼らと豊かな時間を過ごしたいと思うのです。

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