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中村哲さんの死から1年を経て。

2019年12月4日に心から尊敬する中村哲さんがアフガニスタンで銃撃され命を落とされてから、1年が経過しました。
かつて、西南学院大学の教員であった頃、私は中村哲さんと幸運にも1時間以上じっくりと話をする機会がありました。


世界には、中村哲さんや、マーティン・ルーサー・キング牧師、マハトマ・ガンジー師のように、自分と同じ人間とはとても思えないような偉大な働きを世界になさる方がいます。
僕はそのことがどうしても不思議でならなかったので、今のような活動をされるに至ったのはどうしてなのか、率直にお聞きしました。


その時、中村さんが教えてくれたのはこんなことでした。
「自分は蝶が好きなんですけれど、たまたまあっちの方に医療支援に行かないかと言われて、蝶の原種がヒマラヤにいるから、という興味で行ったんですよ。
そうしたら、色々なものを目にして、そこから。
神様は人使いが荒いですよね。はっはっは。」

偉大な人は、最初から偉大なことをしようと思っていたわけでも、偉大だったわけでもないのだと教えてもらった気がします。
自分は彼らのような偉大な人たちに比べることすらまったく失礼なほど、本当に小さい存在でしかありません。でも、もしかしたら、比べる必要もないのかも知れない。
そうではなくて、自分の目の前で感じる課題に向き合い、一つずつ取り組むこと、その歩みはなんとも自分が感じる課題に比べたら小さくもどかしく思えても、それでも歩みを続けることが大切なのではないか、そんな風に思いました。

だから、焦らず、ひとつひとつのことに向き合い、歩むことが大切なのだと、この1年考えるようになりました。

少しでも中村さんたちのなさった活動を支援したいと思い、ペシャワール会に入会し、会報が定期的に家に届きます。
会報を読むと、このコロナ禍でも、一歩一歩、困難に向き合ってへこたれずに歩まれる人々を知り、とても勇気づけられました。

私もそのようでありたいと思います。


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