投稿サイトからの連絡メール、嬉しい? 不安? それとも両方?
受賞連絡メールがやってきた!
ある日、あなたがなにげなくメールチェックをしていたら、「おめでとうございます。あなたの作品が入賞しました」というメールが届いていたらどうしますか?
差出人は、心当たりのある投稿サイトの運営チーム。
やったー! と心の中でガッツポーズ。
心を躍らせながらメールを開きます。
やった、やった、最近忙しかったけど、頑張って書き続けてきてよかったー! やっぱり努力は報われるものなんだなあ……。
なんて、ひとしきり感慨にふけったあと、落ち着いてメールの内容を確認します。
……で、なになに、手続きのために本名と住所、電話番号をメールで送るの?
賞金振込のために銀行口座の番号と名義人も?
え、税金のなんかのためにマイナンバーもいるの? わかった、すぐに返信メール送りますね!
めんどくさいクリエイターだと思われたくないあなたは、速攻で返信を送ります。
で、その受賞メールが本物だという証拠はありますか?
ハッキングへの不安
不穏な導入で申し訳ありません。
今、現在進行形で大手出版社がハッカーから攻撃を受けています。少し前に、そこが運営している投稿サイト以外の投稿サイトもトラブルを起こしてサーバーダウンしていました(これが全てハッカーによる攻撃なのかはわかりません)
私は、投稿サイトのいち利用者で、ネットセキュリティーの専門家ではありません。その立場で、今不安に思っていることを率直に書いていきます。
私のメールボックスには日々、さまざまな迷惑メール、詐欺メールが届きます。
よく目にする代表的な詐欺メールとして、こういったものがあります。
「〇〇の料金を滞納しています」
「〇〇の決済方法にトラブルがあり、追加の情報が必要です」
「〇〇に不正アクセスがありました。こちらから確認してください」
こういう詐欺メールへの基本的な対応は
1、あわててメールに添付されたリンクを踏まない。
2、公式のサイト(もしくは管理用アプリ)にアクセスして、ログインし、該当のトラブルが本当に起きているのか確認する。
などが推奨されていると思います。
で、冒頭の受賞連絡メールに戻ります。
これ、個人情報入力して送っても大丈夫ですか?
大丈夫、と思える根拠がありますか?
何度も不安にしてすみません。かさねがさねお詫びします。実際に被害にあった、という話は私はきいたことがありません。だから、これは私のただの妄想。心配症がすぎるぜ、という話なのですが……。
クリエイターは自衛できる?
小説等の文筆活動、漫画、イラストのクリエイターの中には、名刺や同人誌にペンネーム(アカウント名)とメールアドレスを印刷し、投稿サイト名も添えて、イベントや交流会で配っている人もいるでしょう。
応募作品を非公開にしていないかぎり、その人の作品タイトル、応募中の賞なども簡単に調べられるでしょう。
仮に、投稿サイトからメールアドレスが流出してる危険性がないとしても、悪意のある人がいたら、こんないたずらメールを送りつけることなんてたやすいことだという気がします。
(ここでサスペンスっぽく妄想をふくらませると、『あなたの担当者と事前に打ち合わせをしましょう』などと言って、社外の場所へ相手を呼び出すこともできるかもしれません。相手がメールだけで簡単に信用してくれれば、ですが)
しかも、受賞については公式サイトでの発表まで箝口令がしかれます。(受賞してることを他の人に言わないでね、と念を押されます)詳しそうな誰かに相談する、という選択肢がありません。
だから、たとえ本物のメールだったとしても公式からの発表があるまでは、受賞者は心のどこかで(あれは本物だったのかな? ひょっとしてヤバいメールだったんじゃないのか……)という疑念と不安が胸にうずまくことになります。
とあるサイトでは過去に、受賞連絡メールにリンクが貼ってあり、入力フォームがあって、そこで個人情報を入力するようになっていました。こういうのも、今だったらちょっと躊躇してしまいそうです。
知識のある人であれば、詐欺かどうか、安全性を判断できるのかもしれません。でも、専門性のない一般人はやっぱり不安になります。
ではどうすればいいのか
そこで提案なのですが、投稿サイトのマイページで「運営からメールを送っています」という通知を受け取れるようにできないでしょうか。(すでになっているサイトがあったらごめんなさい)
詐欺対策として「添付リンクを踏まずに公式のサイトにアクセスして確認すること」が推奨されているのですから、サイトのほうに「あなたにメール送ってますよ」という通知があれば安心できるのではないかと思うのです。
このマイページ通知を、普段利用している投稿サイトさんに、要望として送ってみたいと考えています。
一方で、おかしな提案なのかな? 私が考えすぎなのかな? という迷いも抱えています。
メールだけのやりとりを素直に信用できる時代は、すでに過去になってしまったのかもしれません。
おまけ
最近、NOVEL DAYS(講談社が母体の投稿サイト)で、三つのお題に沿って二千字ほどの短編をつくるというイベントで、優秀賞をいただきました。(被疑者M名義)
このイベントの公式発表が延期になり、メールでの連絡から一カ月近く待つことになりました。
発表延期については、公式にアナウンスもあり、誠意のある対応をしていただいたと受けとめております。
しかしそれでも、待つあいだにだんだん不安になってきてしまったので、自分の不安の原因と解決法について考えていました。
文中にある「入力フォームがあった」は、数年前のことで、NOVELDAYSさんとは別のサイトの話です。また、受賞や書籍化オファーの連絡時にマイナンバーの提出を求められたことは、私は一度もありません。シナリオの外注ライターをしていたときは、年に1回求められていました。ご参考までに。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!