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民族衣装・民族衣装風衣装を描きたい方へ向けた資料本まとめ・1


資料があると便利


民族衣装や、民族衣装をベースにした衣装を描きたい。
そんなことが人生では多々あろうかと思います。
ですが、どんな資料を見たらいいのかわからない。
そんなことも人生で多々あろうと思います。
なので微力ながら、「私が自分で購入して、いいと思った民族衣装の本」の一部を紹介します。

購入した本全部ではなくて、「いいと思った本」縛りにしたので、まぁすぐ終わるかな、と書き始めたらまったくびっくりするくらい終わらなかったので、別の機会に他の本は紹介したいと思います。
ちなみに本の紹介順はおすすめ度合とまったく関係がありません。

高額な資料は欲しくても手が届かないため、新刊購入ができる・もしくは中古でも入手しやすい書籍を優先していますが、もし、「私はこの本がおすすめなのに載っていない!」などがあれば、こっそり教えていただけるとうれしいです。 

新刊購入できる書籍に関しては、可能な限り出版社公式ページを貼付しておきます。
探せなかった場合は版元ドットコムや全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況確認サイトのカーリルのページを貼付します。
公式ページでは中身を少し確認できる場合もありますので、お求めになる際は、見て確認することを推奨しますが、富豪の方はぜひそのまま購入してください。
サラっと絶版の本が多いので、買えるときに買ってしまうのも手です。

タイトル
編著 (記載なしの場合もあり)
出版社
新品での金額 (古書のみの場合は-円としています)
の順に、見出しの下に記載しますので、参考にしていただけると幸いです。


◆おすすめ資料◆

世界の民族衣装図鑑

世界の民族衣装図鑑
文化学園服飾博物館
ラトルズ
3,278円

・新品で購入できる
・写真メイン
・一部地域に集中していない
という条件でどれか一冊選ぶなら、これが個人的におすすめです。
たぶんそもそも「民族衣装 本」などで検索すると、トップに出てくる本がこれかと思います。
かなりたくさんの地域の衣装を見ることができるので、持っておくと便利かも。

写真が非常に豊富かつ、大部分のページで衣装のみの写真を無地背景に掲載しているため、非常に見やすく、地域・衣装の説明もわかりやすい。
その衣装の年代も併記され、かつ男女ともに掲載があり、一枚布は巻き方の簡易的なイラストもあります。
冒頭の方には、その民族衣装の機能や形態についての記載があり、民族衣装を自分なりにアレンジして描く際に便利そうです。


100年前の写真で見る 世界の民族衣装

100年前の写真で見る 世界の民族衣装
ナショナルジオグラフィック編
ナショナルジオグラフィック
2,860円

タイトルに偽りなく100年前後前の写真であるため、不鮮明だったりボケていたり、カラーと白黒半々程度だったりと難もありますが、少なくとも現在より民族衣装が身近だった頃の写真なので、イメージをつかむにはいい本かなと思います。

写真が今より身近でない時代の写真でもあるので、みんなしっかり並んでいたり、ポーズをキメていたりするため、日常風景とは少し違うかもしれません。
ですが、カメラを前にしてなんとなく誇らしげだったり恥ずかしげだったりする人々の写真が素敵な本です。


神々の宿る銀 世界の装身具図鑑 地域別編

神々の宿る銀 世界の装身具図鑑 地域別編
露木宏 (著・文)/ 木村直軌(写真)
繊研新聞社
-円

もう古書を探すしかない本ですが、個人的におすすめ。
年代の記載もあり、銀特化ではありますがジャラっとした装身具のデザインのイメージ元にしやすいと思います。
銀の装身具のみを白背景で見ることができるので、デザインの参考などにとてもよい本です。
逆に言うと、着用イメージが少々しにくいかもしれません。

衣装か?と思われると思うのですが、装飾品のデザインも含めてファッションなので、入れちゃうか…と記載しました。
本書著者も参加していて現在流通している本に、『聖なる銀 アジアの装身具』という、本書と同系統の趣旨の本があります。
そちらは未購入なので言及を避けますが、どちらも書名からしてかっこいい本です。


ヨーロッパの民族衣装 national costume of europe
衣装ビジュアル資料

ヨーロッパの民族衣装 = national costume of europe : 衣装ビジュアル資料
芳賀日向 著
グラフィック社
-円

これはもう絶対に手元に置いておいた方がいい本です。
民族衣装にちょっとでも興味がある?
イラストやまんがを描いたりする?
もしくはシナリオや小説や、その他さまざまなことのイメージ元にしたい?
なら絶対これは買いです。
ぜったい買っておく方がいい。
残念ながら絶版なのですが、まだ安価で古書が購入できるので、あとで悔し涙を流す前にサッと買っておいてほしい。
実際に着用している書籍の決定版と言っても過言ではないと思います。

祭り・もしくは日常で着用されているヨーロッパの民族衣装が、すごく素敵な写真でこれでもかと紹介されまくる本です。
もし難を言うのであれば、衣装の名称がわからないということくらい。
説明は端的ですが必要十分、イラストは表紙と中表紙のみです。
入手のしやすさ・古書流通価格・内容を考えるとぜったいおすすめ。
ヨーロッパの民族衣装を描きたい、参考にしたい場合は、いちばん手にいれておくべき本です。


滅びゆくものを追いかけて 衣裳の工芸―市田ひろみコレクション

滅びゆくものを追いかけて 衣裳の工芸―市田ひろみコレクション
市田ひろみ
求龍堂
8,800円

大型本です。
現地での着用写真とマネキン着用写真がバランスよくあり、カラーもとてもきれい。
織りや刺繍をアップで掲載している写真がとても多いのも特徴だと思います。
布のデザインの参考にしやすいかもしれません。
著者の方が調査研究・収集をなさっている衣装なので、見ごたえがすごい。
同著者の著作に、『世界の衣装をたずねて』もありますが、そちらは衣装ももちろん掲載されてはいますが、発色がそこまでよい紙ではない上に旅行記の色が強いので個人的にこちらの方がおすすめ。
まずは図書館などで借りてみるのもいいかもしれないです。


世界の民族衣装伝統文様集
市田ひろみコレクション(特撰文様集)

世界の民族衣装伝統文様集 市田ひろみコレクション(特撰文様集)
市田ひろみ 著
グラフィック社
-円

これは民族衣装、というより、本当にタイトル通り織りと刺繍、つまり伝統文様のアップのみがしこたま掲載されている本です。
織りと刺繍の写真を大きくたっぷりじっくり見たい、衣装の構造なんてどうでもいいんだ!というニッチ需要を満たす本。
「民族衣装を知りたい!」という気持ちで開くのではなく、「民族衣装の織りや刺繍を色々見たい」と思って開くのが正解だと思います。
ただし、刺し方などは一切掲載されていないとがった本なので、織り(布)と刺繍のアップ、それ以外一切期待しないで読むのがいいと思います。

同著者の本なので、↑で紹介した『衣装の工芸』に掲載されていたものと同衣装の布部分がクローズアップされている写真が多いです。
写真に文字がついていないので、文字のない写真を永遠に見ていたいという欲を満たせてよい本です。

※公式ページが探せなかったので、全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況確認サイトのカーリルのページを貼っています


中国諸民族服飾図鑑

中国諸民族服飾図鑑
柏書房
-円

中国の諸民族の服飾を、写真とリアルめのカラーイラストで紹介している大型本です。
小物や現地での写真もあり、かなり満足度が高い本だと思うのですが、個人的にこの本のいちばん推せるポイントは、巻末に衣装のざっくりしたパターン図が掲載されているところ。
しかも男女どちらの衣装も掲載があるので、構造を知りたいというときの一助になるかと思います。

※公式ページが探せなかったので、全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況確認サイトのカーリルのページを貼っています


マールカラー文庫1 民族衣装

マールカラー文庫1 民族衣装 (マールカラー文庫 1)
オーギュスト・ラシネ
マール社
320円

320円て。
花とゆめ本誌だってもっとするよ!という超お手頃価格、文庫サイズ、全ページフルカラー、現在も絶版ではない。
マール社さんは慈善事業でやってるのかもしれない…。
同シリーズに続民族衣装や中世ヨーロッパの服装、世界装飾図などもあるので、まずこれを購入して(参考になるな)と思ったら、他の気になるシリーズも購入してしまうのもよいかと思います。
中身のイラストは表紙で確認ができます。

おおまかなシルエットや雰囲気を知りたい!という場合はまずこれを購入しておけば、そうそう失敗はないはず。
逆に、細かな部分や刺繍・模様などが気になる!という方には物足りないかもしれません。
でも320円ですよこれ。
この本が、320円に寄せる期待値は軽々超えている本であることに、異論がある方は少ないのではないかと思います。
民族衣装、興味を持って初めの一歩めの本としてものすごく優良だと思います。


色彩のコスチューム 中国55少数民族の服飾

色彩のコスチューム 中国55少数民族の服飾
京都書院アーツコレクション
-円

絶版本ばかり紹介していますが、これもまだ古書でも探せるので…!
20年以上前の本ですが、印刷はとてもきれいだと思います。
現地での衣装を着用した日常のワンシーン、衣装を平置きして撮影した写真、どちらもフルカラーのページが前半、後半は民族についての説明などがあり、英語も併記されています。
これも購入できるなら購入しておくことを正直おすすめします。
日常やハレの日の写真が、なんとも言えずとても素敵なのと、創作をするにあたって、説明がいいヒントになりそうだなと思う本です。

同コレクションに『メキシコの民族と衣装』という本もあるのですが、そちらは…いい本なのですが、この『色彩とコスチューム』と比べると、民族衣装という点では物足りないかもしれません。
歴史の説明などに割いているページがけっこうあるので、(衣装を見たくて読んでいたら遺跡や歴史の話がはじまったぞ…?)と一瞬困惑するので…。
逆に「そこも知りたかった!」という方はすごく楽しめると思います。
お好きな方はあわせてどうぞ!

※公式ページが探せなかったので、全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況確認サイトのカーリルのページを貼っています


バリ島服飾文化図鑑

バリ島服飾文化図鑑
武居郁子
亥辰舎
1,980円

すごくいい本です!
村によって異なる伝統衣装や、婚礼、通過儀礼、葬儀などの衣装も掲載があり、リンク先で中身が確認できるので見ていただきたいのですが、ページが色彩にあふれていてとても華やかです。
バリ島の雰囲気が伝わってくるような紙面で、個人的にとても好きです。
新品で購入できますし!

歴史年表やミニコラムの集合体みたいなページ、島の花など、多岐にわたった内容ではあるのですが、服飾の図鑑でもあるという自我を忘れていないので、文化についてもすごく勉強になる服飾図鑑という感じです。
色の意味などの記載もあり、すごく参考になる上に、パラパラめくるだけでとっても楽しい本です。
バリを描く、という方でなくてもこれが手元にあると、異世界ファンタジーを妄想する一助になるように思います。

※公式サイトでの本著単体ページがなく、Amazonへの誘導リンクになっており、中身も確認できるのでAmazonのリンクを貼ってあります。



おわりに


…というわけで、おすすめ民族衣装資料の一部を紹介をさせていただきました。
こういうまとめがあったら、民族衣装に興味をもってすぐの頃の自分が助かっただろうな、と思う、過去の自分を助けるまとめなので、どなたかの参考になるとたいへんうれしく思います。

ごめんなさい! せっかくなので最後に宣伝させてください!

記事で色々書いたような資料を、ものの見事にいっさい活用していないシンプル衣装な王宮ファンタジーを花とゆめにて描かせていただいております。
お口に合いそうな方は、ぜひよろしくお願いいたします!


やった~!