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新進気鋭のNFTブランドRTFKT(アーティファクト)が示すメタバースの未来

フォーブス・ジャパンの記事、「オールドワールドよ、さらば!」新進気鋭のNFTブランド『RTFKT』とは。

アーティファクトはBenoit Pagotto(ベンワ・パゴット)、 Steven Valisev(スティーブン・ヴァジリー)、Chris Le(クリス・リー)の3名の若者により2020年初頭に立ち上げられたバーチャルスニーカーの会社。

実際に履かれないスニーカーが転売市場で高額取引がなされていることに着目し、であれば最初からバーチャルで良いのでは?というのが発想の原点。

また彼ら自身、ゲームとアニメの大ファンであり、クールなバーチャルスニーカーはゲーマー達に需要があるとの確信があった。

我々は、ゲーマーをターゲットにしています。既存のブランドがオタクのものだと切り捨てているゲームの世界に大きなポテンシャルがあると考えています。そしてゲーム世界をもっとクールにしたいと思っているのです。

まず、ゲームとスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーファン)の世界をマージしようと考えました。よってCounter-StrikeやDota 2、フォートナイトなどのゲームやアニメの世界に出てくるスニーカーを調べ、マージし、熱狂的なファンが欲しいと思うアイテムを作り上げました。その結果は、NFTスニーカーが3.3億円と高額落札を例に現れています。

私たち自身もゲームやアニメの世界にどっぷりとハマっているので、コレクターの方々から信頼もされています。既存のマーケティングのように顧客調査・分析などはせずに、コミュニティ全体として面白いと思うことをやり続けています。

出典:フォーブズ・ジャパン

リアルのスニーカーが欲しいという所有者には追加料金を支払うことで受注生産にて提供。

また、素早く移り変わるトレンドを捉えるには従来のマーケティングでは限界があるという話も興味深い。

クリスも私も、ラグジュアルブランドやeSports関連大企業に勤めた経験があります。そこの問題点は、人々が熱狂しているタイミングからずれてしまっていることです。複雑なビジネスプロセス、古い時代の目標達成に縛られており、リリースしたときには市場が冷めているということを何度も経験しました。

RTFKTでは面白いアイディアがあれば、そのまま実行し、熱狂している市場に投入します。そうするとノーリミットに熱狂を拡大していける。また現在はテクノロジー、ツールがノーリミットに揃っている。RKFKTはレガシーをもたないので、未来だけを考えたクリエーションにフォーカスできます。

出典:フォーブズ・ジャパン

2021年11月には、日本人デザイナー村上隆氏とのコラボ作品となる3Dアバター「Clone X」コレクションを発売。

こちらも大人気となり、現在のフロアプライス(最低価格)は17.5ETH(約$50,750、650万円)。

クリプトパンクスの様なドット絵は好みが分かれますが(私は、あまり魅力を感じない)、このシリーズは一見しただけで欲しくなる魅力があります。

そして、その翌月、12月には急転直下でNikeに買収された。

Nikeもバーチャルスニーカー需要に着目しており、また、今後のメタバース進出を考えた際、既にノウハウと実績のある会社を買収するのがベストと判断した様です。

これまでの常識では理解が難しく、価値判断も困難なバーチャルスニーカーの会社に対し、柔軟な判断と迅速な行動力で買収を実現したNikeという会社も称賛に値します。

上述のドラフトキングの記事中にも「今後のロードマップは明確に示されていない」とありますが、それこそ、現時点で未来など見通せない。コミュニティーに入り込み、リアルタイムでユーザーと会話しながら需要を見極めて行くのが正解。という考えなのでしょう。

単なるテクノロジーの進化を捉えるということに留まらず、同時にビジネスとしての意思決定のあり方も変えていかないと時代から取り残されていく。

という視点からも、非常に示唆に富む事例と思います。

<併せて読む>

日本発NFTプロジェクト「新星ギャルバース」。Zombie Zooの生みの親でありNFTアート成功の方程式を熟知した草野絵美さんが仕掛け人。世界中に散らばった8,888人のギャルの素性が徐々に明かされ、最後はアニメとして公開予定。

なぜか、日本で話題になっていないBoss Beauties。「女性をエンパワーメントする」を掲げ、世界中の人々から共感を得てNFT価格も爆上がり。リアルアートがNY証券取引所や国連本部に展示されるまでに支持を得ている。


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