最近、米国で良く耳にするNFTプロジェクトBoss Beauties(ボス・ビューティーズ)。昨年9月に10,000点のNFTアートが公開された。様々な容姿、職業の女性が描かれ、女性のエンパワーメント(社会的地位向上)を応援するプロジェクト。
そして、なぜか日本であまり紹介されていない様なので、今回、取り上げさせて頂きました。
My Social CanvasというECを運営するLisa Mayer氏が発起人。同社は、女性の社会的地位向上を支援すべく、女子学生に奨学金を提供する等の活動を10年近く行って来た。
では、なぜ、NFT化することにしたのか?下記、動画でLisa Mayer氏が語っています。2020年に3名の女子学生がデザインしたモバイルケースを企画。6,000個の製造を終え、倉庫に納入され、小売店に納入しようとしていた矢先、Covidに見舞われた。オーダーはキャンセルされ、在庫を抱え途方に暮れる。
小さな会社なので財務的なインパクトも大きいし、それ以上に、今後、どうやって奨学金の原資を捻出していけば良いのか…
そんな事情を旦那さんに相談したところ、ちょうどNFTに注目しており、可能性についてリサーチしていた旦那さんが「NFTにしてみたらどうか?」と提案。
半信半疑で始めて見たところ、発売初日、90分で完売という成功を収めた。「テクノロジーと創造力で女性のエンパワーメントを支援する」という理念に共感したコレクター達が一斉に購入したからである。
このプロジェクトの面白いところは、単にNFTを保有して応援するということにとどまらず、アートをリアルの場にも展示するという点。動画の中で、ニューヨーク証券取引所内に展示されていることが紹介されています。
更に、国連本部でも展示されることになった様です。
また、3/8の国際女性デーに合わせて、25点の追加コレクションを発表し、収益の一部を寄付。常に新しい話題を提供し続けることで、NFTの価値を担保することに成功しています。
以前、BAYCの記事でも触れましたが、ここでもNFTプロジェクトの成功の鍵を握るのはナラティブであると言えそうです。
女性をエンパワーするという理念を掲げ、長年、奨学金の提供等を行って来た
企画商品(モバイルケース)発売直前にCovidに見舞われるという悲劇
旦那さんのサポートによるNFTアートの立ち上げ
女性がリードするNFTプロジェクト(以前は大半が男性主導であった)
ニューヨーク証券取引所や国連事務所での展示
国際女性デーに絡めた新コレクションの発表と社会貢献(寄付)
「この取り組みを応援したい」「NFTを所有することが社会貢献に繋がる」という気持ちをNFT所有者と共有できる優れた取り組みと思います。
私が全力で応援している「新星ギャルバース」。前回の記事でもご紹介しましたが、「アニメを通じて女性をエンパワーする」という理念を、英語圏でもっとPRできれば、更に価値を上げられるのではと思いました。