パワーで導き出すマリガン成功確率【ユニオンアリーナ】
みなさん初めまして、ラスターです。
みなさん、エナ事故、回避できてますか?
大事な場面で0事故してしまった…
マリガンしたけど繋がってなくてエクドロしちゃった…
そんな経験はありませんか?
エナ事故は構築で左右されますが、自分の構築がどれだけエナが繋がりやすいのか、わかりませんよね。
2エナまで繋がる確率だったりとかは、割と計算しやすいんですが、3エナ以上や、2玉まで含めると、考慮しなければならない場合分けが爆発的に増えていきます。
何か良い計算方法はないものか…
…
…
…
計算できないなら何回も初手引きして検証すればいいのでは????
みなさん、中学数学の授業で最初にやったかもしれませんが、
6面サイコロで1の目が出る確率を求める際に、「えっと全部の場合の数が6で、1の目はそのうちの1通りだから…1/6!!!」なんてやる必要はありません。
サイコロを10000回振ればいいんです。そしたら大体1666回前後、1の目が出ます。
全ての事象が同様に確からしい場合、大量の試行回数を重ね、集計すれば、その確率はだいたい真値に近くなります。
「近くなる」だけで「等しい」わけではありませんが、我々に必要な情報は「ぱっと見どんぐらいの確率か」と「構築同士の確率の差分」ですので、この手法で十分な情報が得られると判断しました。
そう、今回は初手引きとその後数ターンのドロー含めて、手札生成を何回もやっていくことで、その手札での発生エナジーを調べて集計します。
まさしくパワーアリーナ。パワーで全て解決していきましょう。
結果だけ見たい人は目次で飛んでね。
アルゴリズム
本シミュレーターは、エクセルマクロにて作成しました。簡単に処理の流れを解説します。
あらかじめ、必要エナ、カード名、発生エナがまとめられた行を縦に並べた"Deck"シートを用意。(デッキ作成)
各行に0から1の範囲で乱数を割り振り、それらを上からソート(シャッフル)
上から7枚見て発生するエナジーを計算(初手生成)
マリガン基準に満たしてなければ、もっかいシャッフル(マリガン)
キープorマリガンが終了次第、上から8枚目〜14枚目をライフとしてデッキから削除
許容する枚数分までデッキの上から見て、随時発生エナを計算
最終的な発生エナを取得
これらの流れを今回は10000回行い、最終的な発生エナジーを集計していきます。
なお、発生エナジーの計算は下記のようなフローで行います。
"Deck"シートの上からa枚見て必要エナ0のカードだけで発生エナジーを計算。
発生エナジーが1以上なら、次は上からb枚見て必要エナ0と1のカードで発生エナジーを計算
発生エナジーが2以上なら、次は上からc枚見て必要エナ0,1,2のカードで発生エナジーを計算
発生エナジーが3以上なら、次は上からd枚見て必要エナ0,1,2,3のカードで発生エナジーを計算
こんな感じです。a,b,c,dの値は自由に設定できます。a=7、b=c=8、d=9と増やして行けば、エクドロなしで先攻3ターン目まで繋がる確率となります。
a=b=9、c=d=10とすれば、先攻1ターン目のエクドロを許容する。って設定になります。
なお、初手のマリガン判断のみa=b=c=d=7で固定です。
今回の設定
今回は下記のような設定で行います。
初手の発生エナが3を満たしてなければマリガン
先攻想定
エクドロは一切しないものとするが、ターンドローでの解決は許容する。(a=7、b=c=8、d=9)
アクティブ2玉は即時に2エナを発生するとして扱う。実際は先3で0,1×3+アクティブ2玉だと5エナを出すことはできないが、今回は発生エナ5になるとして扱う。
軽減2玉は必要エナ2(軽減された状態)として扱う。ただし本記事において計算したパターンのデッキリストに本カードは含まれていない。
バウンス2玉は通常の2玉と同じものとして扱う。ただし本記事において計算したパターンのデッキリストに本カードは含まれていない。
フロントでエナを発生するカードは考慮しないものとする。ただし本記事において計算したパターンのデッキリストに本カードは含まれていない。(実装できませんでした。ごめん)
効果でのドロー(ドロディス、ルック、指等)は考慮しないものとする。(普通に実装できる気がするけど時間なくてやってないです。ごめん)
全て手札で計算し、カードを置くエリアの制約は考慮しない。例えば0が初手に7枚あれば、7エナ発生としてカウントする。(多分一番問題な部分だと思うけど、解決法思いつきませんでした。ごめん)
こんな感じです。
あくまで手札の玉そのまま見た場合の繋がり方なので、AP的な繋がりは考慮しておりません。エナとしては繋がってるけど、AP足らずに先3までに出せないとかはあります。
今回の設定では結構マリガンに厳しめなプレイヤーを想定しています。自分はこのパターンのプレイヤーです。繋がってないけどキープとか無理。
カード効果でのドローを想定していないので、実際より少し低めに確率が出ます。
マリガン成功判定基準
今回、マリガンが成功したとは以下のように定義します。
3エナまで繋がればOKとします。0,1,2があればOKって感じです。ただし集計結果には発生エナ4と5以上も含めて乗せておきます。
今回発生エナジー5以上を成功としなかった(2玉が置けるかで判定しなかった)のは、手札の玉でしか計算できないからです。0エナ×5でも5エナとしてカウントされてしまい、正確ではなくなってしまうので、今回は「3エナまでで成功」と定義しました。
実際にやってみた
アルゴリズムなんて、つまんないものもちゃんと読んでくださった方。お疲れ様です。ここまで読み飛ばしてきたかた、お待たせしました。
ここからは、実際に10000回試行の計算結果を用います。なお、計算には実際のデッキリストを用います。特に適当に組んだ意味のないデッキリストなのであまり気にしないでください。(なんで、これ○枚採用なの?とか聞かないで)
①0=12枚、1=4枚、2=4枚
このパターンではこんな感じの青SHYのデッキを用いてみます。
まあよくある配分ですね。10000回計算してみると結果はこちら。
約84%という結果になりました。
この確率は、7回戦の大会となると、その事故確率(少なくとも3エナ貯まらない確率)は大体71%ほどとなります。
意外と高いか…?
逆に3割(ポケモンでいう一撃必殺が当たる確率)で、1回も事故らず行けるとも言えます。
ちなみに事故確率が90%を超えるのは13回でした。決勝トナメ含めても事故率が90%超えないということになります。
また注目したいのは、マリガン回数が5000回を切っているというところです。2回に1回以上はマリガンしなくて良いということですね。これは割と安心かも。
②0=11枚、1=4枚、2=4枚
さっきの青SHY構築から0を減らしてみましょう。今はこの配分が人気な印象です。
0シャイを1減らして、4スピリッツを増やしてみました。青SHYに限らず、最近よく見る下級配分ですが、確率の低下はどれぐらいでしょうか?
結果はこちら。
①と比較して4%ほどの低下となり約79%、成功確率が8割を切る形となりました。
ただ、7回戦で少なくとも1回事故る確率は79.9%まで跳ね上がりました。
10回戦までいくとその確率は89.9%まで上がります。
この構築をするなら、決勝トナメまで1回は事故ると考えた方がいいかもしれないです。
③0=8枚、1=8枚、2=4枚
最近ちょっと話題の配分でやってみましょう。
理由は様々ですが、たまーに槍玉にあがりますよね。こういう構築。実際、0の4枚が1になり変わったとて、言うほど確率変わらない気もしますが…
なお前述の通り、バウンス2玉の扱いを決めきれなかったので構築としては不採用としました。
果たして…?
約77%となりました。
②の構築よりも確率が低くなりました。0,1の枚数自体は②よりも多いはずですが…やはり0は偉大か…?
7回戦までやると事故確率は83%、事故確率が90%を超えるのは9回の対戦となります。決勝トナメ含めるとかなりの確率で事故ります。
争奪戦の4回戦までだと事故確率は約64%となります。完全に争奪用の構築となりそうです。
④0=10枚、1=4枚、2=4枚
枠がカツカツのロースカツ定食なアスタ先生に来ていただきました。
攻め攻め構築としてよく使われるこの配分。実際はどれだけ繋がってくれるんでしょう。
約75%となりました。
7回戦での事故確率86%となり、8回戦うとその事故確率は89.9%となります。ここまでくるとちょっと厳しそうな感じがしますね。
4回戦なら事故確率68%なので、やはり争奪戦意識の構築な気がしてきました。
⑤0=15枚、1=4枚、2=4枚
今度は逆に増やしてみます。Vol1当時、私が使ってた紫ブリーチの構築を持ってきました。
東京B、3月のOBC、3月の幕張3on合わせてたった1回しか事故らなかった(なおエクドロ1で解決)自慢の安定構築ですが果たして…?
なんと約93%
9割の大台を超えるという結果となりました。
7回戦での事故確率は脅威の39%。なんと34回もの対戦を重ねてようやく事故確率が90%を超えることになります。そら事故んねえわ。
紫ブリーチはこんな構築しても出力が極端に落ちるわけではないのがいいところ。
⑥0=10枚、1=4枚、2=6枚
私的な理由で検証しました。大雄英祭でデクもらえた爆豪デッキをちょっといじって使ってみます。
なお実際は、チキって2切島→0切島にしてました。1芦戸が4ショート(轟)と4大・爆・殺・神ダイナマイト(爆豪)以外全部のキャラ取れるので確率がちょっと下がるなら許容だが果たして?
78.4%という結果になりました。
②と③の間ぐらいの確率ということになります。
7回戦での事故確率は81%、事故確率が90%を超えるのは10回戦ということになりました。
ルックが下級にいるならこれぐらいの配分でも行けるかもしれない。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
結論としては、争奪戦を意識するなら④の0が10枚しかない構築も悪くないのかもなと思えました。
ただし、CSの予選や、さらにその先の決勝トナメまで考えると、運がいいやつが勝つ前提とはいえ、②の構築の78%が限界な気がしています。
なお、先に話した通り今回かなりマリガンに厳しめなプレイヤーを想定し、かつドロディス系を考慮していないので、低めに確率は出ています。
みなさんのデッキ構築の一助になれば幸いです。
よければいいねやコメント、「こんな設定でやってみては?」というご意見いただけるとすっごく嬉しいです!
<おまけ>先1エクドロ前提+マリガン緩和
ここから先はおまけの内容です。今回かなりマリガンに厳しくしました。
とはいえ、「繋がったら強いからキープ」という選択を取る人もいると思います。
なので、マリガン条件をちょっと緩くします。2エナまで発生してる、つまりは0,1が2枚しかない状態でもキープするようにしてみます。その代わり、先攻エクドロ1回を許容するように動きます。
マリガン判定の発生エナジーを下げると、3エナまで繋がる確率は下がります(3エナ未達成でもキープしちゃうから)。その低下をエクドロ分でケアできて、繋がる確率が大きく上がるなら、マリガンを緩くしてもいいような気もします。
ただし、全部でまた実験するのはたいへんなので、①、②、④の構築を計算しました。
以下から、結果を見せていきます。
①0=12枚、1=4枚、2=4枚
なんと91%となりました。これは条件緩和前と比べて8%ほどの増加です。
7回戦で事故る確率はなんと47.4%、事故確率が90%を超えるのは25回の対戦したらということになりました。
つまり、マリガン緩和してもエクドロ1回でほとんどの場合はプレイできるってことですね。
②0=11枚、1=4枚、2=4枚
約87%となりました。これも約8%の増加です。
7回戦での事故確率が約62%、事故確率が90%を超えるのは16回の対戦でした。
決勝トナメ含めても1回のエクドロぐらいで済みそうです。やはり①や②は「エナ事故しない」という観点ならかなりCS向けの配分ではあるように思えます。(上振れを狙うなら別)
④0=10枚、1=4枚、2=4枚
約84%でした。約9%増加です。
元々の事故率が高いと効果が大きいのでしょうか?10000回の試行で確率にブレがないとはいえ、これだけだとちょっと断言できなさそうですね…
確率としては条件緩和前の①とほぼ同じ結果になりました。7回戦で事故る確率は70%、13回の対戦で事故る確率は89.5%となりました。つまりは、④の構築をCSで使うならギリギリ1回のエクドロで許されるかもしれない。って形ですね。
以上、おまけでした。全体として8%ほど確率は上がったので、エクドロ分でケアはできていると見て良いと考えます。
なお、エクドロによる1枚掘りは(厳密には違うけど)ドロディスによる1枚堀りと等価と考えて良いと思います。
ドロディスもある、最悪エクドロしても繋がったら強いから、キープする。というのは確率上ナシな選択じゃないのかもしれません。
自分としても良い勉強になりました。
よければ高評価等押していただけるとすっごく嬉しいです!
コメント等いただければもしかすると追加で実験するかもしれないです!
ここまでお読みいただきありがとうございました!それでは!!
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