これもワクチンシェディングか
子を保育園に迎えに行ったら、グズグズしていた。お家に帰りたくないという。
時々こういうグズりはある。大方、どこかのお店でお菓子を買ってもらうという、楽しい寄り道をしたいんだろう。
暑いので、スーパーで本人の好きなアイスを買ってやることにした。レジに並ぶ時に抱っこしてやっていたが、疲れたので降ろすと大泣きした。周りの客にジロジロ見られるので仕方なくまた抱っこする。
会計が終わって車に乗せ、帰宅した。家に着いてもわんわん泣いている。泣いてないで手を洗おうよと促すも、しぶとく泣き続ける。なんでこんなに泣くんだろう。
この1週間、本人は風邪をひいて、ようやく昨日の午後から元気になってきたから保育園に行かせた次第だ。久々の保育園の活動に疲れたのだろうか。ママ（私）が恋しかったのだろうか。
我が子は発育がゆっくりなのもあるせいか、他の園児達よりもかなり甘えん坊なのは自覚している。他の園児が気を遣って子の荷物を玄関先まで持っていくのを手伝ってくれたり、ママが迎えに来たから大丈夫だよと子に言い聞かせているのを何度も見てきた。しかも、そういう親切なお友達に対して子がピーピーギャーギャー泣き喚いたりするから、ちょっと恥ずかしい。お友達の親御さんと居合わせると、丁寧に謝るようにしている。
しかし、今日は何か違うと思った。子の泣き方が強烈である。何かが壊れたような、気が触れたような感じだった。
こういう時はあまり刺激しない方がいい。普段は滅多にやらないが、リビングでテレビを見せた。その間私はいくつか家事をこなした。その後、夕飯を食べさせようとすると、案の定食べない。1時間経っても、怒りながらまだ泣いている。仕方ないから向かい合わせで抱っこしたまま私は食卓につき、自分だけ食べ始めた。それでも我が子は声を枯らして泣き続けた。
15分ほどで静かになり、うとうとし出した。よほど眠かったようだ。しかし、眠いだけでこんなに泣くとは、どうしたんだろう。
私はここでハッとした。先月に2回ほど、子を連れてワクチン御殿（病院）に行ったら、2回とも診察中にうとうとして、帰りの車の中で爆睡していた。運転していた私も、2回とも居眠り運転しそうなほど眠くなり、怖い思いをした。
保育園の先生達はワクチン接種を済ませている。ひさびさの登園で、ワクチンシェディングがあったのでは？
そう考えると辻褄が合う。うちの子はものすごく食いしん坊だし、アイスを買ってもらったら家に着くまで待てなくて、車の中で食べさせろと喚くのが常なのだ。それが今日はなかった。帰宅しても、お菓子いらない、ご飯いらないと泣き叫んでいた。ご飯を嫌がるのはよくあるが、お菓子を嫌がることなどほぼ無い。通常ではあり得ないことだ。
どうする？このまま寝かせる？それにしても泣き過ぎて、汗だくである。まだ、うとうとしてるところだ。可哀想だが急いでシャワーを浴びさせた。またしても号泣された。というかは阿鼻叫喚という表現がふさわしい。そして眠すぎて仕方ないのだろう、浴室の床に立てないし、座らせようにも背後に寝転がってしまい、またしても泣きじゃくっている。
湯上がりも大変だった。脱衣所では立つことができないほど眠くて眠くてたまらないのだろう、バスマットにへたり込んで泣いていた。暴れるからなかなか身体を拭いてやれないし、服を着せるのに苦労した。本人は裸で寝転がりたいらしく、怒って私をぶったり引っ掻いたりした。私が無視して髪の毛をドライヤーで乾かし始めると、ドライヤーやだ、やだ、と声を振り絞って泣いた。なんだか痛々しくて、本当に可哀想だった。
これがシェディングだとしたら保育園に行かせるのはどうなのだろう？でも、先生達が打ち始めてから、まあまあ日にちは経つのに、なぜ？
ふと思いついたのが、神酒（みき）の存在だ。風邪でお休み前は毎朝、ヨーグルトに混ぜて食べさせていた。でも、今朝は与えなかった。本人の好きなパンとコーンスープだけだった。
子はその後、水だけは少し飲み、私にしがみついたまま寝てしまった。今は寝室で仰向けになり、死んだように寝ている。かろうじて胸だけが上下しているが、他はピクリとも動かない。
その後、旦那が帰宅した。コロナ脳なのでどうせ、シェディングの話はしたところで通じない。子が癇癪を起こして何も食べずに寝てしまったと言うと、「きっとストレスがあるんだよ」と返された。
こんな浅い会話しかできない方がストレスだよと私は怒鳴りたいのを堪えた。子どもの体が危険に晒されているのに。こんなに大切なことを分かり合えず、「保育園のシェディング怖いね、気をつけようね」という会話を夫婦でできないなんて。悲しくて切なくて、涙が出そうになった。励まし合いながら戦禍を生き延びられない寂しさを、ひしひしと感じた。
2人の子どもなのに。たった1人の子どもなのに。
確かにシェディングだという証拠はない。単純に久々の保育園に疲れたというストレスなのかもしれない。すべて１つの可能性に過ぎない。だけどこの、子が上体を起こしていることも困難なほど、食べることもままならないほどの眠気といったら、それしか思い当たるものがない。少なくとも今は。
そのうち、眠気だけで済まなくなるかもしれない。湿疹や痛み、痒みで泣く日がくるかもしれない。
明日からまた、神酒入りヨーグルトを食べさせなくては。買い物リストに「さつまいも」と書き足した。