チュウを日課にしてみた💋

これの続編です。脳内お花畑のため、鬱陶しい駄文ばかりで、本当にすいません。


私たちが夫婦仲を修復したばかりのときは一日一回だったチュウが、この頃は一日何回しているのか分からなくなってきた。朝起きてチュウ、歯を磨いてチュウ、キッチンでチュウ、出勤前にチュウ。朝だけで4回はする。帰宅してチュウ、寝かしつけてからチュウ、そのあとは寝るまでの数時間、ずっとしている。

子の居る前でも平気で抱きついてチュウするし、旦那も拒否しなくなってきた。チュウが後ろめたいものではないと認識しつつあるのか、照れなくなってきた。子がそれを見て、喜び勇んで「チュウ合戦💋」に参戦してくることも、好意的に受け取っているのだろう。

チュウのピークは夜に来る。私は子を寝かしつけてからリビングに戻る。旦那は大抵、横向きに寝転がり、肘をついた手で頭を支えながらテレビを見ている。私はテレビに背を向けた格好で旦那と向かい合う。そして、「今日、まだ愛してもらってないよ」と真顔で訴えるのが日課になった。それを合図に旦那が私にチュウするのもまた、日課になった。

旦那は引き続きテレビを見ながら、しばらく私に蹂躙される。肘をついてる腕を手前に引き摺り出して、そこに私の頭を乗っけて、無理やり腕枕させる。私は旦那の背中に手を回して抱きしめたり、旦那の顎の肉を引っ張ったり、鼻の穴に指を突っ込んだりする。あるときには服を捲り上げてヘソをくすぐったり、髭の中に白髪を見つけて引っこ抜いたり(必ず絶叫する)、旦那の結婚指輪を薬指から中指にはめて抜けなくさせたり、胸のあたりに熱い息を強烈に吹きつけたりする(必ずアチッ🔥て言う)。

そういうイタズラが過ぎると旦那に抱きすくめられる。待ち望んでいた展開が嬉しくて私はキャッキャウフフする。

キャッキャウフフしながら、その日にあったことを一方的に話す。旦那はだいたい、目はテレビに釘付けのまま「うん」と言って聞き流している。「うん」に聞き飽きると「うん」を言われる前にチュウして口を塞ぐ。フレンチキスだと物足りないからディープキスをする。ディープキスした直後の旦那は必ず色っぽい目つきになる。もともと少しだけ目が離れててまつ毛が長いし、面長だから、愛情深い馬、草食動物のような顔に見える。馬ヅラだねえと、さも深刻そうに言うと、旦那は急に変顔をしてくる。その変顔が毎回同じで毎回つまらないから、つまらないねと言うと、ほおの肉を強烈にプッシュされる。

元子愛してるよって言ってとお願いすると、言わない。付き合ってる頃から、結婚した後も、旦那は私を呼び捨てしない。じゃあ元ぴょん可愛いからちゅきって言ってと言うと、言う。
じゃあテレビより元ぴょんのほうを見てって言うと、リモコンでテレビを消す。その後は延々とチュウをする。

延々やっていた後に旦那がシャワーを浴びに行く。私は一抹の寂しさを感じながら体育座りをして、テトリスをやりながら待つ。シャワーが済むとキッチンに行き、冷蔵庫から缶ビールを取り出して旦那が戻ってくる。いつもいつも、実に美味しそうに飲む。

Tシャツとトランクス姿の旦那は体から湯気を出し、あぐらをかく。そんな旦那にくっつくのがまた楽しい。ち🍄ぽこの辺りから強烈な湿気が出ていますね、温暖湿潤気候ですねと、私がち🍄ぽこを枕にして寝そべりながら言うと、旦那はそうですね、と言う。箱根の大涌谷みたいですよと言うと、旦那はそうですね大涌谷ですね、と言う。ということはコレは黒玉子ですか、ときん🥚まを掴んで訊くと、そうです黒玉子ですよーと言う。今度はち🍄ぽこを掴みながら今日の大涌谷は明朗快活、平和ですって仰々しく言うと、旦那はそうですね、平和ですね、と礼儀正しく言う。

私は起き上がって、少し真面目な顔をしてみせる。今日、子が私に向かってままが一番好き、と言ってきたけど、私はそれに対してありがとうと言ったんだ、ままはぱぱが一番好きなんだよ、だからあなたが産まれたんだよ、あなたは二番目に好きだよと言ったら、残念そうにしていたんだ、同じことを私も幼い頃、母に聞いたらこう答えられたからなんだ、と言った。旦那は、子が可哀想だと笑いながら私にチュウをした。そのチュウが、俺も同じだよって言ってくれてるように感じて、勝手に嬉しくなった。

一度冷めたピザは温め直しても美味しくないと聞く。なのに私は美味しいと思う。また冷めることがあるかもしれないけれど。今が美味しいなら全力で愛す。テレビ脳で愚かでビールが大好きな旦那が好き。ドMで馬ヅラでバカに付き合ってくれる旦那が好き。私が新たに挑戦していることを否定せず、応援してくれる旦那が好き。大好き。

2人でずっとラブラブしていたい。私がかつて、両親のラブラブぶりにうんざりしていたように。死ぬまでに何回チュウできるかな。何回愛を伝えられるかな。

夜も更けたので、2人で寝室へ行く。布団が3つ並べてあって、窓際が旦那、真ん中が我が子、壁際が私の寝床になっている。私は寝ている子をそっと抱き上げ、自分の布団側にどかした。そして自分が真ん中に寝た。フィナーレのチュウを迎えた後、旦那とくっついて寝るために。