#7days100tanka

短歌を、7日間で100首詠むのに挑戦しました。

詠んだ100首をここにまとめておきます。

色々なやり方をしている方がいますが、私は今回は「7日間で100首詠む」という以外のルールは設けていません。1首にかける時間の制限もぜず、題・テーマの設定も特にしていません。(28日だけ、急に恋の歌を詠んでみたくなってそうしましたが)思いついたことを、思いついたままです。推敲は、まったくしなかったこともないですが、ほとんどしていません。そんなことしてたら終わらなくなるし……。順番は出来た順に発表しています。

挑んだ経緯や、やってみての感想などは長くなるので、また改めてまとめるつもりです。

1週間ツイッターで、見守って下さった人たちありがとうございました。


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#7days100tanka

2017年2月23日16:30〜3月2日16:00 



○2月23日(木) 14首

わからないものに口つけ咀嚼して味噌かなグニョリ少し吐き出す

ダメだって知ってて剥がすかさぶたに薄赤色の瞳がうつろ

高級なチーズがとろん伸びて落ちこびりつきゴミ ざまあみやがれ

雪だるま逃げる歩いて追いかける いない 儚いものはおかしい

人間ていつも縦じゃん寝るときに横でふとんに挟まるの変 

あ、梅が雨につつかれ匂い立つときに鉄琴鳴るね ラかファ?

鈍色になりきれなかった思い出が春のほこりのにおいできれい

花びらがこぞって道を駆けていくゴミも駆けてくわたしは迷う

タクシーに乗ろうか迷う歩いたらすり減るものがヒールとか、あと、

大人ってあんまり泣いちゃだめだからラーメンのとき鼻水がでる

地球から振り落とされてたぶんこれ死んだんだよなばあちゃんいるし

ばあちゃんと宇宙の組み合わせがすごい なんにも聞こえなくってさみしい

星を吸い噛まないで飲むピカ、ピカ、とわたしはあかるく膨らんでいく

旅に出る意味を答えよ。※ただしバナナはおやつに含まれません。



○ 2月24日(金) 9首 

街灯はなんの匂いもしないから気分をぽっかりできて便利

1センチくらいの鈴が体内を転がりまわるバスロータリー

明け方のメロンが溶ける頰の内 おい特別がはじまってるぞ

風が柔らかくなるまで木の芽揉む 傷のない手をしわしわにして

柑橘の実が木からぽと、と落ちるとこ、新幹線で見ちゃった、ごめん

ベタだけど真横で放映されている車窓シネマプライムを見ちゃう

ケーキ屋のつやつやしてる回廊に似ているやつをひとつください 

わかんない街で電車を乗り換えるときの階段くらいの固さ

この街は東京でいうどこかしらとか気にかかる呪いがダルい




○ 2月25日(土) 6首

果てしなき商店街で果てしなき買物をする虹色の豹

切り売りで消費されゆく宿命に悩めるタコをカニは見ていた

満面の笑みで走ってきたところ恐縮ですがその先は川

できるだけ面白くってすごければすごいほどいい茶番フレンズ

列島に絡まる川を特急で横切りほどくミッションがある

歯ごたえのある思い出を噛みしめておうちにかえる魔法は解ける



○ 2月26日(日)6首

太陽になったつもりでルネサンス世界の影を濃くしてやるわ

どうしてもさわれなかったその背中はびこるキャットやさしいキャット

天国は曇ってる日のひなた感 冬でもわりと桜さいてる

樹齢約千年(自称)の木の精に見せてもらったきつつかれ傷

「走馬灯」ググらず死んで追憶のパワポスライド投影を見る

猫はニャア犬はワンワン俺はモウカエッテネタイアトコイシタイ



○ 2月27日(月) 17首

うわ、あはは、わたしがいない 単純に鏡を拭いていただけなのに

うれしいな君がタバコをやめたから布団でひとり待たなくていい

傷ついたキツツキのこと100%の気持ちで心配できなくてごめん

向上心ないからわたしクズだけどあったらあったで人を騙すよ

おまえもし私を殺し食う気なら火は通すなよ風味が消える

使用済み絆創膏のねとつきを君の嫉妬に喩えて眠る

負けん気の強いあいつの葬式に生きてることを自慢しに行く

教室で飼ってた金魚三枚におろした奴が寿司屋を開く

パーカーのよく似合う腕精巧に再現してる抱き枕くれ

やけになり電話で呼んだ堕天使が膿む傷口にはだいろを塗る

日々家にいてゲームしかしないのになんでダメージデニムを履くの

絶対に笑えない嘘ついてみる それで笑った人と付き合う

あの人の家の風呂場のエメラルドグリンの錆のような雨漏り

手違いで薄く呪いをかけられた人が正しくなりたがってる

鬼の家特定したので張り込んで出がけを狙う「鬼は外!」アレ?

丸つけてくださいもっと丸つけて 山手線の終電に乗る

自転車で青梅街道走るとき隣を駆ける架空のうさぎ



○ 2月28日(火) 15首

コマ撮りの映画の中で寝過ごして置いてけぼりで静止している

缶を蹴るくらい容易いことなのに音が出るとか考えて無理

急行に乗ってる人の目がきらいだから各駅停車で帰る

耳鳴りの糸を手繰って辿り着くわたしも触れちゃだめだったこと

朝もっとすっきり早く目覚めれば翼もちゃんとあたたまるのに

虹色の薔薇をくれようとする人すごいね、誰も好きじゃないのに

手のゆびが嘘みたいだなあのひとの輪郭がまだ絡まっている

運命は癖になるから気をつけて隣の部屋の人は犬だよ

ブラジャーをつける面倒臭さ対きみが来るかもしれないライブ

くそーーーーーーーーーーどうしても奴の「おいで」にだけは勝てない

特撮の照明っぽい夕焼けがあなたを照らしてますよ、ガンバ

さようなら遠くには行かないでよね中央線に居てよね じゃあね

泣いたりはしないくせしてしっとりと発光してる眼に見られてる

好きだけどあなたは悪いひとだから すね毛いっぽん抜いていいかな

階段の手すりがめっちゃ冷たいね、手すりが、手、すりが冷たいね



○ 3月1日(水) 18首

まぐれかもしれない僕の恋人のメール見ながら爪を噛む癖

三月のあんまり寒くない夜に靄がでるやつもっかいやって

テーブルがカクカクしててもうちょっと削りたいなぁ湯気がでるまで

永遠にふざけていれば永遠に蛍光ペンの中にいられる

むすんでもむすんでも即ほどけちゃうテロンテロンのリボンのこころ

友達を傷付けたかもしれぬ日の畳の上を沢蟹が這う

エアコンの中で働いてる風と個人で活動してる春風

幸福の源泉だったキッチンをあれからずっと掘り進めてる

鞄にも服にもドクロついている人が貪り食べるファミチキ

さびしさの話はやめた方が良い いま唇がはだかんぼうで

唐突に髪をほどけばあたたかい わたし元来やさしい女

静電気たちがこっちに来るなって言うから冬は脳にあやまる

ぱぱぱぱぱぱぱぱと平手打ちをする妄想をして何も言わない

枯れ果てた花が臭くてちょっとでも生きているって嫌だと思った

まやかしになればいいじゃん だってさぁ どうせ目玉はぜんぶきたない

人をころした後に出る涙ってなんだろ 海になりたいのかな

わたし人ころしたことがあるんだよ でも嘘 実は魔女の末裔

辻褄が合わないんだよ辻褄が合わねえんだよ愛がとげとげ



○ 3月2日(木) 15首

靴音がずっとしている街角で物語が停滞している

満員の電車の中でぴかぴかの耳たぶを見て降りてから吐く

眠ってるときの呼吸のまま昼間暮らしていれば溶けだす日向

十五歳、枕の中に住まわせた鳥が静かに息をひきとる

部屋の中さめざめと降る春雨と外の晴れ間が夢の境目

育ててる花にあいさつしてみたら「黙って、恥ずかしい」との返事

けったいな春の憂鬱仰け反れば門のところのバラがうるさい

パンジーにお酒あげたらほろ酔いで揺れたり笑ったりしてかわいい

虹色に黒を加えて笑ってるわたしをよそにより光る虹

三つ編みを見つめていると振り返るうなじにざぱんと打つさざ波

白猫がすこしピンクに見える日の夕暮れちゃんと手なづけとこう

夜色に染めた睫毛にじゃれている星々がいま流れゆくとき

冬芝の上でぐっすり昼寝するきみに黄金のシーツをかける

歌うとき話すときとは声色が違う人ってうそつきですか?

味噌味の淡い呪いにかけられてうすぼんやりと開ける瞳は





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おわり。ギリギリだったね。(日数でいったら8日使ってるしね)



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