アルバイトひとつ始めるだけでとてつもない勇気が必要だった

私は小さい頃から、ことあるごとに「誰の金で食べてると思ってるんだ」と言われて来ました。

大人になってお金を稼ぐまでは親に反論する権利はないんだと思っていました。

はじめて親の意見に逆らって行動を決めたのは大学１年生のときに、アルバイトを始めたとき。

周りの子はみんなバイトとサークルを掛け持ちして忙しそうにしていました。私も旅行やサークル活動をしたかったので、その分は自分で稼ごうと思い、アルバイトをしようと思いました。その頃私は、大学は親のお陰でいけているんだから、どうやって時間を使うかは親の許可が必要だと思い込んでおり、アルバイトをしていいか親に電話しました。

すると母親は「サークルもやって勉強もやって、その上でアルバイトなんかできるの？アルバイト先に絶対に迷惑をかけちゃだめよ？帰りも夜遅くなるんじゃないの、危ないわよ。学生なんだから、無理してバイトしなくてもいいわよ。全部完璧にできるならやっていいけど...」ととてもやってほしくなさそうな雰囲気でした。

父親からは「遊ぶ金ほしさにバイトなどふざけるな。旅行は学費を全部自分で出してから言え。学生なんだから勉強しろ。」と言われました。(こうして書くと、めっちゃ正論ではある。)

親に逆らってアルバイトをはじめてもうまくこなせない気がする、そうなったら社会からも親からも見放されて終わりだ。どうしよう、とかなり思い悩みました。

しかし、大学で周りの友人たちを見ていて、どうやら、世間とうちの家のルールは違うようだ...なんとなく、このままじゃいけない気がする...！と思い、清水の舞台から飛び降りる思いで飲食店のバイトに応募しました。

今思い返すと笑ってしまいます。バイトなんて親に聞かずに勝手に始めればいいのに。大学生のアルバイトにみんなそこまでの期待なんてしてないから、社会勉強のつもりでもっと気軽に始めたらいいのに。クソマジメなんだから、それくらいの気持ちでちょうどいいよ。むしろたくさん、前のめりに挑戦して怪我して経験値をあげておいた方がいいよ。と、今の自分なら簡単に決められることが、当時は親を裏切る罪悪感やちゃんとやれるのかというプレッシャーが物凄かったです。

誰の金で食べてると思ってる、という言葉で反論できなくし、すべてが完璧にできるまではアルバイト禁止、といって出口を塞ぐ。親たちは悪意は一切ないってところがまたしんどい。とにかくあの頃の自分に言ってあげたいです。親の言うこと無視していいから、自分で責任持って好きにやれって。

プレッシャー1000％で始めたバイトでどうなったかはまた次回。