10代のころに聴いた音楽は、の話。

10代で口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ。

SONY ウォークマンのコピーでも言うように、ことあるごとに周囲の大人から同様のことを言われながら何となく人生を過ごしてきて今年で29歳だ。何を言っているんだろう、いまの流行りの音楽が格好良いに決まっているだろうと流行りを追っていた青年期を過ごした。

僕は音楽は好きで高校時代からライブハウス・フェスに入り浸っていた人間で大学時代には某CDショップでアルバイトもしていた。(と言っても殆ど地下アイドルのライブ会場でのCD販売という名の握手券販売であったが。)

好きなバンドは?と言われればスラスラと名前は出てくる。あの歌詞が良いよね、あの曲はあのライブの時にやってくれたのが思い出という話も一晩分のお酒の肴になる程度には持っているはずだ。

大学を出る頃までは音楽詳しいよね、と言われれば謙遜の言葉は別として心の中では人よりは詳しいんだろうなと思っていたりもしていた。

しかしながら29歳になった、いま。自分としては何も変わっていないスタンスで音楽を聴いているつもりだが、どうだろう?King Gnuが街中で聞こえてくるよりも、ラジオからポルノグラフィティが流れてくる方がテンションは上がる。友人の結婚式であいみょんが流れるよりも、カエラちゃんが流れた方が心から祝福出来る。嵐の活動休止よりもELLEGARDENの復活の方が心の琴線は動いた。


先人の言葉はやはりあっていたようだ。


でも、僕がなぜこの文章を書いたのかというと単に10代の頃の音楽は最 to the 高!!!なんて回顧主義のクソ爺っぷりをアピールしたいわけではない。

現代の音楽も素晴らしいと思うし、いまの10代の一生ものなんだと思う。単純に僕が生まれるのが早すぎただけだ。ただただ、僕が言いたいのは10代の頃の音楽は一生ものだから気を付けた方が良いということ。


僕の中高時代の友人で音楽好きな少年が居た。彼は高校時代から作詞作曲もし音楽家を目指していた。いまも活動しているのかな?凝り性でかなり変わったやつだ。

遊ぶ約束をしても集合時間にシャワーを浴び始めるようなマイペース野郎で、いま思えばクリエイティブなやつだったんだろう。(当時は時計が読めないヤバいやつだと思っていた。)

バイト先も一緒だったこともありよく遊びに行った仲で、良くカラオケに連れていかれた記憶がある。このカラオケが、僕の10代の間違いだったのかもしてない。

彼は歌が上手い。音痴まではいかないが高音が出ない僕は自分の歌う番を彼に譲って聞く機会が多かったのだが、そこで彼の椎名林檎と19を聞き過ぎてしまったのだ。

10代に聴いた音楽は一生もの。

そう、僕の中での一生ものは椎名林檎と19、、、その歌声は淫靡な魔性の声でも爽やかや柔らかい声でもなく友人の声で一生ものになってしまった。どこで流れてもこの2組の音楽は彼の声で頭の中で再生されてしまう。

大学になってから若干疎遠になってしまったので聞いたことないはずなのに東京事変後期の楽曲すら彼の声で頭の中で流れる始末だ。別に嫌じゃないけど。

彼は何も悪くないし、林檎さんも何も悪くない。全て悪いのはカラオケという文化だ。そして友達が少なく同じ人とばかりカラオケに行っていた僕だ。


悪いのは完全に僕なのだが、いま青春を謳歌している高校生に対しては声を大にして伝えたい。カラオケなんか行かないでしっかりと部活やって勉強してほしい。そうしないと、僕みたいに好きな音楽が別人の声で再生される悲しい人生を送ることになるから。

という話。

(ちなみにどうでも良い話だが、別人の声が浮かぶ話だと声ではなく顔だが中学生時代にいちご100%が流行った時にショートヘアー好きの僕としては西野が一番好きだったが母親の名前がつかさなせいでビターチョコレートの話を純粋に読めなかった悲しい話もあったりする。)

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