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保存も取出しも通常の三倍は早くなる!超効率的書類保存法!

初めまして、税理士兼ギレンの野望委任プレイ研究家のブックウェストと言います。

普段は、「普通にプレイすると100時間程度かかるギレンの野望を、いかに効率化して時間短縮してクリアできるか」に心血を注ぎつつ、一方で、ギレンの野望のプレイ経験を生かして中小企業で経理効率化の手伝いをしています。


今回は、家庭内・事業所内で溜まっていく書類保存・整理術について書きます。

まず最初にこのnoteでお教えする書類整理術は、世にある常識的な方法とはかなり異なることを予告しておきます。

世にある常識的な方法とは、「契約書・保証書・保険証券等、一定のルールで分類してそれぞれ別にして綴じていく」というものを想定しています。


常識的な方法を、その欠点も交えて、具体的に説明すると次のような書類分類となります。

まずは、契約書ファイル・保証書ファイル・保険証券ファイルを作成します。

次に、そのファイルにそれぞれの書類を綴じていきます。ファイルを綴じ込む場所を間違えると後で探しづらくなるので、絶対に間違えないように保存していかなければなりません。

最後に、分類して保存したとしても、目当ての書類がすぐに見つかるわけではありません。例えば、〇〇製品の保証書を探したいとしましょう。この場合、保証書保存ファイルに収まっている書類を一枚一枚探していくことになるでしょう。大変時間がかかりますし、そもそも保存の際に間違って別のファイルに綴じていたりすると、絶対に見つかりません。


以上の通り、常識的な書類整理法では、「保存が煩雑」かつ「取出しも煩雑」ということになります。


私にはこれが効率的な方法には思えませんでした。中小企業に勤めていた時には、履歴書・社会保険関係書類・行政届出書類等々で大変細かく書類保存ファイルを作っていたので、保存ルールを覚えることだけでも大変でした。

このnoteでお教えする書類保存法は、これらの欠点を解消するため、大変シンプルなルールを一つだけ作っています。これにより書類の保存と取出しが劇的に改善します。

ご興味ある方は、続きをご覧ください。


概要

たった一つのシンプルな書類保存のルールとは、

書類の保存場所を一つだけにしなさい

ということです。これだけで書類整理は劇的に改善します。

書類保存をするときのことを考えて見ましょう。書類の保存場所は一つしかありませんから、入手した書類を次々とそこに入れていくだけです。「この書類は契約書だから、契約書ファイルに・・・」などと考える必要はありません。

後で詳しく解説しますが、書類を入れる前に、書類に通し番号を記入し、エクセルで作成する書類管理ファイルにおいて、「通し番号」「書類種類」「会社名」等を入力し、管理ファイルを作っておいてください。書類保存の際は、この通し番号順に書類を入れていってください

書類を取出しするときのことを考えて見ましょう。書類の保存場所は一つしかありませんから、そこから目当ての書類を探すことになります。書類を探すときには、エクセル表を開き、探したい書類の会社名等のキーワードで検索します。すると通し番号を見つけることができます。書類保存場所では、書類は通し番号順に並んでいますから、通し番号が分かっていれば、目当ての書類はすぐに取り出せます。

以上が大まかな流れとなります。


では、次から、書類保存と取出しについてもう少し細かくやり方を解説していきます。

保存場所の作り方

最初に書類を入れる場所を作りましょう。入れ物ですが、

ナカバヤシ Nakabayashi FB-EW4-CRN かたづけベスト キャパティEW4 ファイルボックス クリア

をお勧めします。書類を入れるのも取り出すのも簡単です。

書類が増えてくれば、これを複数買って横に並べ、書類を順番に入れていくと良いです。さらにもっと書類が増えた場合は、キャビネットを買って、そこにこの容器を並べれば良いでしょう。

次に、クリアファイルを買いましょう。書類を入れる際の仕切り代わりに使用します。

マイタックラベルを買います。クリアファイルの見出しとして使用します。

最後に、PC上にエクセルファイルを作成します。名称は何でも良いですが「保存書類一覧」としておきます。エクセル表の内容ですが、左端から「番号」「常時確認」「保存日」「タイトル」「内容」とします。次の画像を参考にすると良いです。

エクセル見出し

エクセルをパソコンにインストールしていない人は、エクセルオンラインを導入すると良いです。機能制限が掛かりますが、無料でエクセルを使うことができます。

準備は以上となります。

書類を保存するとき

保存したい書類に通し番号を記入します。

記入する場所は統一しておきましょう。書類右肩に書くと良いです。

通し番号は、既に保存済みの書類の最後の番号を調べてから記入してください。書類保存場所に収納している書類の通し番号に重複があってはいけません。

次にエクセル表保存書類一覧を開きます。

「番号」は書類に記入済みの通し番号を記入します。

「常時確認」は空欄で結構です。この欄の意味するところは後述します。

「保存日」は今日の日付を書くと良いです。例えば、2021年10月5日であれば、2021-10-5とすると良いです。2021/10/5でも2021年10月5日と書いても結構です。あまり拘りません。

「タイトル」は書類の見出しを書きましょう。例えば、「不動産賃貸借契約書」「IDパスワードのお知らせ」「請負契約書」「保険証券」等です。長ければ省略しても構いません。

「内容」は、相手先の会社名等を記載します。

タイトルと内容は、後で書類を探すときの検索用キーワードを含めるようにして下さい。例えば、お使いのプリンターが故障し、保証書が必要になったとします。この書類を探すときには、「保証書」「キヤノン」「プリンター」などで検索することになるでしょう。書類を保存する際には、後からこの書類を探す際の検索キーワードを予想し、タイトルもしくは内容に含めておいてください

エクセル表の入力サンプルは以下のようになります。

エクセルサンプル


エクセルの入力が終われば、お手元の書類をファイルボックスに入れます。通し番号の順番通りになるように入れて下さい。

そのまま書類を入れると中で滅茶苦茶になりますから、仕切り代わりにクリアファイルを活用すると良いです。クリアファイルには複数枚の書類が入っても構いません。

クリアファイルには、ラベルを貼って、通し番号の何番から何番までが入っているかを書いておくと見やすいです。

クリアファイルラベル

書類を取り出すとき

取り出すときは、エクセル表の保存書類一覧を開きます。

開いたら、エクセル表の上で「Ctrlキー」を押しながら「F」を押して下さい。検索用のウィンドウが立ち上がります。

検索

ここに探したい書類の会社名や書類名等のキーワードを入れて下さい。「次を検索」のボタンを押せば、同じキーワードを持つ書類が次々に表示されます。

検索することで通し番号が発見できます。これを覚えておいて、保存ボックスより書類を取り出してください。書類は通し番号順に並んでいますから、容易に取り出すことが可能です。


基本的な使い方は以上となります。保存も楽、取出しも楽で今までの書類保存に比べてかなり整理しやすくなると思います。

以下では補足事項を書いていきます。応用的な使い方や、デメリットなどまとめます。

補足事項

既存の方法から切り替えたい人

これまで契約書・保証書・保険証券等細かいファイルを作っていた人は、お教えした方法に切り替えようとすると今までの書類を全て書類一覧表に記入しなければならない問題が発生しますが、特にそのようなことはせず、今までの書類は今までのところに保存しておけば良いです。明日から入手した書類を通し番号1としてこの方法でやっていけば良いです。

なお、既存の契約書・保証書・保険証券ファイルにあり、「これはこれからも良く見ることになるぞ」と思う書類は、それらのファイルから取り外して、書類一覧表に追加していくと良いです。このとき、通し番号と書類入手日が逆になってしまいますが、さして問題になることはないです。

既存の方法から一気に切り替えようとせずに、少しづつ移行させていけば良いです。


常時確認欄

エクセル表の常時確認欄の使い方を説明します。

取出しの際には書類を検索する必要がありますが、例えばネットバンキングのIDパスワード通知書など頻繁に確認を要する書類の場合、これを一々検索して探していると煩雑です。

このような書類は、常時確認欄に半角数字で「1」と記入しておきます。

エクセルにはフィルター機能があり、常時確認欄に「1」があるものだけを表示することができます。普段はこのフィルタ機能で良く取出しするものだけを表示しておいて、全部の書類から特定のものを探したい場合のときだけ、フィルター機能を切って全部の書類を検索すると実際の運用において効率的です。

「フィルター機能?何それ美味しいの?」と思った方は、常時確認欄を活用することはひとまずおいておきましょう。

IDパスワード

書類保存一覧には、実際の書類のリスト表としてだけではなくIDパスワードのリスト表としても活用できます。タイトルにはショッピングサイトやネット銀行名を入力しておいて、内容にIDパスワードを入力しておくと良いです。

このように、よく探すことになる情報は一元化して、ひとつのところに全て詰め込んでおくと検索して探すことが容易になります。

小さな書類の保存法

書類が小さくA4サイズに満たない場合や、医療費の領収書のように同じ種類の書類を何枚も保存することになる場合は、B5サイズ茶封筒に書類を入れると良いです。

保存の際は、封筒の右肩に通し番号を振り、他の書類と同じように通し番号順に保存ボックスに入れて下さい。

書類以外の小物も保存可能

年金手帳・パスポート・通帳・銀行カード・図書カード等も、必要なときにすぐ出せるよう、通し番号を付けた上で、書類保存ボックスに入れてしまうと良いです。小さいカードなどは封筒を活用して保存していくと良いです。

データ形式の書類

データ形式の書類も同じような方法で保存可能です。書類保存一覧表に記入しておくことで、検索して書類を探すことがやり易くなります。

書類がデータであるので、箱に入れて保存することはできません。データをパソコンフォルダ上で保存します。

オンラインバンキングの通帳データや電子契約書も、他の書類と同じように、書類保存一覧表に記載します。

電子データを書類保存ボックスに入れることはできませんから、パソコンフォルダに保存しましょう。

例えば、通し番号7としてタイトル「電子契約書」、内容「〇〇商会」を書類保存一覧表に記載したとします。電子データの書類名を「7 〇〇商会」として、書類保存一覧表と同じフォルダに保存します。

以下の画像はPCのフォルダです。

電子データ

税理士のチェックがやり易い

顧問税理士を付けている人は、面談・相談時に保存書類一覧表を見せると良いです。税金を最大限減らし、経営に関するアドバイスを最大限受けるためには、知見のある税理士に依頼することと、会社側も会社情報を漏れなく税理士に伝えることが重要です

税理士は、保存書類一覧表より、会社が締結した契約や保険の概要を閲覧できます。会社が行った重要な取引を瞬時に知ることができます。

優秀な税理士は、さらにその能力を発揮でき、御社の力になってくれます。

相続のときに役立つ

自分が死亡した際に遺された家族の方が、書類リストより保険や通帳を把握できます。

デメリット

お教えした書類整理法の欠点をお伝えします。主に2つあります。

一つ目:書類種別に次々見ていくことができない

「会社内にある契約書を次々と順番に見ていきたい」というようなことはできません。書類種別ごとにまとまっていないため、これを行うのは不可能です。

実際にこれを行うとなると、書類保存一覧表で検索ワード「契約書」で検索し、ヒットした通し番号の書類を取出して閲覧、ということを何度も繰り返すことになります。

ただしこのように「契約書を舐めるように見ていく」ということを業務上で行うことは稀です。

大きなデメリットとなることはないでしょう。

二つ目:重要書類とどうでもよい書類が混在する

お教えした書類保存法を実行する方が、特に事業者であるときに問題となり得ります。

雇用している従業員が会社のとある契約書を見たくなったとしましょう。書類一覧表で「契約書」などで検索することで、書類の通し番号を発見します。書類保存先から書類を取り出します。

その書類の隣に、採用従業員の履歴書が入っていたとしたらどうでしょうか。会社の幹部以外知るべきではない重要な情報が一般従業員に知られてしまうことになります。

書類を通し番号順に保存していくと、見られて良い書類のとなりに見られたくない書類があるということが当然に発生します。

これは業務上のリスクとなる可能性があります。

この対策としては方法が二つあります。

・一つ目:書類取出しが出来る人を限定する
書類を見たい人に書類を取出しさせず、取出しは会社内で偉い人が行うようにします。こうすると機密書類情報が漏れることがありません。

・二つ目:機密度の高い書類は別に保存ボックスを作る
保存ボックスを別途作り、機密度の低い書類と高い書類を分けて保存します。機密度の低い書類の隣には機密の低い書類しかありませんから、機密が漏れることがありません。


書類整理に関して知見を全てお伝えしました。

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