ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析はどっちが有効?【分析方法の実例も紹介】
株式投資の分析方法としては、
・ファンダメンタルズ分析
・テクニカル分析
の2つが有名です。
投資をしているなら、見かけたことがあるのではないでしょうか?
どちらの分析方法を使うかは派閥が分かれており、論争が続いているので、それぞれの特徴を紹介します。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析はどっちが有効?
結論からいうと、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、どちらかを使うのではなく、両方を使った方が良いと考えられます。
株価は主に「企業価値」と「市場心理」で決まります。
株価=企業価値×市場心理
会社の業績が良くても、市場に参加している人が価値に気づかなければ株価は上がらないですし、不況の時などは個別銘柄の業績に関係なく、ほとんどの銘柄が下落することになるため、「企業価値」と合わせて「市場心理」の分析も必要になるということですね。
一般的に、企業価値を測るにはファンダメンタルズ分析、需供や市場の反応を知りたいのならテクニカル分析を使用することが多いと言われています。
①ファンダメンタルズ分析
会社の財務や成長性など企業価値を分析する。
⇒銘柄を絞る参考にしやすい
②テクニカル分析
過去の株価データであるチャートを見て、市場心理を分析する。
⇒売買タイミングの参考にしやすい
つまり、銘柄選定にファンダメンタルズ分析、売買タイミングを計るのに、テクニカル分析を使うと良いということですね。
ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析とは、主に経済成長率などのマクロ要因、企業の財務指標や強みなどを分析して投資判断をするというものです。
企業の分析には、 PER、PBR、ROEなどの投資指標を使うことが一般的ですが、企業独自の強みなど定性的に価値を測ろうとする分析もファンダメンタルズ分析に分類されます。
ミクロ経済の分析(個別企業の分析)は、機関投資家と呼ばれる投資のプロたちが時間とコストをかけて分析しており、個人投資家が同等の分析をするといったことは難しいでしょう。有名な企業ほど、プロのアナリストがフォローしていることが多いため、ミスプライスによる超過リターンを目指すのは難しくなります。
とはいえ、チャンスが全くないわけではありません。例えばアナリストや機関投資家のフォローが少ない、時価総額の小さい会社を中心に分析するといったアプローチは有効な可能性があります。
また、割安(PER、PBRが低いなど)な会社ほど株価が上がりやすいなど、統計的に有効な投資指標を使って分析することで、利益を出すことは可能だと思います。
個人的な見解では、
・個別の企業価値や経済状況を分析するのは個人レベルだと難しい
・注目度の低い銘柄は値付けが間違われやすくチャンスがある
・統計的に有効と実証されている投資指標を使うと効率的に分析可能
と考えているので、ファクター分析を主として、注目度の低い銘柄に対して、企業分析をするという単純な方法が良いと考えています。
テクニカル分析とは?
テクニカル分析は過去に株価がどう動いたのかのチャートを分析し、売買の参考にするというものです。短期の移動平均線が長期の移動平均線を超えた時を買いシグナルとするゴールデンクロスなどが有名です。
ただし、巷にあふれている本では、テクニカル分析は〇〇日線を使うなど、明確な表現がされていないことが多いです。ゴールデンクロスなどの売買ルールは、採用する期間によっては損をしやすい傾向があるなど、一般的に買いシグナルとされている方法を使っても簡単には利益につながりません。
例えば、5日線、25日線、200日線を使った場合は、それぞれ全然違う結果になるため、ゴールデンクロスのシグナル自体ではなく、何日線のゴールデンクロスを使用するのかが大事ということですね。
よく、チャート分析は過去全ての取引結果なので、「業績や市場心理なども全て織り込まれた分析ができる」と主張する方もいますが、一般的にはファンダメンタルズの改善で値上がりするという因果関係があります。
短期的には需給に左右されますが、長期的には業績に近づくといわれているので、テクニカル分析だけで投資判断をするのは難易度が高いと考えます。
悪い面ばかり取り上げてしまいましたが、優れている面もありまして、
・トレンド判定(トレンドフォロー)をしやすい
・株価の周期性を分析しやすい
などのメリットがあるので、売買タイミングの参考にしやすいです。
ちなみに、テクニカル分析で有効だというエビデンスが豊富なのは、以下の3つぐらいです。
・モメンタム
⇒直近の1年で値上がり傾向の銘柄は続伸しやすい
・短期リバーサル
⇒直近の1ヵ月で値下がり傾向の銘柄は上昇しやすい
・長期リバーサル
⇒直近の3年~5年で値下がり傾向の銘柄は上昇しやすい
200日線よりも上の価格で買って、200日線よりも下の価格になったら売るという戦略だと、モメンタムを利用している戦略となり、25日線の値下がり率を使っているなら、短期リバーサルを利用しているということになります。
ボリンジャーバンド、RSIなども視点が違うだけで、本質的には同じことを評価していることが多かったりします。(中期的なトレンド、短期的な売られすぎなど)
ファンダメンタルズ分析+テクニカル分析
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析をご紹介しましたので、組み合わせて使う方法を紹介します。
具体的には、ファンダメンタルズ分析で有望な銘柄に絞った上で、テクニカルな部分を確認すると銘柄選定がしやすいです。
例えば、以下のように組み合わせます。
※例として『バフェットコード』の条件検索機能を使用
①時価総額が小さい、PER、PBRが低い、自己資本比率が高い企業をピックアップ
(例:時価総額<=300億円、予想PER<=12倍、PBR<=1.5倍、自己資本比率>=70%)
⇒簡易的なファンダメンタルズ分析(バリュー)
②その中で直近1ヵ月の間で大きく株価が下落している会社を探す
(例:1ヵ月前の株価から-15%よりも下落している)
⇒簡易的なテクニカル分析(短期リバーサル)
出典:バフェットコード
まとめ
株を分析する方法としては、
・ファンダメンタルズ分析
⇒銘柄選定の参考にしやすい
・テクニカル分析
⇒売買タイミングの参考にしやすい
があることを説明しました。
それぞれに長所があるので、どちらか片方を使用するのではなく、投資手法に合わせて両方使うと良いかと思います。
ぜひ、投資する上での参考にしてみてください。
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